高尾山の花々2‥‥秋 2021.9.27
高尾山の花2
高尾山には6つの自然研究路があり、どのコースを歩いても安全に整備されている。が、それだけではなく、今回のブログは日影沢からのコースで撮ったもの。いずれにしても急な所や危険なところはないので、子連れなどでも楽しめる。
シラヤマギク(キク科)
白山菊で、白い花をつける山菊というところから。似たような白い花を付ける野菊があるが、下部の葉を見ると柄が付いた卵型であることで、区別できる。
シロヨメナ(キク科)
白嫁菜で、嫁菜に似た、白い花を付けることから。同定のポイントは、光沢のある葉で、葉脈が3本目立つ。またの名をヤマシロギクというが、前項のシラヤマギクと紛らわしいので、シロヨメナを使うべきである。
ノブキ(キク科)
野蕗で、葉の形がフキに似ており、野にあるから。フキより小さく、緑色が濃い。
ヒヨドリバナ(キク科)
鵯花で、鵯が鳴くころ、花が咲くので。花付きがいいと、フジバカマに似ているが、フジバカマの葉は、3つに深く裂ける。
ベニバナボロギク(キク科)
紅花襤褸菊で、花色が赤いことから。襤褸は咲き終わった後、綿毛をつけた姿がボロをまとった様だからというが説があるがハッキリしない。帰化植物で、初め下を向いて咲くが、咲き終わると上を向く。その様子が1つ見られる。アフリカでは野菜として食べられているそうだ。
メナモミ(キク科)
ナズムはとどこおり引っかかるという意味で、転訛してナゴミ→ナモミになったという。そのように花の下の総苞を触ると粘る。雄ナモミに対してやさしいから雌ナモミになった。
モミジガサ(キク科)
葉の形がもみじ(カエデ)に似て、しかも葉が傘状をしているから。
キツネノマゴ(キツネノマゴ科)
名前の由来は不明だが、花の散った跡の姿が狐の尻尾の様だからとか、花の形が狐の顔を思わせるなどという説がある。
イヌショウマ(キンポウゲ科)
犬升麻で、利用価値のない升麻の意味。似ているが役立たないものとか、本物とは違う物などに犬を付けることが多い。イヌビワ、イヌガラシ等々。升麻はサラシナショウマのこと。見かけの違いは、サラシナショウマは花が密に付き、ソーセージのような形で、葉の形も小さく分かれた小葉が多く付く。本種は3枚の小葉。
アキカラマツ(キンポウゲ科)
秋唐松で、秋に咲くカラマツソウということから。他のカラマツソウは初夏から夏に咲くので分かりやすい。花弁のように見えるのは萼片で、花弁は無く、多数の雄しべが目立つ。尚、唐松草はこの雄しべの様が唐松の葉の形に似ていることから。くどいようだが唐松は落葉するので落葉松とも書く。
クサボタン(キンポウゲ科)
葉の形が牡丹の様であるから草牡丹。しかし、草のように見えるが、木本である。
ノダケ(セリ科)
語源がはっきりしないので意味不明。しかし茎や葉の根元のさやがタケノコの皮の様だからという説もある。せり科の花はほとんど白なので、本種のような暗紫色の花は分かりやすいが、時に白花もあるそうである。花序(花の集まり)の基部に袋状のさやが残ることや、葉柄が袋状にふくらむ特徴がある。
ハナタデ(タデ科)
花蓼であるが花が特別大きいわけでもなく、理解に苦しむ。牧野図鑑ではこれを誤称であるとバッサリ。代わりにヤブタデを使っているが、ハナタデの使用が多くなっているようである。イヌタデに似ているが、茎が真っ直ぐ細長く、花がまばらにつくこと、葉の先が鋭く、少し丸みを帯びることで区別できる。図鑑(平凡社・日本の野生植物)の項目にも無かったのでこれに従ったが、ヤブタデを使った方がいいと思う。
ミズヒキ(タデ科)
水引で、花穂を水引に例えたもの。赤いのは萼片で、花弁は無い。
ミゾソバ(タデ科)
溝に繁茂するソバの類という意味。一名ウシノヒタイというが、葉の形から牛の額。上部に開いた花が見えるが5裂した萼片であり、花弁は無い。普通は淡紅色だが、白色のものもある。
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
釣舟草で、花の形が帆掛け船をつり下げた様に見えることから。花弁は3枚で、下前方に2枚、上に1枚、萼片も3枚で、袋状になったものと、花柄の付け根に2枚ある。後方に突き出ているのを距といい、蜜を貯める。葉の上方に花を付けるのも特徴で、他のツリフネソウ属は葉の下に付ける。