高尾山のスミレ2
スミレ
スミレの前に何も付かないスミレ。いわゆるスミレ色もここから。スミレの名は墨入れからきたといわれるが、墨入れは大工が使う道具。
シハイスミレ×スミレ?
スミレにしては葉も厚ぼったく裏側が茶褐色をしているので悩んだが、少しシハイスミレの形質も持っていると思われる。そこで、シハイスミレとスミレの交雑種と考えたがどうだろうか?景信山の山頂近くで撮った。
マルバスミレ
丸葉スミレで、葉の形が丸いことから。かなり丸に近いものからやや先が尖り気味のものもある。図鑑にはピンクがかったものもあると書かれていたが、花色は白以外ほとんど見たことが無い。毛の多いものをケマルバスミレとしていたが、無いものから連続しているので特に言わなくなった。
タチツボスミレ
立坪菫で、坪とは庭のことで、そういう所に生えることから。春に山に行くと必ず見られる程、多く生えている。それだけに変異が多く、様々な色や姿が見られる。
オトメスミレ
タチツボスミレの品種で、距以外は白色である。左隅に薄紫色の距が写っている。なお、全て白いシロバナタチツボスミレというのもある。品種とは同じ種に属するがわずかに1~2の形質が異なるもの。
アカフタチツボスミレ
赤斑立坪菫で、タチツボスミレの品種で、葉脈に赤い斑が入っている。
ニオイタチツボスミレ
匂い立坪菫で、良い匂いがすることから。しかしながら嗅覚に鈍感な私には、残念だがよく分からない。花の中心部が白くぬける特徴がある。
マルバタチツボスミレ
初めて見たとき、ニオイタチツボスミレに似ているなとは思ったが、なんか違うと思い、そのままになっていた。ところが高尾山全植物(山田隆彦 文一総合出版)という本によく似たものが載っていた。それはニオイタチツボスミレとタチツボスミレの交雑種で、マルバタチツボスミレという。
ツボスミレ(ニョイスミレ)
坪菫で、前述のタチツボスミレと同じ意味で坪(庭)に生えることから。花の径1cmくらいの小さなスミレ。漢名では如意草なので、植物学者の牧野富太郎はニョイスミレを提唱した結果、名が2ついきわたっている。
アギスミレ
ツボスミレの品種で、アギとは顎の古い言葉で、葉の隅があごのように飛び出していることから。顕著なものは写真よりもっと三日月型に近く、花がないときはもっと三日月状になるという。但しツボスミレから連続するので、どの程度をいうのか分からない。
ナガバノスミレサイシン
長葉の菫細辛で、細辛という薬草に似ている長めの葉をつけるから。太平洋側に分布し、日本海側にはスミレサイシンが分布する。花色は淡紫色だが、濃淡の変化が激しく、写真はかなり濃い。見えにくいが距は太く、丸く、短い。
ナガバノスミレサイシン
この株はほとんど白だが、完全に白いシロバナナガバノスミレサイシンと恐ろしく長い名もある。花弁の基部が開いているので、雌しべ、雄しべがよく見える。
ヒナスミレ
雛菫で、雛のように可愛いことから。葉の基部が丸く、深く湾入する独特の形で見分けられる。
アメリカスミレサイシン
アメリカとつくように北アメリカ原産の帰化種で、栽培されていたものが野生化している。高尾に限らずよく目にする。
アメリカスミレサイシンの色変わりで、”プリケアナ”とも。
これも色変わり