景信山の花1
景信山は高尾山から続く山並みの、727 mの山である。高尾山から縦走する人も多いが、健脚コース(もしかして、私だけ?)になるのでゆっくりと花も見ていられない。そもそも尾根上の縦走コースでは樹林帯の中なので、花も多くない。花を見るなら沢沿いのコースから景信山に登って見て欲しい。
山頂からの高尾、八王子方面
オランダガラシ(アブラナ科)
登山道に入る前に、道路沿いの溝に咲いていた。料理に添えるクレソンである。オランダとつくように帰化植物で、各地の水辺に繁茂しており、日光の戦場ヶ原でも見た。
ムラサキハナナ(アブラナ科)
これも道沿いに咲いていた。紫花菜で見ての通り。別名紫花大根、また、漢名で諸葛菜。観賞用で植えられたものが野生化したり、殺風景だからと土手などに種子を蒔かれたりもした。
ヒロハコンロンソウ(アブラナ科)
広葉崑崙草で、中国の崑崙山脈に降る雪の白さをイメージした名。コンロンソウは葉が細長い。
カンアオイ(ウマノスズクサ科)
小さく、地面に接して咲くので、気が付きにくい。冬でも葉が枯れずに緑色で、葉の形が葵のようだから寒葵。
フタバアオイ(ウマノスズクサ科)
双葉葵で、二枚の葉が付くことから。この角度からでは葉の形が分からないが、ハート形で、徳川家の葵の御紋として使われた。形が分かる写真は西上州の山の花1,2,3、その他にあげた。
カントウタンポポ(キク科)
関東地方に多いことから関東蒲公英。花の下にある鱗のようなものを総苞というが、ぴったりと花に付いている。帰化植物の西洋タンポポは外に反曲してめくれている。
センボンヤリ(キク科)
千本槍で、秋にもう一度花茎を伸ばして花を付ける。それは閉鎖花といって花を開かず実を結ぶが、その姿が大名行列の千本槍に見えるところから。
ニリンソウ(キンポウゲ科)
二輪草で2本の花茎を立てて花を付けることから。しかし、2本とは限らず、1本や3本の物もあり、2本でも時期がずれることも多い。この写真でも大部分が1本だけの状態。白いのは萼片で花弁は無い。萼片も5枚とは限らない。
クロモジ(クスノキ科)
黒文字で、樹皮に黒い斑点があり文字になぞらえたもの。香りが良いので、高級爪楊枝に使われる。
クサノオウ(ケシ科)
草の黄で、黄色い汁が出るからとか、丹毒(くさ)を治すとか、草の王だとか諸説ある。
ジロボウエンゴサク(ケシ科)
次郎坊延胡索で、延胡索は漢名。伊勢地方で、スミレを太郎坊、これを次郎坊と付けたことによる。
シロヤブケマン(ケシ科)
白藪華鬘で、華鬘は仏殿の装飾品。
ムラサキケマン(ケシ科)
色が紫色の華鬘ということから。ヤブケマンとも言う。
ミミガタテンナンショウ(サトイモ科)
大きな筒型の花に見えるが、実際の花は、中心に見える棒状の表面に小さな花を沢山付ける。まわりのにある物を苞というが特にサトイモ科の物を仏炎苞という。水芭蕉の白い物も同じ。多くの葉が付いているように見えるが、葉は2枚。それぞれの葉が小さく分かれているが、これを小葉という。
ウラシマソウ(サトイモ科)
花を付ける中心の花柄の先が、仏炎苞の先に、釣り竿のように長く伸びていることから、浦島太郎を連想した。仏炎苞の下部に昆虫が出られる小さな穴も見える。
オウギカズラ(シソ科)
扇蔓で、葉が扇形、花後基部から長い枝を出す姿が蔓のようだから。しかし、扇形には見えませんね。
カキドオシ(シソ科)
垣根を通り越して伸びていくから垣通し。
キランソウ(シソ科)
名前の由来ははっきりしないが、金襴という織物に模様が似ているとか、紫蘭草が転訛したからといわれる。別名地獄の釜の蓋。これは、地面に張り付くように広がることから。
ツクバキンモンソウ(シソ科)
筑波金紋草で、筑波山で発見され、葉が美しいので金紋とつけられた。日本海側にはニシキゴロモがある。
ラショウモンカズラ(シソ科)
花の形が京都の羅生門で、渡辺綱が切り落とした鬼女の腕に似ているから。