赤城山(鈴が岳)の花
赤城山は、標高1,828mの黒檜山(くろびやま)を主峰に、駒ケ岳、地蔵岳、荒山、鍋割山、鈴ヶ岳、長七郎山からなるカルデラ湖を含む複成火山である。大沼湖畔まで車で入れるので、どの山に登るにも比較的簡単である。
鈴が岳の登山道は樹林帯の中で、あまり花も見られなかったが、大沼湖畔まで降りると明るい道が多く、それなりに見られた。
鈴が岳山頂
オククルマムグラ(アカネ科)
奥車葎で、車は葉の形からで、ムグラは雑草の総称
カワラマツバ(アカネ科)
河原松葉で、河原などに多く生え、葉の様子が松葉に似ていることから。
ミヤマムグラ(アカネ科)
深山葎で、ムグラは雑草の総称。他のヤエムグラ属の葉は、細長いので見分けやすい。
注意深くみると、4枚の葉の大きさが違う(対生する2枚は同じ大きさ)。これは対生する2枚が葉で、他はその葉につく托葉ということらしい。托葉とは葉の付け根に付くもので、目立たないものも多い。
ヨツバムグラ(アカネ科)
四葉葎で、葉の数から。これも4枚のうち2枚は托葉。
コアジサイ(アジサイ科)
小アジサイで、小型のアジサイだから。アジサイと言えば、萼片が花弁の様になった装飾花を付けた形を思い浮かべるが、本種には無い。旧分類はユキノシタ科。
ヤマアジサイ(アジサイ科)
アジサイといえば、この様に装飾花を付けた形が普通。装飾花は萼片が花弁化したもので、雄しべ、雌しべが無く、あっても不完全で、昆虫を呼ぶために特化したものと言われる。旧分類はユキノシタ科。
サワギク(キク科)
沢菊で、谷筋や湿った所に生えることから。
ヤマノコギリソウ(キク科)
山鋸草で、葉の切れ込みが鋸の歯の様だから。ノコギリソウより小さな花をつけることからだが中間形もあるとのこと。
ヨツバヒヨドリ(キク科)
四葉鵯(花)で、ヒヨドリが鳴くころに咲くことから。葉の形に色々あり、本種は4枚の葉が輪生状になることから。
ニガナ(キク科)
苦菜で、茎や葉に苦みのある白い乳液を含んでいることによる。花弁状に見える舌状花は普通5個であるが、時には多い事もあるそうである。写真では6個見える。
ツルガシワ(キョウチクトウ科)
柏のような大きな葉を持ち、上の方は蔓状になるので、蔓柏。よく似たタチガシワは上部が伸びず、蔓状にならない。旧分類はガガイモ科。
ツルガシワの花
カラマツソウ(キンポウゲ科)
唐松草で、花が唐松の葉のような形だから。萼片は早く落ちてしまい、花弁もないので、唐松の葉のように見えるのは、多数の雄しべである。数個の雌しべは中心部にあり、短くて白いので見えにくい。
キツネノボタン(キンポウゲ科)
狐の牡丹で、葉が牡丹の様で野にあるから。狐にはだまされるとか毒があるという意味があるのではないかという説があった。突起を持った小さな果実がかたまって金平糖のようになっている。
キバナヤマオダマキ(キンポウゲ科)
黄花山苧環で、苧環とは麻糸を中が中空になるように、丸く巻き付けたもの。花がその形を思わせるから。白は萼片で、黄色が花弁。
ヤマオダマキ(キンポウゲ科)
赤紫色の萼片は5枚。黄色い花弁の基部は長くのびて、内側に曲がっているが、これを距といって蜜を貯める。