三つ峠山
峠というと山と山の間にある鞍部を超えるイメージだが、3つの峠とは何処なのか。山名の由来は、一説には3つの突起が峠になったといわれている。実際三つ峠山は開運山(1785m),御巣鷹山(1775m),木無山(1732m)の三つの山頂からできている。
三つ峠山は花の山としても知られており、期待が持てた。しかし、盗掘やシカの食害やらで、数も種類も減り、寂しい限りだ。実際、アツモリソウなどの希少種は柵や鉄棒で囲われて、動物園のオリのようだ。いつの日か花があふれる様を夢見ながら、下山の途に就いた。
ヤマハタザオ(山旗竿)アブラナ科
すっと伸びた竿の先に、花を付ける。
ミヤマガマズミ(深山ガマズミ)ガマズミ科
語源は酸っぱいから「噛み酸実」だとか、染料に使ったので「蒲染め」だとか、その他多数説あり。ガマズミは葉の鋸歯が丸く波打ってる感じで、ミヤマガマズミだと鋭くとげとげしていることが一番の特徴。旧分類はスイカズラ科。
ヒメマイズルソウ(姫舞鶴草)キジカクシ科
高さが10cmに満たない。マイズルソウより葉が細く、葉縁に微小な鋸歯があるという違いらしい。旧分類はユリ科。
ヤマトユキザサ(大和雪笹)キジカクシ科
白い花が、笹に薄っすらと雪が降り積もった様子から連想。ユキザサは両性花をつけるが、本種は雌雄異株である。花が雄花か、雌花か、両性花なのかはっきり確認しなかったのが悔やまれる。ただ、ユキザサと、高山に生育するヒロハユキザサとの中間的な形質とあったのでこれにした。葉のふちは波うつ。旧分類はユリ科。
クサタチバナ(草橘)キョウチクトウ科
臭橘ではなく、草橘。ミカン科のタチバナに似ていて、草本だから。
花弁の中にある5個の白い爪のようなものは副花弁で、その中に雄しべ、雌しべがある。
グンナイキンポウゲ(郡内金鳳花)キンポウゲ科
初めは少し小さいウマノアシガタだと思っていた。栃木、山梨県にあるグンナイキンポウゲらしい。左下の葉の様に切れ込みが少ない。
ツルシロカネソウ(蔓白銀草)キンポウゲ科
白い色から白銀草。地下茎がつる状なので、ツルがついた。シロカネソウともいう。上方にあるのは果実だが、この仲間にその形をつけたサバノオというのがある。鯖でなくともいいんだがネ。
ミヤマカラマツ(深山唐松)キンポウゲ科
花弁は無く、多数の長い雄しべが輪状に集まっている。その様を唐松に例えた。
ナツグミ(夏茱萸)グミ科
棘のことをグイといい、グイのある木になるので、グイミ。それがグミとなった。夏に熟す。
アオマムシグサ?(青蝮草)サトイモ科
この仲間をテンナンショウ属というが、分類は専門的になり素人にはよくわからん!
エゾノタチツボスミレ(蝦夷立坪菫)スミレ科
茂みの中に見えたが、柵と藪に阻まれて、なかなか近づけない。
キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪)スミレ科
スミレという名前がついてないスミレ。葉の形が馬(駒)の爪に似ているから。ウマノアシガタより納得。
サラサドウダン(更紗満天星)ツツジ科
花冠に更紗染めの模様があることから。ドウダンは灯台のことで、昔の室内灯。枝の分かれ方が似ていることから。
シロバナフウリンツツジ(白花風鈴躑躅)ツツジ科
サラサドウダンの白花品種。
ヤマツツジジ(山躑躅)ツツジ科
山にあるツツジだから山ツツジで、よく見かける。多くの変種があり、園芸種も生み出されている。