谷川岳
谷川岳は群馬県と新潟県の県境にある山で、トマノ耳とオキノ耳の2つのピークを持つ双耳峰である。トマノ耳(左)は1963m,沖ノ耳(右)は少し高く1977mである。日本海からの湿った雪雲により冬場の積雪量は多く、標高の割には高山植物や固有種もある。標高1300mの天神平までロープウェイがあり、山頂までの間に色々見ることができる。
ツルアリドオシ(蔓蟻通)アカネ科
刺が鋭く蟻を通すというアリドウシに似て、蔓状だから。
エゾアジサイ(蝦夷紫陽花)アジサイ科
たくさんの小さな花の周りに、大きな花がついているが、これは雌しべや雄しべが無い、装飾花。装飾花というのは花を目立たせるため、萼片などが大きく、鮮やかに変化したもの。中部以北、東北、北海道、に分布
イワガラミ(岩絡)アジサイ科
気根で岩に絡みつくことから。ツルアジサイに似ているが、本種の装飾花の萼片は1枚。よく似たツルアジサイは装飾花の萼片は通常4枚。
ノリウツギ(糊空木)アジサイ科
幹の内皮で、製紙用の糊をつくることから。北海道ではサビタという。
クガイソウ(九蓋草)オオバコ科
輪生した葉が、何段か層をなしているから。九階草とも書かれる。旧分類はゴマノハグサ科。
コキンレイカ(小金鈴花)オミナエシ科
黄色い鈴のようだから。ハクサンオミナエシともいい、中部以北に分布。よく似たキンレイカは花冠の基部に2mm程の突起(距という)があり、関東以西に分布。
ヒメシャジン(姫沙參)キキョウ科
沙参はツリガネニンジンの漢名。萼片が線形で先は尖る。
ミヤマシャジン(深山沙參)キキョウ科
前項のヒメシャジンとの違いは、萼片が少し幅がある(広披針形という)。しかし、この類は中間形などもあり、はっきりしないことも多い。
ウサギギク(兎菊)キク科
花の下につく2枚の葉が、ウサギの耳の様だから。聞く耳を持つと言いながら、ちっとも聞かない政治家もいる。
キオン(黄苑)
紫の花をつける紫苑に対し、黄色の花をつけるから。
ジョウシュウオニアザミ(上州鬼薊)
上州(群馬県)に生えるというオニアザミということだが、群馬県と新潟県の境に分布する。
ハナニガナ(花苦菜)
1枚の花びらのように見えるものは1つの花で、これを舌状花という。ニガナより舌状花が多い。
ミネウスユキソウ(峰薄雪草)キク科
薄い雪を被った姿に例えた。学名は「ライオンの足」という意味だが、どこが?日本人の薄雪に見立てた感性は素晴らしいね。
ミヤマコンギク(深山紺菊)
紺色の菊だが白花もある。頭花の下を触るとべたつく。箱根に多いのでハコネギクともいうが、群馬県でもよく見る。
ヤマハハコ(山母子)キク科
山にある母子草。ハハコグサは親子ではなく、花が咲き終わったら白くほうける→ほうけ草→ははこ草からだと、槙野万太郎、いや、牧野富太郎は言っている。
ヨツバヒヨドリ(四葉鵯)キク科
ヒヨドリが鳴く頃咲くことから。葉の付き方、形等で色々なヒヨドリバナがある。
オオバギボウシ(大葉擬宝珠)キジカクシ科
擬宝珠は橋の欄干に付く飾り。ツボミの集まりがそれに見えるから。山菜のウルイはこの葉柄を食べるが、バイケイソウ(有毒)のそれに似ており、中毒事故がときどき起きる。山菜が好きな人、気を付けて!
キンコウカ(金光花)キンコウカ科
花が光のように輝いているということから。旧分類はユリ科
ノギラン(芒蘭)キンコウカ科
芒をもった蘭のことだがラン科ではなく、キンコウカ科。ノギはイネ科などに見られる針の様な突起。花弁や雄しべが尖ったノギのように見える。旧分類はユリ科。