甲州高尾山の花
甲州高尾山は勝沼ぶどう郷駅の東に位置する1106mの山である。東京の高尾山は超有名で、登山者も多いが、こちらは知名度も低く登山者も少ない。実際、私が行ったときは他の登山者には会わなかった。国土地理院の5万分の1地図にも、甲州高尾山の名は見あたらず、宮宕山1092mの記載がある。しかし、近年にあった山火事のおかげ(?)で、高い木が無く、展望は良い。植物もその影響(!)で多くは見られなかった。多くは山のふもとで見られたもので、スミレ類が目についた。
大滝不動尊にある大滝
勝沼ぶどう郷駅はソメイヨシノに囲まれていた
イヌナズナ(アブラナ科)
犬ナズナで、ナズナに似ているが食べられないので、犬が付いた。役に立たないとか、似ているが本物とはちがう物などに犬を付ける。イヌタデ、イヌムギ等々。
タネツケバナ(アブラナ科)
種漬け花で、この花が咲くころに、稲モミを水に漬けて発芽させることから。
センボンヤリ(キク科)
この植物は秋に閉鎖花を付ける。その姿は春の白い花と違って、長い毛鑓のようなものをたくさん立てる。それが千本槍という名になった。閉鎖花とは、花びらを開かないで自分自身の花粉で受粉してしまう花。これを自家受粉というが、この方法は確実に受粉するが他の違った遺伝子を取り入れられない。
オドリコソウ(シソ科)
踊り子草で、笠をかぶって踊る人に似ていることから。
ホトケノザ(シソ科)
写真は群落で、1つの形はよく見えないが、上部の半円形の葉の上に花が乗っているように見えるので、それを仏が台の上に乗っている台に例えた。
アオイスミレ(スミレ科)
葵スミレで、葉の形がフタバアオイの葉に似ていることから。左右にある側弁が少し閉じ気味に咲く。また、葉には毛が多い。
エイザンスミレ(スミレ科)
叡山スミレで、叡山は比叡山のこと。葉が細かく裂けているので、覚えやすい。
ゲンジスミレ(スミレ科)
源氏スミレで、葉の裏が紫色なので、紫→紫式部→源氏物語との連想でゲンジスミレになったという。しかし、葉裏が紫のスミレはシハイスミレなど他にも何種類かある。
コスミレ(スミレ科)
小スミレで、スミレより小さいということだが、そんなことはない。なぜそうなったかは不明。ずっと小さいものにヒメスミレというのもある。
スミレ(スミレ科)
本家のすみれ色を持つスミレ。標準的な形はもっと葉も花茎もスッと伸びる。
タチツボスミレ(スミレ科)
一番多く目にする。坪は庭を意味するが、庭にスッと立っているスミレ。
ノジスミレ(スミレ科)
野路スミレで、道端に咲くスミレという意味。スミレに似るが毛が多い。
アメリカスミレサイシン(スミレ科) スノープリンセス
遠目に見たら白い花を咲かすマルバスミレだと思ったが、近づいて見たらこれだった。
外国からの輸入園芸種だったが、各地で野生化している。名が長いので、ビオラ・ソロリアということもある。
トウダイグサ(トウダイグサ科)
燈台草で、昔明り取りに使った燈架台に似ていることから。花のつくりは変わっていて、2枚の花弁のようなもの(総苞葉)の中に見える丸いのが雌花で、子房が横倒しになっている、黄色く見えるのは雄花、これから咲く花が2個見える。もちろん花には花弁も萼片も無い。
ナヨクサフジ(マツ科)
なよとは、なよなよしたという言葉から、しなやかなことで、クサフジより柔らかい意味。各地に野生化している外来種で、クサフジより葉(小葉という)の数が少なく10対以内で、反り返っている花弁の先が短い。また、全体に毛が多いものもあるが、それをビロードクサフジという。