高尾山の花1
高尾山は世界で一番登山者が多い山といわれる。都心から1時間で来られる近さがあり、かつ険しい所も無く、誰でも簡単に歩けるところがその要因と思われる。しかし、そんな条件だけでなく、高尾山には特別な面も持っている。それは、冷温帯系の植物と、暖温帯系の植物が尾根を境に、接しているという特殊性だ。それにより色々な植物を見ることができるので、花を目当てに登るハイカーも多い。
高尾山山頂広場
アカネ(アカネ科)
根が赤いので赤根だが、それで染めた色は、太陽が出る前の東の空の色に似ているので茜染といわれる。
コアカソ(イラクサ科)
小赤麻で、茎や葉柄が赤いアカソより小さいから。写真は上部に付く雌花の花穂で、雄花の花穂は茎の下部に付く。アカソは葉の先端が3裂して尾状に尖る。本種は落葉低木だが、草本のクサコアカソは小さな鋸歯(葉のギザギザ)がもっと多く、10対以上。
ヤブマオ(イラクサ科)
これらの仲間を苧麻というが、藪の縁などに生えるから藪苧麻。前項のコアカソとおなじように上部に雌花(数珠つなぎの様)、下部に雄花を付ける。よく似たメヤブマオの葉は先が3つに分かれたような形になる。
キジョラン(ガガイモ科)
鬼女蘭で、冬が近づくと果実がはじけ、中から出た綿毛を鬼女の髪に見立てた。高さ数メートルにもなるつる植物で、葉も径10cmになるが、花は径4mmと小さい。アサギマダラの食草となっている。
ツルギキョウ(キキョウ科)
蔓桔梗で、蔓性のキキョウということ。数も少なく、絶滅危惧Ⅱ類になっている。
フクシマシャジン(キキョウ科)
福島沙参で、福島で発見されたことによる。沙参はツリガネニンジン一般を指す名。
花が下に向かって咲き、萼片がしばしば逆に反り返る特徴がある。ソバナにも似るがソバナの葉は葉柄があり、互生するが、こちらは3~4枚輪生することが多い。
ツリガネニンジン(キキョウ科)
釣鐘人参で、花の形を釣鐘に、太く白い根を朝鮮人参に例えたもの。通常は青紫色だが、白花に出会ったのでこちらを載せた。若芽をトトキといい、おいしい山菜として食べられている。
アズマヤマアザミ(キク科)
東山薊で、関東地方に多い山アザミということから。頭花がたくさん付く特徴がある。
ウスゲタマブキ(キク科)
薄毛珠蕗で、葉の裏に薄い毛があり、珠は葉腋のムカゴを指し、葉が蕗の葉の様だから。
オクモミジハグマ(キク科)
奥紅葉羽熊で、紅葉は葉の形、羽熊は花の形から。羽熊はヤクの尻尾の毛から作った飾りで、奥は関西から見て東は奥にあたることから。
カシワバハグマ(キク科)
柏葉羽熊で、柏の葉のような大きな葉があり、花が羽熊のようなことから。