yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

筑波山の花々3<春>  2023.4.1

筑波山

筑波山男体山(871m)と女体山(877m)の二つのピークを持つ、日本百名山の1つである。個人的には、百名山に選ぶのは少し格が落ちると思っているが、深田久弥はその歴史的な価値を認めて選定した。

植物も固有種や希少種が生育し、それなりの面白い山といえる。

鞍部からの男体山

御幸ヶ原からの男体山

 

ユリワサビ(百合山葵)アブラナ科

根がユリ根に似ていることから。でも細くて利用できない。

ユリワサビ

 

ミヤマカタバミ(深山片喰)カタバミ科

葉の片方が、虫にかじられた様に凹んでいるので片喰。

ミヤマカタバミ

 

キブシ(木附子)キブシ科

ヌルデの虫こぶから造る附子(五倍子とも)をこの木からも採れるので木附子。五倍子はタンニンが造れるので昔はお歯黒などに使われた。

キブシ

 

キクザキイチゲ(菊咲一華)キンポウゲ科

菊のような花を咲かせることから。菊咲一輪草ともいう。花弁が無く、萼片が10~13枚あり、日が当たると開く。白と薄紫色が見られる。

キクザキイチゲ

 

トウゴクサバノオ(東国鯖の尾)キンポウゲ科

果実が鯖の尾びれの様な形になることから。関東地方にはえるから東国とついたが、関東以西九州にまで分布するという。白いのは萼片、花弁は黄色い蜜腺になっている。

トウゴクサバノオ

 

ニリンソウ二輪草キンポウゲ科

花柄が2本あり、2つの花をつけるから。しかし、3本でることもある。また、2本同時に咲くとも限らない。5枚の白い花弁状の萼片があり、花弁は無い。

 

ニリンソウ

 

アブラチャン(油瀝青)

チャン(瀝青)とは自然界に存在する油性分の様なもの。燃えやすいので、油にさらに瀝青を加えた名。

アブラチャン

 

ミミガタテンナンショウ(耳形天南星)サトイモ

テンナンショウ属はむずかしいので、断言しかねるが、仏炎苞(上部の暗紫色の筒状のもの)の縁が左右に耳のように張り出すから。

ミミガタテンナンショウ

 

エンレイソウ(延齢草)シュロソウ科

薬草として効き目があるからと言われているが、はっきりしない。確かめてから使わないと逆に命が短くなるかも。花弁は無く、萼片は緑色で、暗紫色の縁取りがある。

エンレイソウ

 

ウグイスカグラ(鶯神楽スイカズラ

鶯の鳴く頃咲くなど、諸説あってはっきりしない。鶯と神楽を結び付ければ、何でもあり。ウグイスカズラと間違う人も時々いる。

ウグイスカグラ

 

アオイスミレ(葵菫)

中央に見える丸い葉の形が、名の由来。フタバアオイの葉によく似ているから。葉裏に毛も多い。

アオイスミレ

 

エイザンスミレ(叡山菫)スミレ科

比叡山に見られたことからだが、各地で見かける。細く裂けた葉が特徴。

エイザンスミレ

 

タチツボスミレ(立坪菫)

坪は庭のような所で、どこにでも見られる。

タチツボスミレ

 

ナガバノスミレサイシン(長葉菫細辛)スミレ科

スミレサイシンは日本海側に分布。細辛はウスバサイシンの葉に似ているから。

ナガバノスミレサイシン

 

フモトスミレ(麓菫)スミレ科

麓に咲くからというが、山中でもよく見かける。

フモトスミレ

ヒトリシズカ(一人静)センリョウ科

一人静かに咲いている‥じゃ、なく、義経の愛人、静御前が舞ってる姿に例えた。

花弁や萼片は無く、白いのは雄しべ。

ヒトリシズカ

 

ハルトラノオ(春虎の尾)タデ科

花穂を虎の尾に例えたが、虎の尾を有する他のものものより、ずっと小さい尾。

ハルトラノオ

 

ヒナワチガイソウ(雛輪違草)ナデシコ

ワチガイソウに似ているが、花弁や葉も細い。自生地は茨城、千葉、東京、三重など、点々としている稀産種。小さくて気がつかなかったが、モミジイチゴを撮っている時に下に咲いていた。

輪違草とは名前の分からない花を、輪違の印のある鉢に植えておいたことによる。輪違は2つの円を少しずらした形。

ヒナワチガイソウ

 

ミツバツチグリ(三つ葉土栗)バラ科

地下茎が食べられる土栗に似ているが、食べられない。土栗は西日本に分布。

ミツバツチグリ

 

モミジイチゴ(紅葉苺)バラ科

葉がモミジ形の木苺。下を向いて咲くので、写真には撮りずらく、いつも苦労している。果実はオレンジ色で、美味しい。

モミジイチゴ

 

ヤマザクラ(山桜)バラ科

筑波山の山腹を見ると、けっこう多い。ヤマザクラは花と葉が同時期に付く。ソメイヨシノができる前はこちらが主役だったのだが‥。

ヤマザクラ

 

ミヤマシキミ(深山樒)ミカン科

枝葉がシキミに似ていることから。雌雄異株なので、いくつか花をチェックしたら9割方雄株だった。雄ばっかり多くて‥。

ミヤマシキミ

 

カタクリ(片栗)ユリ科

古くはカタカゴとかカタゴといった。それは花の形が、傾いた籠ということらしい。

地中にある鱗茎(いわゆる球根)が、栗の種子の半分に似ているからと言われていたが、牧野富太郎は当てはまらないという。

カタクリ