榛名山の花々 <7月> 2 2023.7.23
ユウスゲの道からの相馬山
ウツボグサ(靭草)シソ科
弓矢を入れる靭に似ているから。
クルマバナ(車花)シソ科
花が輪生していることから
ケナツノタムラソウ(毛夏の田村草)シソ科
夏に咲き、毛が多い田村草。そのまんまだが、田村草の意味は不明。ミヤマタムラソウとも。
ヤマトウバナ(山塔花)シソ科
花穂の形が塔のようだから。トウバナはもっと低い所にあり花色は淡紅色。
アキノウナギツカミ(秋の鰻掴み)タデ科
鰻を捕まえるのに、この茎の棘を利用すれば捕まえやすいから。ママコノシリヌグイならもっとつかみやすいだろうに‥。
ミヤマタニソバ(深山谷蕎麦)タデ科
谷に生育し、蕎麦の様だから
コメツツジ(米躑躅)ツツジ科
小さな花が米粒のようだから。
ナツツバキ(夏椿)ツバキ科
夏にツバキの様な花を咲かせることから。別名シャラノキともいうが、インドのシャラノキ(沙羅樹)と間違ってしまった名。
タカトウダイ(高燈台)トウダイグサ科
草の形が昔の燈架台に似ることから。アリさん、火傷しないように‥。
ナデシコ(撫子)ナデシコ科
子を撫でるように可愛いから。
ママコナ(飯子菜)ハマウツボ科
若い種子が米粒に似ているところからというが、花冠の中の白い斑点が米粒のようにも見える。旧分類はゴマノハグサ科
ミツモトソウ(水元草)バラ科
山中の水源の近くに生育することから水源(みずもと)が、ミツモトに転訛したらしい。別名をミナモトソウという。
シモツケ(下野)バラ科
下野、今の栃木県で発見されたことから。シモツケソウは草本で、花穂が上下に長い。混同する人が時々いる。
ダイコンソウ(大根草)バラ科
葉が大根に似ている、というので根元の葉(根生葉)を入れて撮ってみた。似てますか?
テリハノイバラ(照葉野茨) バラ科
葉につやがあるので、照葉。
ナワシロイチゴ(苗代苺)バラ科
苗代を作るころに実がなるので。
キリンソウ(麒麟草)ベンケイソウ科
意味は不明。
マツムシソウ(松虫草)マツムシソウ科
松虫が鳴く頃に咲くと言われる。
チダケサシ(乳茸刺)ユキノシタ科
長野県では乳茸というキノコを収穫した時、これに刺して持ち帰ったことによる。これが、無かったらどーする?
チダケサシ 花のアップ
コオニユリ(小鬼百合)ユリ科
鬼百合より小さいから。クルマユリは花の下の葉が輪生する。
ユウスゲ(夕菅)ユリ科
夕方から咲き始め、葉が笠菅にているから。単にキスゲともいう。
クモキリソウ(雲切草・雲散草)ラン科
牧野富太郎は雲切か、雲散かははっきりしないが、山の上にあるからだろうとしている。しかし、私は蜘蛛切草を考えた。何故なら唇弁を除く他の花弁は細く蜘蛛の脚に見えるから。どうかね槙野万太郎さん。
ネジバナ(捩花)ラン科
花序(花の付き方)がねじれていることから。また、モジズリとも呼ばれる。
リョウブ(令法)リョウブ科
漢名の令法から。幼芽は食用になり、昔は令法飯として食べられた。今は、スポーツ選手が試合前に力の出る食事を、勝負飯という。これは関係ない‥。
榛名山の花々 <7月> 1 2023.7.23
ユウスゲの道からの榛名富士
榛名山という一つのピークがあるのではなく、多くの峰を持った火山の集まりである。最高峰は1449mの掃部ヶ岳で、写真の榛名富士は1391mである。それぞれの山は樹林帯に覆われ、また火山性の岩石などがおおく、花はあまり多くない。榛名湖周辺は湿地もあり花も多く見られる。ここにあげた写真の多くはユウスゲの道といわれる草原で撮ったもの。
カワラマツバ(河原松葉)アカネ科
葉が細い松葉の様だから。
タニタデ(谷蓼)アカバナ科
谷に生え、形がタデににているからだが、タデ科ではなくアカバナ科。よく似たミズタマソウは花弁の先がへこんでるが、これは花弁が3裂している
クサアジサイ(草紫陽花)アジサイ科
ヤマアジサイよりずっと小型で、60cm以下。花色は白、紅紫色、紅白色などになる。
ノリウツギ(糊空木)アジサイ科
幹の内皮で、製紙用の糊をつくるから。北海道ではサビタという。
ヤマアジサイ(山紫陽花)アジサイ科
ガクアジサイに似てるが、葉は薄く、光沢が無く、先が尖る。写真は朝露に濡れつやがある。
ノハナショウブ(野花菖蒲)アヤメ科
ヤブマオ(藪真麻)イラクサ科
真麻は真正の麻ということで、藪にはえているから。上部の花穂は雌花をつけ、雄花は下部の花穂につく。女性上位の姿。
オミナエシ(女郎花)オミナエシ科
オトコエシに対し、やさしい 感じなのでオミナだが、エシの意味は不明。オミナメシという名もあるので、小さな花を飯粒に見立てたというのはどーかね。(インドじゃあるまいし、黄色の飯なんて‥)
ヤマホタルブクロ(山蛍袋)キキョウ科
子供がこの花で、蛍を包んだということから
カセンソウ(歌仙草)キク科
意味は不明。
コウゾリナ(剃刀菜)キク科
茎や葉にある剛毛が人に触れると引っかかることを剃刀にたとえたもの。
シロヨメナ(白嫁菜)キク科
ヨメナに似て、白い花をつけるから。
モミジガサ(紅葉笠)キク科
カエデに似た葉を、広げることから。花期はもう少し先。右下の葉はウワバミソウ
オオバギボウシ(大葉擬宝珠)キジカクシ科
橋の欄干に付く玉ねぎの様な飾りを、擬宝珠というが、まだ開かない花穂の形が似ているから。葉はウルイという山菜で食べられているが、バイケイソウ(有毒)とよく似ていて、時々中毒事故がある。
イケマ(生馬)キョウチクトウ科
馬の薬という意味だが、根には毒がある。牧野富太郎は、アイヌ語で「巨大な根」という意味であると言っている。
コバノカモメズル(小葉の鴎蔓)キョウチクトウ科
対生した葉がカモメが飛んでる姿に見えることから。葉が写ってなくて分からない、ってか!。
スズサイコ(鈴柴胡)キョウチクトウ科
蕾が鈴に似ている。柴胡はミシマサイコ(セリ科)に似ているから。
ノギラン(芒蘭)キンコウカ科
イネ科の果実に付く尖った針の様な突起を芒というが、花が芒の様だから。ラン科ではなく、キンコウカ科。
ネバリノギラン(粘り芒蘭) キンコウカ科
花穂の下部を触ると粘々する芒蘭ということだが、花は少ししか開かずノギランとはちっとも似てない。ノギ無し蘭に変更したいが‥。
カラマツソウ(唐松草)キンポウゲ科
花の姿が唐松のようだから。花弁と萼片はすぐ落ちて、雄しべばかり目立つ花。
キバナノヤマオダマキ(黄花山苧環) キンポウゲ科
中心を空洞に巻いた糸玉(苧環)に似ているから。花弁の後方に伸びてるのは距といい、蜜を貯める所。
タケニグサ(竹似草)ケシ科
生えてるときは、想像できないが、枯れて、葉を落とすと竹によく似てる。チャンパギクの名もある。
オカトラノオ(岡虎尾)サクラソウ科
花穂が虎の尻尾に似ているから。同じ様な形で、○○トラノオというものも多い。
谷川岳の花々(2) 2023.7.24
谷川岳山頂 トマノ耳
オキノ耳から見たトマノ耳。東側(左)は一の倉沢などの絶壁になっているが西側は傾斜もゆるくなっている。
ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)キンポウゲ科
平地に咲くウマノアシガタの高山型。葉が、細く裂ける。
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)シソ科
伊吹山に多く、いい香りがするから。
タテヤマウツボグサ(立山靭草)シソ科
弓矢を入れる、靭に似ていることから。平地のウツボグサより花が大きい。
タカネアオヤギソウ(高嶺青柳草)シュロソウ科
青は花の色、柳は葉の様子から。何故か、緑色を青ということが多い。青りんご、青信号‥。
ミヤマトウキ(深山当帰)セリ科
当帰は漢名から。つやのある尖った葉が特徴で、香りもある。
コメツツジ(米躑躅)ツツジ科
小さな花が米粒の様だから。
クロズル(黒蔓)ニシキギ科
黒い蔓という意味だが、牧野富太郎はなぜそうなったか、不明と書いている。気を付けて見ているが、数回、黒い蔓に出会った。
シモツケソウ(下野草)バラ科
下野、現在の栃木県で発見されたことによる。草とつくように草本で、草がつかないシモツケは木本。花序(花の付き方)や葉の形も違う。
ヤマブキショウマ(山吹升麻)バラ科
葉が、ヤマブキににて、形がサラシナショウマのようだから。後から出てくるトリアシショウマによく似るが葉の違いで区別すると分かりやすい。(科が違うので、花の造りも違うが小さくて分かりにくい)
ヒカゲノカズラ(日陰の蔓)ヒカゲノカズラ科
日陰に生える蔓植物という意味だが、花の咲かないシダ植物。上に伸びているのは胞子を入れる胞子穂。
ハクサンフウロ(白山風露)フウロソウ科
白山に生える風露草だが、風露の意味は不明。ハクサンフウロは花ばかり目立つが、葉の形にも注目。細かく分かれている。
葉に一面に毛の多いのを毛織の毛氈に見立て、小さな葉が苔に見えることから。
トリアシショウマ(鳥脚升麻)ユキノシタ科
丈夫で真っ直ぐな茎を鳥の脚に例え、形がサラシナショウマに似ていることから。
クルマユリ(車百合)ユリ科
花の下の葉が、輪生状に付くことから。花にピントを合わせると葉の形が分かりにくい、難しいかたち(負け惜しみ)
タマガワホトトギス(玉川杜鵑)ユリ科
黄色の花色を、ヤマブキの名所である京都、玉川の名を借りた。ホトトギスは花の斑点が鳥の杜鵑ににていることから。由来を書くにも大変です
ニッコウキスゲ(日光黄菅)ユリ科
中部地方以北に生育するが、ゼンテイカよりニッコウキスゲの方がよく知られている。花は一日でしぼむ。一日頑張れば大したもんよ。
アリドウシラン(蟻通蘭)ラン科
葉状がアリドウシに似た蘭。花も葉もピンボケ!
ツルリンドウ(蔓竜胆)リンドウ科
リンドウは漢名の竜胆から。
谷川岳の花々(1) 2023.7.24
谷川岳
谷川岳は群馬県と新潟県の県境にある山で、トマノ耳とオキノ耳の2つのピークを持つ双耳峰である。トマノ耳(左)は1963m,沖ノ耳(右)は少し高く1977mである。日本海からの湿った雪雲により冬場の積雪量は多く、標高の割には高山植物や固有種もある。標高1300mの天神平までロープウェイがあり、山頂までの間に色々見ることができる。
ツルアリドオシ(蔓蟻通)アカネ科
刺が鋭く蟻を通すというアリドウシに似て、蔓状だから。
エゾアジサイ(蝦夷紫陽花)アジサイ科
たくさんの小さな花の周りに、大きな花がついているが、これは雌しべや雄しべが無い、装飾花。装飾花というのは花を目立たせるため、萼片などが大きく、鮮やかに変化したもの。中部以北、東北、北海道、に分布
イワガラミ(岩絡)アジサイ科
気根で岩に絡みつくことから。ツルアジサイに似ているが、本種の装飾花の萼片は1枚。よく似たツルアジサイは装飾花の萼片は通常4枚。
ノリウツギ(糊空木)アジサイ科
幹の内皮で、製紙用の糊をつくることから。北海道ではサビタという。
クガイソウ(九蓋草)オオバコ科
輪生した葉が、何段か層をなしているから。九階草とも書かれる。旧分類はゴマノハグサ科。
コキンレイカ(小金鈴花)オミナエシ科
黄色い鈴のようだから。ハクサンオミナエシともいい、中部以北に分布。よく似たキンレイカは花冠の基部に2mm程の突起(距という)があり、関東以西に分布。
ヒメシャジン(姫沙參)キキョウ科
沙参はツリガネニンジンの漢名。萼片が線形で先は尖る。
ミヤマシャジン(深山沙參)キキョウ科
前項のヒメシャジンとの違いは、萼片が少し幅がある(広披針形という)。しかし、この類は中間形などもあり、はっきりしないことも多い。
ウサギギク(兎菊)キク科
花の下につく2枚の葉が、ウサギの耳の様だから。聞く耳を持つと言いながら、ちっとも聞かない政治家もいる。
キオン(黄苑)
紫の花をつける紫苑に対し、黄色の花をつけるから。
ジョウシュウオニアザミ(上州鬼薊)
上州(群馬県)に生えるというオニアザミということだが、群馬県と新潟県の境に分布する。
ハナニガナ(花苦菜)
1枚の花びらのように見えるものは1つの花で、これを舌状花という。ニガナより舌状花が多い。
ミネウスユキソウ(峰薄雪草)キク科
薄い雪を被った姿に例えた。学名は「ライオンの足」という意味だが、どこが?日本人の薄雪に見立てた感性は素晴らしいね。
ミヤマコンギク(深山紺菊)
紺色の菊だが白花もある。頭花の下を触るとべたつく。箱根に多いのでハコネギクともいうが、群馬県でもよく見る。
ヤマハハコ(山母子)キク科
山にある母子草。ハハコグサは親子ではなく、花が咲き終わったら白くほうける→ほうけ草→ははこ草からだと、槙野万太郎、いや、牧野富太郎は言っている。
ヨツバヒヨドリ(四葉鵯)キク科
ヒヨドリが鳴く頃咲くことから。葉の付き方、形等で色々なヒヨドリバナがある。
オオバギボウシ(大葉擬宝珠)キジカクシ科
擬宝珠は橋の欄干に付く飾り。ツボミの集まりがそれに見えるから。山菜のウルイはこの葉柄を食べるが、バイケイソウ(有毒)のそれに似ており、中毒事故がときどき起きる。山菜が好きな人、気を付けて!
キンコウカ(金光花)キンコウカ科
花が光のように輝いているということから。旧分類はユリ科
ノギラン(芒蘭)キンコウカ科
芒をもった蘭のことだがラン科ではなく、キンコウカ科。ノギはイネ科などに見られる針の様な突起。花弁や雄しべが尖ったノギのように見える。旧分類はユリ科。
筑波山の花々3<春> 2023.4.1
筑波山
筑波山は男体山(871m)と女体山(877m)の二つのピークを持つ、日本百名山の1つである。個人的には、百名山に選ぶのは少し格が落ちると思っているが、深田久弥はその歴史的な価値を認めて選定した。
植物も固有種や希少種が生育し、それなりの面白い山といえる。
鞍部からの男体山
ユリワサビ(百合山葵)アブラナ科
根がユリ根に似ていることから。でも細くて利用できない。
ミヤマカタバミ(深山片喰)カタバミ科
葉の片方が、虫にかじられた様に凹んでいるので片喰。
キブシ(木附子)キブシ科
ヌルデの虫こぶから造る附子(五倍子とも)をこの木からも採れるので木附子。五倍子はタンニンが造れるので昔はお歯黒などに使われた。
キクザキイチゲ(菊咲一華)キンポウゲ科
菊のような花を咲かせることから。菊咲一輪草ともいう。花弁が無く、萼片が10~13枚あり、日が当たると開く。白と薄紫色が見られる。
トウゴクサバノオ(東国鯖の尾)キンポウゲ科
果実が鯖の尾びれの様な形になることから。関東地方にはえるから東国とついたが、関東以西九州にまで分布するという。白いのは萼片、花弁は黄色い蜜腺になっている。
ニリンソウ(二輪草)キンポウゲ科
花柄が2本あり、2つの花をつけるから。しかし、3本でることもある。また、2本同時に咲くとも限らない。5枚の白い花弁状の萼片があり、花弁は無い。
アブラチャン(油瀝青)
チャン(瀝青)とは自然界に存在する油性分の様なもの。燃えやすいので、油にさらに瀝青を加えた名。
ミミガタテンナンショウ(耳形天南星)サトイモ科
テンナンショウ属はむずかしいので、断言しかねるが、仏炎苞(上部の暗紫色の筒状のもの)の縁が左右に耳のように張り出すから。
エンレイソウ(延齢草)シュロソウ科
薬草として効き目があるからと言われているが、はっきりしない。確かめてから使わないと逆に命が短くなるかも。花弁は無く、萼片は緑色で、暗紫色の縁取りがある。
ウグイスカグラ(鶯神楽)スイカズラ科
鶯の鳴く頃咲くなど、諸説あってはっきりしない。鶯と神楽を結び付ければ、何でもあり。ウグイスカズラと間違う人も時々いる。
アオイスミレ(葵菫)
中央に見える丸い葉の形が、名の由来。フタバアオイの葉によく似ているから。葉裏に毛も多い。
エイザンスミレ(叡山菫)スミレ科
比叡山に見られたことからだが、各地で見かける。細く裂けた葉が特徴。
タチツボスミレ(立坪菫)
坪は庭のような所で、どこにでも見られる。
ナガバノスミレサイシン(長葉菫細辛)スミレ科
スミレサイシンは日本海側に分布。細辛はウスバサイシンの葉に似ているから。
フモトスミレ(麓菫)スミレ科
麓に咲くからというが、山中でもよく見かける。
ヒトリシズカ(一人静)センリョウ科
一人静かに咲いている‥じゃ、なく、義経の愛人、静御前が舞ってる姿に例えた。
花弁や萼片は無く、白いのは雄しべ。
ハルトラノオ(春虎の尾)タデ科
花穂を虎の尾に例えたが、虎の尾を有する他のものものより、ずっと小さい尾。
ヒナワチガイソウ(雛輪違草)ナデシコ科
ワチガイソウに似ているが、花弁や葉も細い。自生地は茨城、千葉、東京、三重など、点々としている稀産種。小さくて気がつかなかったが、モミジイチゴを撮っている時に下に咲いていた。
輪違草とは名前の分からない花を、輪違の印のある鉢に植えておいたことによる。輪違は2つの円を少しずらした形。
ミツバツチグリ(三つ葉土栗)バラ科
地下茎が食べられる土栗に似ているが、食べられない。土栗は西日本に分布。
モミジイチゴ(紅葉苺)バラ科
葉がモミジ形の木苺。下を向いて咲くので、写真には撮りずらく、いつも苦労している。果実はオレンジ色で、美味しい。
ヤマザクラ(山桜)バラ科
筑波山の山腹を見ると、けっこう多い。ヤマザクラは花と葉が同時期に付く。ソメイヨシノができる前はこちらが主役だったのだが‥。
ミヤマシキミ(深山樒)ミカン科
枝葉がシキミに似ていることから。雌雄異株なので、いくつか花をチェックしたら9割方雄株だった。雄ばっかり多くて‥。
カタクリ(片栗)ユリ科
古くはカタカゴとかカタゴといった。それは花の形が、傾いた籠ということらしい。
地中にある鱗茎(いわゆる球根)が、栗の種子の半分に似ているからと言われていたが、牧野富太郎は当てはまらないという。
三つ峠山の花々 2 2022.6.20
三つ峠山の岩場
山頂の南側にある屏風岩は、高さ80m,幅200mの岩場である。東京にも近いので、シーズンには多くのクライマーでにぎわう。
ヤマツツジ(山躑躅)ツツジ科
山に咲くツツジということで、どこでもよく見られる。様々な変異があり、園芸種の基にもなっている。
ナツトウダイ(夏燈台)トウダイグサ科
夏に生育する燈台草。燈台は、燈架で今の電気スタンドのようなもの。
打ち出の小槌のような雌しべ。昆虫の頭みたいのは腺体といい、蜜を分泌する。
クサボケ(草木瓜)バラ科
丈が低く、草のようだから。近くに人がいるとき思わず声を出すと、トラブルのもとに。
シロバナノヘビイチゴ(白花蛇苺)バラ科
ストローベリーの仲間で、赤い実は美味しい。蛇に食わせるのはもったいない!左下には、まだ青い実が…。
ツルキンバイ(蔓金梅)バラ科
蔓になって広がることから
ニガイチゴ(苦苺)バラ科
苦いというけれど、苦いのは種の周りだけ。汁だけ吸って、後はぺっ!
マタタビ(木天蓼)マタタビ科
植物学者の牧野富太郎によると、アイヌ語のマタタンブが語源だという。しかし、疲れた旅人が食べた事により「ファイト!一発!」といって、また旅を続けたという説のほうが納得できるが…。
ヒトツバカエデ(一ッ葉楓)ムクロジ科
え!!これでカエデ?切れ込みがあって、カエルの手を思わせるからカエデなのに。カエルくんもびっくり!
アツモリソウ(敦盛草)ラン科
袋状の唇弁を、平の敦盛が、戦の時に背負った母衣(ほろ)に例えた。現代の防弾チョッキと同じ役目。
キバナアツモリソウ(黄花敦盛草)
鉄柵の中に、密かに咲いていた。
カモメラン(鴎蘭)ラン科
花の形をカモメに例えた。
カモメラン・白花
ヒメムヨウラン(姫無葉蘭)
葉が無いので無葉蘭。小さく可愛いから姫。可愛くないとオニと付けられる。
三つ峠山の花々 1 2022.6.20
三つ峠山
峠というと山と山の間にある鞍部を超えるイメージだが、3つの峠とは何処なのか。山名の由来は、一説には3つの突起が峠になったといわれている。実際三つ峠山は開運山(1785m),御巣鷹山(1775m),木無山(1732m)の三つの山頂からできている。
三つ峠山は花の山としても知られており、期待が持てた。しかし、盗掘やシカの食害やらで、数も種類も減り、寂しい限りだ。実際、アツモリソウなどの希少種は柵や鉄棒で囲われて、動物園のオリのようだ。いつの日か花があふれる様を夢見ながら、下山の途に就いた。
ヤマハタザオ(山旗竿)アブラナ科
すっと伸びた竿の先に、花を付ける。
ミヤマガマズミ(深山ガマズミ)ガマズミ科
語源は酸っぱいから「噛み酸実」だとか、染料に使ったので「蒲染め」だとか、その他多数説あり。ガマズミは葉の鋸歯が丸く波打ってる感じで、ミヤマガマズミだと鋭くとげとげしていることが一番の特徴。旧分類はスイカズラ科。
ヒメマイズルソウ(姫舞鶴草)キジカクシ科
高さが10cmに満たない。マイズルソウより葉が細く、葉縁に微小な鋸歯があるという違いらしい。旧分類はユリ科。
ヤマトユキザサ(大和雪笹)キジカクシ科
白い花が、笹に薄っすらと雪が降り積もった様子から連想。ユキザサは両性花をつけるが、本種は雌雄異株である。花が雄花か、雌花か、両性花なのかはっきり確認しなかったのが悔やまれる。ただ、ユキザサと、高山に生育するヒロハユキザサとの中間的な形質とあったのでこれにした。葉のふちは波うつ。旧分類はユリ科。
クサタチバナ(草橘)キョウチクトウ科
臭橘ではなく、草橘。ミカン科のタチバナに似ていて、草本だから。
花弁の中にある5個の白い爪のようなものは副花弁で、その中に雄しべ、雌しべがある。
グンナイキンポウゲ(郡内金鳳花)キンポウゲ科
初めは少し小さいウマノアシガタだと思っていた。栃木、山梨県にあるグンナイキンポウゲらしい。左下の葉の様に切れ込みが少ない。
ツルシロカネソウ(蔓白銀草)キンポウゲ科
白い色から白銀草。地下茎がつる状なので、ツルがついた。シロカネソウともいう。上方にあるのは果実だが、この仲間にその形をつけたサバノオというのがある。鯖でなくともいいんだがネ。
ミヤマカラマツ(深山唐松)キンポウゲ科
花弁は無く、多数の長い雄しべが輪状に集まっている。その様を唐松に例えた。
ナツグミ(夏茱萸)グミ科
棘のことをグイといい、グイのある木になるので、グイミ。それがグミとなった。夏に熟す。
アオマムシグサ?(青蝮草)サトイモ科
この仲間をテンナンショウ属というが、分類は専門的になり素人にはよくわからん!
エゾノタチツボスミレ(蝦夷立坪菫)スミレ科
茂みの中に見えたが、柵と藪に阻まれて、なかなか近づけない。
キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪)スミレ科
スミレという名前がついてないスミレ。葉の形が馬(駒)の爪に似ているから。ウマノアシガタより納得。
サラサドウダン(更紗満天星)ツツジ科
花冠に更紗染めの模様があることから。ドウダンは灯台のことで、昔の室内灯。枝の分かれ方が似ていることから。
シロバナフウリンツツジ(白花風鈴躑躅)ツツジ科
サラサドウダンの白花品種。
ヤマツツジジ(山躑躅)ツツジ科
山にあるツツジだから山ツツジで、よく見かける。多くの変種があり、園芸種も生み出されている。