yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

南高尾山陵の花々 1 2021.4.27

南高尾山陵の花1

高尾南山稜とは高尾山の南側にある、泰光寺山、入沢山、中澤山など、500mに満たない山稜である。起伏も少なくトレイルランニングにも人気のコースで、高尾山に比べれば静かな山並みと言える。花は、特に多くはないが、上り、下りに通る沢筋にはそれなりに楽しめる。ここにあげた花々の多くはそこで撮ったものである。

アオキ(アオキ科)

青木で枝が青いことから。広く庭木として植えられており、ヨーロッパでも人気が高い。雌雄異株で、写真では4つの雄しべが見られることから雄株である。雌花には雄しべが無い。

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アオキ

アオキ果実

果実も見られた。こちらは当然雌株。

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アオキ果実

ガクウツギ(アジサイ科)

額空木。額はガクアジサイの略で、空木は木の様子がウツギに似ていることから。大きな白い花弁状のものは萼片で、その中心に雌しべ、雄しべがあるが、無いこともあり装飾花と言われる。完全な花は、小さく写っている。別名コンテリギで、旧分類はユキノシタ科。

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ガクウツギ

シャガ(アヤメ科)

射干で、漢名から。しかし、本来の射干はヒオウギのこと。花の後、果実を付けるが、3倍体なので種子はできず、地下茎を伸ばし増える。シャガが群落で生えているのはこのためである。

*3倍体・・・生物の染色体は卵細胞のn個と精細胞のn個が受精して、2n個になる。これを2倍体というが、偶然に4倍体などができると2倍体と4倍体の親から3倍体の子ができる。

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シャガ

ホウチャクソウイヌサフラン科)

宝鐸草で、宝鐸とは寺院の軒先などに飾る風鈴に似た飾りのこと。有毒植物で、旧分類はユリ科

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ホウチャクソウ

カテンソウ(イラクサ科)

カテンソウの意味は不明であるが、花点草で、小さな花が点のように散らばっているからという説があった。上に飛び出しているのは雄花で、雌花は葉の葉腋に短い柄をつけて咲くので、上からでは見えない。

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カテンソウ

クワガタソウ(オオバコ科)

鍬形草で、果実が兜の鍬形に似ていることから。旧分類はゴマノハグサ科

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クワガタソウ

ハハコグサ(キク科)

山道だけでなく空き地や道端にも広く見られる。咲き終わった後、冠毛(綿毛)がほうけることからホウケグサが、ハハコグサに変化したといわれる。

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ハハコグサ

イチリンソウキンポウゲ科

花を1つつけることから一輪草。花弁は無く、白いのは萼片。

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イチリンソウ

セリバヒエンソウ(キンポウゲ科

芹葉飛燕草で、葉の形がセリに似て、花が飛ぶ燕を連想させることから。5方向に伸びた花弁状のものは萼片で、中心部にある上下2枚ずつのものが花弁。後ろにある蕾をみると、上の萼片には距があり、蜜を貯めるところになっている。帰化植物

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セリバヒエンソウ

トウゴクサバノオ(キンポウゲ科

東国鯖の尾で、左右に伸びた果実が鯖の尾に見えるから。関東地方に生えるので東国とついた。西日本にあるサバノオは花が下向きに咲くが、本種は上向きに咲く。

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トウゴクサバノオ

ニリンソウキンポウゲ科

写真のように茎頂に2個の花を付けるので、二輪草。しかし、1個のことも3個のこともある。白いのは萼片で5枚が多いが6,7枚の時もあり、写真では6枚見える。花弁は無い。

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ニリンソウ

ニリンソウ群落

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ニリンソウ群落

ハンショウズルキンポウゲ科

半鐘蔓で、つり下がった半鐘にみえるから。これはまだ蕾だった。

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ハンショウズル

 

高尾山のスミレ 2  2014.4.24他

高尾山のスミレ2

スミレ

スミレの前に何も付かないスミレ。いわゆるスミレ色もここから。スミレの名は墨入れからきたといわれるが、墨入れは大工が使う道具。

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スミレ

シハイスミレ×スミレ?

スミレにしては葉も厚ぼったく裏側が茶褐色をしているので悩んだが、少しシハイスミレの形質も持っていると思われる。そこで、シハイスミレとスミレの交雑種と考えたがどうだろうか?景信山の山頂近くで撮った。

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シハイスミレ?

マルバスミレ

丸葉スミレで、葉の形が丸いことから。かなり丸に近いものからやや先が尖り気味のものもある。図鑑にはピンクがかったものもあると書かれていたが、花色は白以外ほとんど見たことが無い。毛の多いものをケマルバスミレとしていたが、無いものから連続しているので特に言わなくなった。

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マルバスミレ

タチツボスミレ

立坪菫で、坪とは庭のことで、そういう所に生えることから。春に山に行くと必ず見られる程、多く生えている。それだけに変異が多く、様々な色や姿が見られる。

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タチツボスミレ

オトメスミレ

タチツボスミレの品種で、距以外は白色である。左隅に薄紫色の距が写っている。なお、全て白いシロバナタチツボスミレというのもある。品種とは同じ種に属するがわずかに1~2の形質が異なるもの。

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オトメスミレ

アカフタチツボスミレ

赤斑立坪菫で、タチツボスミレの品種で、葉脈に赤い斑が入っている。

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アカフタチツボスミレ

ニオイタチツボスミレ

匂い立坪菫で、良い匂いがすることから。しかしながら嗅覚に鈍感な私には、残念だがよく分からない。花の中心部が白くぬける特徴がある。

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ニオイタチツボスミレ

マルバタチツボスミレ

初めて見たとき、ニオイタチツボスミレに似ているなとは思ったが、なんか違うと思い、そのままになっていた。ところが高尾山全植物(山田隆彦 文一総合出版)という本によく似たものが載っていた。それはニオイタチツボスミレタチツボスミレの交雑種で、マルバタチツボスミレという。

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マルバタチツボスミレ

ツボスミレ(ニョイスミレ)

坪菫で、前述のタチツボスミレと同じ意味で坪(庭)に生えることから。花の径1cmくらいの小さなスミレ。漢名では如意草なので、植物学者の牧野富太郎はニョイスミレを提唱した結果、名が2ついきわたっている。

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ツボスミレ

アギスミレ

ツボスミレの品種で、アギとは顎の古い言葉で、葉の隅があごのように飛び出していることから。顕著なものは写真よりもっと三日月型に近く、花がないときはもっと三日月状になるという。但しツボスミレから連続するので、どの程度をいうのか分からない。

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アギスミレ

ナガバノスミレサイシン

長葉の菫細辛で、細辛という薬草に似ている長めの葉をつけるから。太平洋側に分布し、日本海側にはスミレサイシンが分布する。花色は淡紫色だが、濃淡の変化が激しく、写真はかなり濃い。見えにくいが距は太く、丸く、短い。

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ナガバノスミレサイシン

ナガバノスミレサイシン

この株はほとんど白だが、完全に白いシロバナナガバノスミレサイシンと恐ろしく長い名もある。花弁の基部が開いているので、雌しべ、雄しべがよく見える。

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ナガバノスミレサイシン

ヒナスミレ

雛菫で、雛のように可愛いことから。葉の基部が丸く、深く湾入する独特の形で見分けられる。

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ヒナスミレ

アメリカスミレサイシン

アメリカとつくように北アメリカ原産の帰化種で、栽培されていたものが野生化している。高尾に限らずよく目にする。

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アメリカスミレサイシン

アメリカスミレサイシンの色変わりで、”プリケアナ”とも。

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アメリカスミレサイシン

これも色変わり

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アメリカスミレサイシン










高尾山のスミレ 1  2014.4.24他

高尾山のスミレ1

スミレの形は独特なので、かなり多くの人は認識しているようだが、さて、何スミレかとなると今度は多くの人がわからないままでパスしてしまう。私もそうであった。しかし、だんだん興味がわくと色、形、生育場所などの違いで、おおよそわかるようになり面白くなった。しかし、だんだんわかると同じ種類でも変異があり、今度は2種類に似ている場合どちらかになるかが分からなくなり、今でも苦しんでいる。また、それも楽しい。

ここにあげたスミレは、全て同じ日ではない。早く咲くのもあれば、遅いものもあるが多くは4月初めから中旬である。

タカオスミレ

高尾山のスミレといえば言わずと知れたタカオスミレ。葉の表面が暗赤褐色で、次のヒカゲスミレの品種。この色が裏にも透き通るものがタカオスミレ、表面だけだとハグロスミレとした図鑑もあったが、タカオスミレに統一されたという。

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タカオスミレ

ヒカゲスミレ

日陰菫で、林下に生えることから。ポイントは唇弁に見られる血管のような赤みの強い紫色のすじ。

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ヒカゲスミレ

アオイスミレ

葵菫で、葉の形がフタバアオイウマノスズクサ科)に似ていることから。上弁がウサギの耳の様に立ちあがり、側弁は前側に突き出すものが多い。花色も白から淡紫色まで変化がある。

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アオイスミレ

アオイスミレ

この花は、かなり白っぽい。距とは花弁の後部が筒状に伸びて、蜜を貯めるところだが、本種は上に立ち上がる形である。アオイスミレは花期が早く、3月初めくらいから咲き出す。

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アオイスミレ

アカネスミレ

茜菫で花色が茜色をしているから。細長い距と全体的に短毛が多いのが特徴。

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アカネスミレ

オカスミレ

丘菫で、アカネスミレの品種で、側弁基部には毛があるが、他は無毛。

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オカスミレ

アケボノスミレ

曙菫で、花色を曙の空になぞらえた。花よりも葉が遅いので、花だけ咲いているのを見たことがある。葉の裏に短毛が生えているのが分かる。

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アケボノスミレ

アリアケスミレ

有明菫で、有明の空に因んだ。花色は白から淡紫色、濃紫色まで変化が多く、濃紫色だとスミレに見間違いそうだが、紫条が目立つ。山の中より人家の周辺や、植え込みなどに見られ、この写真も登山口までの道沿いで撮った。

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アリアケスミレ

エイザンスミレ

叡山菫で、叡山は比叡山のこと。葉が先ず3裂し、その両外側が深く2裂するので、5裂に見える。花色は変化があり、白色から濃い赤紫色まで見られる。初めから細く5裂するヒゴスミレはふっくらした白花を付け、高尾にもあるというが、どうも誰かが移植したらしいといわれる。

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エイザンスミレ

コスミレ

小菫だが、小さいことも無く適切な名とは思えない。上弁がウサギの耳の様に立ち上がるものが多い。側弁の毛もないので、雄しべ、雌しべが見える。

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コスミレ

コミヤマスミレ

小深山菫で、少し小ぶりで、林下の薄暗い場所に生育する。葉脈に沿って斑が入っており、全体にやや長い毛が生える。花期が遅く、4月末から5月の初めごろ、見られる。

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コミヤマスミレ

 

赤城山(鈴が岳)の花々3 2021.7.27

赤城山の花

鈴が岳は2でも述べたように、樹林帯の中での道なので、お花畑のようなものは無い。大沼湖畔まで下りて来ると、開けた場所もあり、花の種類も少し多くなる。ここであげた花は、湖畔で見たものが多くなった。

オオヒナノウスツボ(ゴマノハグサ科

大雛の臼壺で、花の形から。初めは大が付かないヒナノウスツボだと思ったが次のアップの写真で、花柄に沢山の腺毛が写っていた。図鑑でもヒナノウスツボには腺毛がほとんどなく、茎も細くて弱々しい。先端の花穂も細長く、花付きも少ない。

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オオヒナノウスツボ

この形が名前の由来

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ヒナノウスツボ

イヌトウバナ(シソ科)

犬塔花で、花穂が塔のように伸びていることから。犬が付かないトウバナは、蕚筒に毛が無く、花冠も薄紅色をしている。ヤマトウバナは花冠は白いが、毛が無い。犬が付く名前はよくあるが、動物の犬ではなく、本物とは少し違うとか、役立たないもののこと。イヌナズナ、イヌガラシなど。

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イヌトウバナ

ケナツノタムラソウ(シソ科)

毛夏の田村草で、毛の多い事と、夏に咲くことから。田村草の意味は不明。別名ミヤマタムラソウ。

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ケナツノタムラソウ

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ケナツノタムラソウ

コメツツジツツジ科)

ツツジで、小さい白い花が米粒を思わせることから。花の径1cmぐらい。でかい米粒!!

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コメツツジ

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コメツツジ

ハクサンオミナエシオミナエシ科)

白山女郎花で、白山に産することから。オトコエシより優しい感じで、オミナになった。エシの意味は不明。

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ハクサンオミナエシ

シモツケバラ科

下野(しもつけ)で発見されたことからで、下野は現在の栃木県。丈は低いが木本で、草本シモツケソウは花序(花の付き方)が上下に円錐状になり、葉にも切れ込みがある。

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シモツケ

ダイコンソウ(バラ科

大根草で、下部の葉が大根に似ているから。

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ダイコンソウ

ヤマボウシ(ミズキ科)

山法師で、小さく丸く集まった花序を坊主頭に、白い花弁のような苞(花の下に付く葉のようなもの)を頭巾に見立てたもの。果実は甘く食べられる。

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ヤマボウシ

アカショウマ(ユキノシタ科)

赤升麻で、地下茎の皮が赤色で、形がサラシナショウマの形から。アカショウマとトリアシショウマの違いは、微妙で、花を付ける下部の柄があまり分かれないということから、アカショウマにした。

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アカショウマ

クルマユリユリ科

山を下りて、大沼の畔で見た。他の場所で見るのよりかなり小ぶりであった。車百合の名は、葉が車状に輪生することから。

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クルマユリ

ニワトコ(レンプクソウ科)

ニワトコの意味は不明だが、薬用や、食用、果実酒などに利用できるので、常に庭に植えて使えるので「庭常」だろうという説を見つけた。慣用の漢名として接骨木が使われるが、皮や樹皮を煎じたものを湿布薬として骨折や捻挫の治療に使ったことから。

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ニワトコ

 

赤城山(鈴が岳)の花々2 2021.7.27

赤城山(鈴が岳)の花

赤城山は、標高1,828mの黒檜山(くろびやま)を主峰に、駒ケ岳、地蔵岳、荒山、鍋割山、鈴ヶ岳、長七郎山からなるカルデラ湖を含む複成火山である。大沼湖畔まで車で入れるので、どの山に登るにも比較的簡単である。

鈴が岳の登山道は樹林帯の中で、あまり花も見られなかったが、大沼湖畔まで降りると明るい道が多く、それなりに見られた。

鈴が岳山頂

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鈴が岳山頂

オククルマムグラ(アカネ科)

奥車葎で、車は葉の形からで、ムグラは雑草の総称

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オククルマムグラ

カワラマツバ(アカネ科)

河原松葉で、河原などに多く生え、葉の様子が松葉に似ていることから。

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カワラマツバ

ミヤマムグラ(アカネ科)

深山葎で、ムグラは雑草の総称。他のヤエムグラ属の葉は、細長いので見分けやすい。

注意深くみると、4枚の葉の大きさが違う(対生する2枚は同じ大きさ)。これは対生する2枚が葉で、他はその葉につく托葉ということらしい。托葉とは葉の付け根に付くもので、目立たないものも多い。

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ミヤマムグラ

ヨツバムグラ(アカネ科)

四葉葎で、葉の数から。これも4枚のうち2枚は托葉。

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ヨツバムグラ

コアジサイアジサイ科)

アジサイで、小型のアジサイだから。アジサイと言えば、萼片が花弁の様になった装飾花を付けた形を思い浮かべるが、本種には無い。旧分類はユキノシタ科。

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コアジサイ

ヤマアジサイアジサイ科)

アジサイといえば、この様に装飾花を付けた形が普通。装飾花は萼片が花弁化したもので、雄しべ、雌しべが無く、あっても不完全で、昆虫を呼ぶために特化したものと言われる。旧分類はユキノシタ科。

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ヤマアジサイ

サワギク(キク科)

沢菊で、谷筋や湿った所に生えることから。

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サワギク

ヤマノコギリソウ(キク科)

山鋸草で、葉の切れ込みが鋸の歯の様だから。ノコギリソウより小さな花をつけることからだが中間形もあるとのこと。

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ヤマノコギリソウ

ヨツバヒヨドリ(キク科)

四葉鵯(花)で、ヒヨドリが鳴くころに咲くことから。葉の形に色々あり、本種は4枚の葉が輪生状になることから。

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ヨツバヒヨドリ

ニガナ(キク科)

苦菜で、茎や葉に苦みのある白い乳液を含んでいることによる。花弁状に見える舌状花は普通5個であるが、時には多い事もあるそうである。写真では6個見える。

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ニガナ

ツルガシワ(キョウチクトウ科

柏のような大きな葉を持ち、上の方は蔓状になるので、蔓柏。よく似たタチガシワは上部が伸びず、蔓状にならない。旧分類はガガイモ科。

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ツルガシワ

ツルガシワの花

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ツルガシワ

カラマツソウ(キンポウゲ科

唐松草で、花が唐松の葉のような形だから。萼片は早く落ちてしまい、花弁もないので、唐松の葉のように見えるのは、多数の雄しべである。数個の雌しべは中心部にあり、短くて白いので見えにくい。

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カラマツソウ

キツネノボタンキンポウゲ科

狐の牡丹で、葉が牡丹の様で野にあるから。狐にはだまされるとか毒があるという意味があるのではないかという説があった。突起を持った小さな果実がかたまって金平糖のようになっている。

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キツネノボタン

キバナヤマオダマキキンポウゲ科

黄花山苧環で、苧環とは麻糸を中が中空になるように、丸く巻き付けたもの。花がその形を思わせるから。白は萼片で、黄色が花弁。

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キバナヤマオダマキ

ヤマオダマキキンポウゲ科

赤紫色の萼片は5枚。黄色い花弁の基部は長くのびて、内側に曲がっているが、これを距といって蜜を貯める。

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ヤマオダマキ

 

子持山の花々 2 2021.7.26

子持山の花 2

獅子岩からの山頂(奥)

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子持山

ウマノミツバ(セリ科)

馬の三葉で、食用になるミツバに似ているが、食用にはならず、馬に食べさせる程度ということから。三つ葉というが、3裂して両側の裂片は更に2裂するので、5裂の形になる。

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ウマノミツバ

カノツメソウ(セリ科)

鹿の爪草で、根の形が鹿の爪に似ているから。ダケゼリ(嶽芹)ともいう。

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カノツメソウ

シシウド(セリ科)

ウドに似て強剛だからイノシシが食うのに適してるとみたから。

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シシウド

コメツツジツツジ科)

ツツジで白い小さな花が米粒の様だから。大きく写っているいるが、径1cmぐらい。

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コメツツジ

エドクソウ(ハエドクソウ科)

根をすりおろし、しぼり汁を紙に染ませて蠅取り紙にすることから蠅毒草。花の大きさは径5mm。

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エドクソウ

ミヤマママコナ(ハマウツボ科)

深山飯子菜で、若い種子が米粒によく似ていることから。旧分類はゴマノハグサ科

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ミヤマママコナ

キンミズヒキバラ科

金水引で、細長い黄色の花穂を金色の水引に例えたもの。

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キンミズヒキ

シモツケバラ科

下野で発見されたことによる。下野(しもつけ)は現在の栃木県。

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シモツケ

ダイコンソウ(バラ科

大根草で、下部の葉が大根の葉に似ているから。この写真では下部の葉が見えにくい。

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ダイコンソウ

ヤブハギ(マメ科

藪萩で、藪に生える萩。花を見ただけではヌスビトハギと同じだが、茎葉が中部以下に密集して付き、小葉の幅も広い。

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ヤブハギ

ヤマユリユリ科

山百合で、いい香りがする。これは斜面に生えていたので下向きだが、普通は直立する。

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ヤマユリ

ウバユリ(ユリ科

姥百合で、花が咲くころには葉が無い(歯がない)ことを、娘が成人して花の十八となった頃にはもう歯が抜けた姥になるのに例えた。しかし、実際には葉もしっかり付いている方が多い。

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ウバユリ

リョウブ(リョウブ科)

漢名の令法から。葉芽は食用となるので、古くは救済食料として利用されてきた。

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リョウブ

 

子持山の花々 1 2021.7.26

子持山の花 1

子持山渋川市の北に位置する1296mの山で、火山であったが、活動をやめてから長い年月が経っているので、その名残である岩脈や岩塊が何箇所か見ることができる。下の写真は獅子岩と呼ばれる高さ葯100mの岩峰で火山の火道にあったマグマが固まったものという。登山道も樹林帯の中で、花は特別多いわけではなかったが、獅子岩の左側岸壁に小さな白い斑点が見えるだろうか。これはヤマユリで、岸壁に張り付いていた。

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獅子岩

タニタデ(アカバナ科

谷に生えるタデの様だから。しかし、分類上はタデ科ではなく、アカバナ科

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タニタ

タマアジサイアジサイ科)

アジサイで、蕾が珠になっているからで、左側が蕾。アジサイの周辺部の白い花は装飾花といって萼片が花弁のように変化したもの。花弁、雌しべ、雄しべは無く、昆虫を呼ぶための花。旧分類はユキノシタ科。

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タマアジサイ

ヤマアジサイアジサイ科)

山に生えるアジサイだから。「あじ」は「あつ」で集まること。さいは真「さ」の藍の約されたもので、青い花が集まって咲く様子から名付けられたものという。

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ヤマアジサイ

イワタバコ(イワタバコ科)

岩煙草で、葉がタバコの葉に似ているから。

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イワタバコ

ハクサンオミナエシオミナエシ科)

白山女郎花で、オトコエシより小さくてかわいいから、オミナエシ。エシの意味は不明。

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ハクサンオミナエシ

ヤマホタルブクロ(キキョウ科)

山蛍袋で、花の中に蛍を入れて遊んだことによる。

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ヤマホタルブクロ

ヒヨドリバナ(キク科)

ヒヨドリが鳴くころに咲くと言われたことから。

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ヒヨドリバナ

モミジガサ(キク科)

葉がもみじ形で、傘状であるから。その周りに見える葉は、ウワバミソウ

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モミジガサ

ノギラン(キンコウカ科)

芒蘭で、芒はイネ科などに見られる細長い突起。飛び出している雄しべや、花弁がノギのようだから。

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ノギラン

レンゲショウマ(キンポウゲ科

蓮華升麻で、花が蓮華の様で全体がサラシナショウマの姿だから。まだ蕾だった。

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レンゲショウマ

オカトラノオサクラソウ科)

岡虎の尾で、岡に生える虎の尻尾のような形から。花穂が真っ直ぐ伸びず、折れ曲がってしまう。

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オカトラノオ

ヤマトウバナ(シソ科)

山塔花で、先端に付く花序(花の付き方)が塔のようになるから。

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ヤマトウバナ

ミヤマタニソバ(タデ科

深山谷ソバで、谷に生えるソバに似た草だから。

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ミヤマタニソバ