yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

赤城山(荒山・鍋割山)の花々1   2018.6.8

赤城山(荒山・鍋割山)の花

赤城山は黒檜山(1828m)を最高峰とした多数の溶岩ドームからなる火山体の総称で、百名山にも選ばれているが、赤城山という峰は無い。火山ではあるが、最後の活動から時間が経ったと思われ、植物相は豊かである。特に春のツツジの季節には、沢山のツツジが見られる。今回は赤城山群の中の荒山、鍋割山で出会った花々です。

鍋割山からの荒山、地蔵岳(奥)

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ウスバサイシン(ウマノスズクサ科)

薄葉細辛で葉質が薄く、細辛は漢名から。地中の茎(根茎)は辛みが強く、薬草として使われる。

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ウスバサイシンの花

花弁は無く、赤茶色の萼筒(萼が筒状になったもの)の先端が3裂している。中に見えるのは6個の雌しべ。f:id:yamahanayama:20200726215512j:plain

 

クサタチバナキョウチクトウ科)

花がタチバナ(ミカン科)に似ている草本だから。旧分類はガガイモ科

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5裂した花冠の中に、さらに5つの副花冠があり、雄しべと雌しべが合着し、ずい柱というものになっている。

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ミヤマカラマツ(キンポウゲ科

白く沢山の雄しべが集まっている様子が落葉松の葉のようだから。蕾の時、紫色を帯びた萼片はすぐ落ちる。花弁は無い。雌しべは中心部にあるが、見えない。

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ナツグミ(グミ科)

夏に果実が熟すから夏グミ。グミはグイミからの転訛で、グイは棘の多い木。葉の表面や裏面は一面に星型の鱗片におおわれている。

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クロカンバ(クロウメモドキ科)

黒樺の意味で、樹皮が平らでつるつるして薄く横にはげることがシラカンバに似ており、その色が暗褐色であることから。花は黄緑色で、小さく、目立たない。初めて見たが、花が散った後の萼だと思った。雌雄別株で、これは雄株の雄花だが、雌株の雌花は少ないとのこと。

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クロカンバ

 

トウゴクシソバタツナミ(シソ科)

花が咲いてなかったが鮮やかな葉が目についた。後で調べたらシソバタツナミらしい。葉脈と裏面が紫色をおび、シソの葉に似て、短毛を密生する。立浪は花の様子が泡立つ浪に似ていることから。赤城の植物目録を見ると東国紫蘇葉立浪とあったのでそれにした。シソバタツナミの変種で茎上の短毛の生え方が違うらしい。いずれにしろ区別は難しい。

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ニシキウツギ(スイカズラ科)

二色空木で初めは白色で、後に赤く変わることから。

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サラサドウダン(ツツジ科)

更紗は花冠に更紗染めの模様があるから。満天星(ドウダン)は灯台ツツジの意味で、分枝の形が結び灯台の脚(三又状)に似ていることから。

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ベニサラサドウダン(ツツジ科)

上記のサラサドウダンとは紅色が濃いだけでなく、花も少し小さく細い。

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ヤマツツジツツジ科)

標高の低い所にもあり、よく目にする。

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レンゲツツジツツジ科)

蓮華躑躅で花と葉を蓮華(ハス)にみたてた。花もヤマツツジより大きい。

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オニツルウメモドキニシキギ科)

ツルウメモドキの変種で、母種より葉が大きい。花は目立たないが、冬に果実がはぜるとオレンジ色の種子が鮮やかに彩る。名の意味は梅モドキがつる性で大きいから。

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ツリバナ(ニシキギ科)

花が垂れ下がっていることによる。

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サワフタギ(ハイノキ科)

沢蓋木で沢をおおい隠すように茂る意味。秋には瑠璃色の実をつけるところからルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)の別名もある。。

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イワキンバイ(バラ科

キジムシロ属は似たようなものが多く、いつも迷う。岩場に生え、葉の両面に伏毛を密生し、下面が白色をおびることからイワキンバイとした。岩場に生える金梅草の意味。

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コゴメウツギ(バラ科

小米空木で小さい花を小米(米粒の砕けたもの)と形容した名。

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ミヤマニガイチゴ(バラ科

苦みのある実をつけることからだが、そんなに苦くはなかった。ニガイチゴより葉が長細くより高地に生える。

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ササバギンラン(ラン科)

笹葉銀蘭。葉が笹のようで、銀は白い花から。花茎の下に付く苞葉が長い特徴。ギンランは葉が小さく、数も2~3枚で、高さも小さい。苞葉も花茎より短い。

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高水三山(奥多摩)の花々(2)   2011.7.6 2014.5.3, 5.26

高水三山・棒ノ折れ山の花(2)

高水三山は植林された針葉樹が多く、野草はあまり多くない。が、棒ノ折れまで足を延ばすと雑木林も多く、野草も増える。また、軍畑駅から登山口までの林道でもいろいろ見られる。

棒ノ折れ山山頂付近

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植林内は見るとこ無し

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フタリシズカ(センリョウ科)

葉の真ん中から伸びる花穂が1本はヒトリシズカ、2本はフタリシズカ……。とはいきません。多くはそうであるけど…。この株は6本ものびていた。なお、白いのは雄しべで花弁は無い。

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アセビツツジ科)

馬酔木と書き、これを食った馬がフラフラするとか。昔はこの葉を煮だしてウジ殺しをつくった。

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ヤマハコベ(ナデシコ科)

湿り気の多い所に生育。花弁は5枚だが深く2裂しているので、10枚に見える。

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クサイチゴ(バラ科

草というが木本で、冬にも枯れない。花も実も大きく目立ち、実はおいしい。

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コゴメウツギ(バラ科

小米空木で、小さい白い花を小米(米粒の砕けたもの)と形容した。

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ニガイチゴ(バラ科

苦苺で果実が苦いことから。食べてみたがそれほど苦いとは感じなかった。

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メレンゲ(ベンケイソウ科)

なぜこの花に姫蓮華という名があるのか不思議だった。調べてみると、群れを成して平らに生えている葉の状態を蓮の花に例えた、とあった。確かに谷川の水辺や、群れて生えているが未だに????。

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フジ(マメ科

フジは吹き散るの意味だといわれている。ヤマフジと区別するときはノダフジという。

ヤマフジは花穂が短く、左手の親指方向に巻き付いて伸びていくがこれを右巻きとか左巻きとか人によって違う。

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サンショウ(ミカン科)

別名ハジカミだが、山椒はハジカミラの略といわれる。ハジははぜる、カミラはニラの古名で実がはぜるとニラのように辛いから。意味は分かったが略のところがいまいち???。雌雄異株なので、雄株を植えるといつまでも実がならない。

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ミヤマシキミ(ミカン科)

枝葉の様子がシキミ(シキミ科)ににているところから。サンショウの葉も良い匂いがするが、この葉も良いにおがする。雌雄異株だが、ミカン科のものは雌雄異株がとっても多い。f:id:yamahanayama:20200723003737j:plain

 ミヤマシキミの果実

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チドリノキ(ムクロジ科)

旧分類はカエデ科。カエデの果実には翼が付いているが、それを飛ぶ千鳥に見立てたもの。それにしてもちっともカエデの葉のようには見えない。ポイントは葉が対生で翼が付いた果実。別名山柴カエデ。

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ユキノシタユキノシタ科)

白い花を雪に例え、その下に葉がちらちら見える様を表現したといわれる。登山口の谷川に咲いていた。f:id:yamahanayama:20200723003830j:plain

 

チゴユリユリ科

稚児のように小さく可愛い百合。

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クモキリソウ(ラン科)

山の上にあるから雲切草か雲散草か、花が蜘蛛に似ているからとか、諸説あって不明。

ジガバチソウとかスズムシソウとか虫の名が付くのがあるので蜘蛛説を支持。

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フデリンドウ(リンドウ科)

5cm位の小さなリンドウ。花冠(筒状の花)が10裂してるように見えるが、5裂してるといい、小さいのを副裂片という。筆の穂先を思わせることから。リンドウは漢名の竜胆から。

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ロウバイロウバイ科)

春先に透き通った様な花弁をつけるロウバイだが、果実は全く知らなかった。初めて見たときにはそのギャップに驚いた。ロウバイは漢名の蝋梅から。朝鮮から渡ってきたが野生化したものもある。

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高水三山(奥多摩)の花々(1)   2011.7.6 2014.5.3, 5.26

高水三山・棒ノ折れの花(1)

高水三山は青梅線沿線にある高水山(759m)、岩茸石山(793m)、惣岳山(756m)のことである。標高も高くなく、道も険しくないので山の入門コースとして親しまれている。花に関しては特に多いわけではないが、春にはスミレなどが見られる。

岩茸石山山頂から北方をのぞむ

中央奥は棒ノ峯(棒ノ折れ)

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アカネスミレ(スミレ科)

茜菫で花の色が茜色であることから。葉や距(花弁の後ろが飛び出しているところ)に毛がおおい。

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アケボノスミレ(スミレ科)

曙菫で花の色が、夜明け前の曙色になるから。葉が広がる前に花が咲く。

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エイザンスミレ(スミレ科)

叡山菫で比叡山にあることから。葉が3裂し、さらにそれぞれが細かく分かれている。花の色も白からピンク色まで見られる。

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タチツボスミレ(スミレ科)

立坪菫で、茎が上に伸びる(地上茎という)。坪は庭のことで、スミレでは一番多く目にする。それだけに色や葉の変異が多い。

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ツボスミレ(スミレ科)

坪菫で径1cm位の小さな花をつける。如意(ニョイ)すみれともいう。

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フモトスミレ(スミレ科)

麓菫で、山の麓に生えるから。しかし、標高千mぐらいまでよく目にする。

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マキノスミレ(スミレ科)

牧野菫で、植物学者の牧野富太郎が発見したから。シハイスミレの変種で、葉裏が紫色であり、葉が上方にピンと伸びる。

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マルバスミレ(スミレ科)

丸葉菫で葉が丸いことから。

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ウツギ(アジサイ科)

空木で幹が中空になっていることによる。この花のことを卯の花とも言い、歌にもある。旧分類はユキノシタ科。

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ガクウツギ(アジサイ科)

額空木で、ガクアジサイのような装飾花を持ち、ウツギに似ているから。装飾花とは萼片が花弁のように目立ち、雄しべ、雌しべが無く、あっても不完全な花。別名コンテリギ。旧分類はユキノシタ科。

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コアジサイアジサイ科)

ガクアジサイにある白い花弁のような装飾花が無く、小さな花が集まっている。装飾花のあるアジサイを見慣れてると、すぐには納得がいかない名である。

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ヒロハコンロンソウ(アブラナ科

広葉崑崙草。崑崙は中国にある崑崙山脈で、白い花をその峰にある白い雪に例えたといわれる。

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カテンソウ(イラクサ科)

花点草は漢名で、雄花の花粉は小さくて、まるで花が点のように見える。それで花点草といわれる。長く伸びているのは雄花をつける花穂で、雌花は葉の付け根(葉腋という)につくのでこの写真では見えない。

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クワガタソウ(オオバコ科)

果実が兜の鍬形に似ていることから。旧分類はゴマノハグサ科

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センボンヤリ(キク科)

春は写真のように白い花を咲かすが、秋には花の開かない閉鎖花をつける。これが林立する様を槍に例えた。閉鎖花は自分の花粉を自分の雌しべに付けて種子をつくる(これを自家受粉という)が、新しい優れた遺伝子が入ってこない。生き残り、進化するには他から異なる遺伝子を取り入れることが必要。これを他家受粉という。

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トウゴクサバノオ(キンポウゲ科

東国鯖の尾で果実が鯖の尻尾のようで、東国は関東地方に生えることから。白いのは萼片で、花弁は黄色い蜜槽になっている。

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鯖の尾状態の果実。

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セリバヒエンソウ(キンポウゲ科

葉が芹の葉のようで、花が飛ぶツバメ(飛燕)のようだから。花弁の後方に長く伸びているのは距(きょ)といい、蜜を貯める。

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クサノオウ(ケシ科)

諸説あって①草の黄で、黄色の汁を出す。②丹毒(クサまたはカサ)を治すからクサの王③草の王

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シロヤブケマン(ケシ科)

全体が紫色のムラサキケマンの方がよく見るが、その品種。白藪華鬘で、華鬘は仏堂に飾る装飾品。

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ミヤマキケマン(ケシ科)

深山黄華鬘でもう説明はいらないでしょう。キケマンは海岸近くに生育し、もっと大きい。

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オカトラノオサクラソウ科)

花穂が虎の尻尾のようだから。よく似たノジトラノオ(野路虎の尾)は葉が細い。

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 高水三山・棒ノ折れの花々2へ

槍ヶ岳の花々(3)  2015.7.31-8.3

槍ヶ岳の花(3)

南岳から夜明けの穂高連峰

キレットを超えれば穂高連峰だが、稜線上は険しい岩稜が続く。高山植物も所々の岩場の隙間に生育するが、その数も、種類も少ない。

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ハクサンフウロフウロソウ科

高山草原にはよく見られる白山風露だが、風露の意味は不明。

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ミヤママタタビマタタビ科)

マタタビによく似るがより高地に生育し、果実の先が尖らない。食べると元気が出て、また旅をするという説があるが、アイヌ語のマタタムブが転訛したいう説もある。

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ゴゼンタチバナ(ミズキ科)

白山で発見され、白山の最高峰は御前峰というが、そのゴゼンをつけ、果実が橘(たちばな)に似ているから。白いのは総苞で、小さい花が中心部に集まっている。

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オガラバナ(ムクロジ科)

 麻幹花の意味で、おがらは麻の茎を剥いだもの。材がやわらかく、おがらに似ているから。また、穂咲きカエデの名もあるが、写真のように花が穂になるのは本種だけ。既に下部は果実になっている。

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クロクモソウ(ユキノシタ科)

黒雲草で花の色から。

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シコタンソウ(ユキノシタ科)

色丹草で、千島の色丹島にあるから。

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ダイモンジソウ(ユキノシタ科)

花弁の長さが異なり、漢字の大の文字に見えるから。

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トリアシショウマ(ユキノシタ科)

鳥脚升麻で丈夫で真っ直ぐな茎を鳥の脚にたとえた。また、草の形が升麻ににているから。

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ヤグルマソウユキノシタ科)

葉の形が鯉のぼりの先につける矢車ににているから。左上に葉が見える。

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オオウバユリ(ユリ科

大姥百合で、花が咲くころには葉(歯)が無いから姥百合。姥百合よりも全体的に大きく、花数も多い。ウバユリは3~4個に対しオオウバユリは10~20個つけ高山や日本海側に生育。

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オオバタケシマラン(ユリ科

大葉竹縞蘭で、葉脈が竹のすじのようだから。花が1つしか映っていないが、葉ごとに1つずつ付ける。

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キヌガサソウ(シュロソウ科)

衣笠草で、放射状に展開した葉を高貴な人にさしかけた衣笠に見立てた。花期はもう終わって、白い萼片は赤褐色に変色し、細い花弁は既に無い。真ん中に果実が出来ている。旧分類はユリ科

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クルマユリユリ科

車百合で葉が車状に付くことから。

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タマガワホトトギスユリ科

玉川杜鵑で、鮮やかな黄色を京都・玉川の山吹に見立てたもの。沢沿いなど湿った所に生育。

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キソチドリ(ラン科)

木曽千鳥で花の形が飛ぶ千鳥に似ている。これが木曽で発見されたから。

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コイチヨウラン(ラン科)

小一葉蘭で、下部に一枚の葉が着く。一葉蘭よりも丈も花も小さいので小が着く。

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トウヤクリンドウ(リンドウ科)

当薬竜胆で、薬になる竜胆(りんどう)ということから。竜胆は漢名。

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ミヤマリンドウ(リンドウ科)

深山竜胆でこれ以上説明は無し。日が当たると花が開くので、雨の日や、早朝に出発するとまだ開いていない。

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ニワトコ(レンプクソウ科)

漢名として接骨木が使われるが語源は不明。この木の髄(中心部の白い柔らかい組織)に小さなものを挟み、カミソリで切ったものを顕微鏡の観察時に使う。

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槍ヶ岳の花々(2)    2015.7.31-8.3

槍ヶ岳の花(2)

南岳付近からの槍ヶ岳

南岳から槍ヶ岳までの稜線は、ほとんど岩石地帯で、その中に丈の低い植物が生育している。下の写真ではイネ科やカヤツリグサ科のスゲ属やハイマツなどが見られる。 

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オオレイジンソウ(キンポウゲ科

伶人草で、舞楽の時に伶人の使う冠に似ているから。

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ミヤマトリカブトキンポウゲ科

トリカブトの分類は難しい。場所が違えば種が違うほど変化も多い。写真の種は花柄に毛が生えていることと、分布域からミヤマトリカブトとした。別名ハクサントリカブト

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クサボタン(キンポウゲ科

草牡丹で葉が牡丹に似ており、だが草ではなく木本である。雌雄異株で、ウニのような果実が出来ていることからこれは雌株である。学名はクレマチス

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シナノキンバイキンポウゲ科

長野に産するので信濃金梅だが、中部以北の高山帯に生育している。黄色く大きなものは萼片で、その内側の朱色の舌状のものが花弁、細長いものは雄しべで中央部にあるとがったものが雌しべでそれぞれ多数ある。

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ハクサンイチゲキンポウゲ科

白山一華で、白いのは萼片で、花弁は無い。黄色い雄しべの内側に多数の雌しべが見える。学名はアネモネ

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バイカモキンポウゲ科

 梅花藻で梅の花のようだから。上高地の田代池で撮った。ある地方では食用にするという。

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ミヤマカラマツ(キンポウゲ科

白く丸まっているのは雄しべの集まりで、これが落葉松(からまつ)の葉のようだから。萼片は早くに落ち、花弁も無いので雄しべが目立つ。

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ミヤマキンポウゲキンポウゲ科

深山金鳳花で黄色い花弁に金属光沢がある。

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タカネシュロソウ(シュロソウ科)

古い葉の根元がシュロの毛のようだから。旧分類はユリ科

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コバイケイソウ(シュロソウ科)

小梅蕙草で花が梅に似て、葉が蕙蘭(漢名)のようだから。有毒植物。

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ミヤマバイケイソウ(シュロソウ科)

深山梅蕙草で名の意味は上記と同じ。色が緑なので、コバイケイソウとの区別は明瞭。

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オオヒョウタンボクスイカズラ科)

花が2個並んで付き、果実がくっついて瓢箪(ひょうたん)のように見えるところから。

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キバナノコマノツメ(スミレ科)

葉の形が馬(駒)のひずめに似ているところから。スミレ科の中でスミレの名が無い唯一のスミレ。

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クモマスミレ(スミレ科)

タカネスミレの変種で、北アルプス中央アルプスに分布。高山に生育していることから雲間スミレ。

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ヤマキスミレ(スミレ科)

大葉黄スミレの変種で、葉が上部に集まっているが、区別は明瞭ではない。

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ハクサンサイコ(セリ科)

 白山柴胡で柴胡(さいこ)は漢名から。淡黄色の小さな一つ一つが花で、花を乗せる緑の星型の、花弁のように見えるものは小総苞といい、さらにそれを乗せる3枚の葉のようなものを総苞という。

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ハクサンボウフウ(セリ科)

白山防風で防風(ぼうふう)は漢名から。葉の形の変異が多い。

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ミヤマシシウド(セリ科)

深山猪独活でウドに似て強剛だから、猪が食うのに適していると見立てた。ちなみにウドはウコギ科である。

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イワツメクサナデシコ科)

岩場に生える爪草(つめくさ)ということで、葉が細く鋭い鳥の爪に似ているから。5枚の花弁が深く2裂しており、10枚あるように見える。

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センジュガンピ(ナデシコ科)

日光の千手ケ原で発見され、ガンピに似ているからといわれている。

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エゾシオガマ(ハマウツボ科)

蝦夷塩釜。塩をつくるのに使う塩釜は、浜で美しいといわれ、シオガマの仲間も、葉まで美しいからとシャレたというが…。

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オニシモツケバラ科

シモツケの中で、特に大きいところから。下野(しもつけ)は今の栃木県のことで、そこで発見されたから。

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ゴヨウイチゴ(バラ科

五葉苺で葉が5枚の小葉でできているから。5枚に見える葉は、実は1枚で、深く切れ込んでいると思えば分かりやすい。

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ミヤマダイコンソウ(バラ科

深山大根草で、葉が大根の葉に似ているから。しかし、先端にある小葉が大きくて(写真では丸い葉に見える)食べる大根とは全くイメージが違う。

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 槍ヶ岳の花々(3)へ

 

槍ヶ岳の花々(1)    2015.7.31-8.3

槍ヶ岳の花(1)

槍ヶ岳といえばあの尖ったピークを思い起こせるが、槍ヶ岳の花と言ったらどうだろうか。そう、あの尖った岩山には植物が取り付く場所がない。槍沢上部から稜線までも岩石地帯で植物にとっては不適切な領域である。なので、ここでは槍ヶ岳に登ったときに会った花々を挙げてみたい。上高地ー徳沢ー槍沢ー氷河公園ー南岳―槍ヶ岳ー飛騨沢ー槍平ー新穂高温泉のコースを3泊4日で歩いた時の花日記である。花の順序はコース順ではなく、科ごとにあげた。

氷河公園からの槍ヶ岳 

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タマアジサイアジサイ科)

 蕾の形が玉になることから(右上に見える)。他のアジサイと違って葉がざらざらで艶が無い。旧分類はユキノシタ科。

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ヤマアジサイアジサイ科)

葉が比較的小さくて、薄い。周辺部にある白いのは萼片で、装飾花といわれ、昆虫をよぶためといわれる。

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ヤマタネツケバナ(アブラナ科

槍ヶ岳には花が無いと最初に書いたけれども、実はあったのです。肩の小屋から登り始めてすぐに、岩の割れ目に咲いていた。田植えの種(モミ)を植えるころに咲くということからの名前だが、高山型となると3千mの高さに生育している。北岳の稜線でも見た。

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ウド(ウコギ科

ウドの語源は不明。栽培種は地下で栽培されるので、白く柔らかいが、こんなにも大きくなったらもう硬くて食べられない。

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ヒメクワガタ(オオバコ科)

果実が兜の鍬形に似ているところから。色も薄く、小さいので見過ごすことが多い。旧分類はゴマノハグサ科

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イワオトギリ(オトギリソウ科)

岩弟切で、高山に生える弟切草。弟切とは物騒な名だがいわれを書くと長くなるので、調べてください。弟切草の分類は似たものが多いので難しいが、分布域が参考になる。

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ハクサンオミナエシオミナエシ科)

白い花をつけるオトコエシ(男郎花)に対し、優しいのでオミナエシ(女郎花)だが、エシの意味は不明。白山にあることからでキンレイカ(金鈴花)の別名もある。

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イワギキョウ(キキョウ科)

名のように岩から生えているものに出会った。キキョウは漢名の桔梗を音読みしたもの。次のチシマギキョウとの違いは花の縁に毛が無いのと、萼片が細い。

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チシマギキョウ(キキョウ科)

最初の産地が千島列島であったことによる。筒状の花の縁に毛が生えていることが見分けるポイント。

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ソバナ(キキョウ科)

岨(そば)とは急な山地の斜面のことで、そのようなところに生えるから。菜(な)とは柔らかく、食べられる葉を意味し、食用になる。

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ウサギギク(キク科)

花の下に付く2枚の葉が、ウサギの耳のように左右に付くことから。しかし、この写真では良く見えないが、似たものが無いので、花を見ただけでわかる。

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クロトウヒレン(キク科)

黒唐飛簾で、花を囲む総苞が黒く、飛簾はヒレアザミに対する我国慣用の漢名で、それが外国的な印象から唐をつけたといわれる。茎にひれがついている。 

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サワギク(キク科)

沢菊で沢のような低湿地に生えるから。一つの花にみえるものは小さな花の集まりで頭花というが、径1cm位。

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タカネヤハズハハコ(キク科)

 中央の花の写真には何個の花があると思いますか?。答えは数えきれないです。7個と答えた人、それは小頭花の数です。1個に見えるのは花の集まった小頭花で、中の黄色いものが筒状の小さな花。この場合、7個の小頭花が集まって頭花(または頭状花)になっている。小頭花の周りのピンクの花弁状のものは小頭花を包む総苞片。

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タカネヨモギ(キク科)

 高嶺ヨモギだが平地のヨモギとは違って葉の裂片が線形で細い。一番上の頭花の中に、小さい花がぎっしり集まっているのが見える。

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ハナニガナ(キク科)

食べると苦い苦菜より、大きく、葉や花も美しいので花苦菜。花弁のように見えるのが一つの花(舌状花)で5個内外のニガナより8~10個と多くて大きい。

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マルバダケブキ(キク科)

丸葉岳蕗で丸い葉と山にある蕗ということ。高さも1m位で目立つ。

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オタカラコウ(キク科)

雄宝香で雌宝香より大きく、強壮だから。宝香は龍脳香のことで、根茎にこの香がするから。

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コウモリソウ(キク科)

葉の形からコウモリを連想するから。これは1m以下だが、これより大きいものにヨブスマソウがある。ヨブスマも蝙蝠のことで花は白い。

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オオバミゾホウズキ(ゴマノハグサ科

大葉溝ホウズキで、山野に生える溝ホウズキより標高も高い所に生え、大きい。果実がホウズキのように萼に包まれる。水の流れる所に生育。

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ウツボグサ(シソ科)

靭草で、花をつける穂が弓矢を入れる武具の靭に似ているから。夏が来ると花穂(かすい)は枯れて黒くなるので夏枯草という別名もあり、漢方で利尿薬として使う。

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カメバヒキオコシ(シソ科)

亀葉引起しで、葉が亀の甲に似て、葉は苦く、起死回生の効力があるということから。

この写真では葉の形がうまく撮れていない。

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ジャコウソウ(シソ科)

麝香草で、茎葉をゆするとよい香がするという。

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ミソガワソウ(シソ科)

味噌川草で、木曽の味噌川に多いことから。多数集まって群落をつくっている。 

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槍ヶ岳の花々(2)へ 

三頭山(奥多摩)の花々(2)   2009.4.10 2019.5.11

三頭山の花(2)

三頭大滝

都民の森入口より20分。落差35mの滝。

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 ヤドリギ(ビャクダン科)

宿り木で、他の木に寄生しているから。登山道にヤドリギの花が落ちていた。見上げてみたが、茂った葉に隠れて分からなかった。なので、他の山で撮ったものをあげた。これも偶然倒れた木にあったもので、普通は木の上の方にありこんなに近くで見られることはほとんどない。雌雄異株なので、実をつけていることによりこの写真は雌株。旧分類はヤドリギ科。

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これは雄花。萼が4裂して、その内部に花粉を出す葯がついている。 

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 これは雌花なのか、雄花の萼片が落ちたものか不明。

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 ヒトリシズカ(センリョウ科)

白く細いのは雄しべで花弁は無い。1つの花に3本の雄しべがあり、その根元に子房と雌しべが見える。白い花穂を静御前に例えた。

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ヤマシャクヤクキンポウゲ科

山にある芍薬で、芍薬は漢名。立てば芍薬、座れば牡丹、とうたわれる美しい花の代表だが、本当に自然にある花とは思われないほど気品を感じる。残念ながら自然の中では盗掘されてしまうのか、三頭山では遊歩道の一角に囲いをつけて保護されていた。 

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 サンシュユ(ミズキ科)

茱萸で漢名から。昔、中国や朝鮮から伝えられた薬用植物といわれ、植栽されたものか、自然繁殖したものか不明で、沢筋に咲いていた。春コガネバナとも言われる。

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ハシリドコロ(ナス科)

地下茎がオニドコロに似て、猛毒があり、食べると走り回って苦しむことから。その地下茎をロートコンと呼び、鎮痛薬や眼薬とするがロート製薬の名はここからとったという。

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 ヒュウガミズキ(マンサク科)

日向水木だが、日向(宮崎県)には野生しないらしい。土佐(高知県)にあるトサミズキに連想して名づけたのではないかと推測されている。

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 フッキソウ(ツゲ科)

富貴草で、常緑の葉とこんもり茂る状態から繁殖を祝う意味をもつ。雄花も雌花も花弁は無い。上方に見える4本の雄しべを広げているのは雄花で、下方に見える先端が2つに分かれたものが雌花である。雌しべの先端が2つにわかれた形態を2花柱という。

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フデリンドウ(リンドウ科)

蕾の状態が筆の先端に似ていることから。高さは5~10cmほど。一見、花冠が10裂しているようだが5裂で、小さい裂片を副裂片という。

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 ミツマタジンチョウゲ科)

枝が3つに分かれていることから三又。樹皮の繊維が強く、良質なので製紙の原料に使われている。中国から渡ってきたが、各地で栽培されたり、野生化している。花弁は無く、萼筒(萼片がくっついて筒状になっている)の先が4裂し、内部が黄色で、外部は白い毛におおわれている。中に見えるのは雄しべの先端で4個あるが、さらに短い雄しべが中に4個あり、計8本ある。

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ミヤマキケマン(ケシ科)

深山黄華鬘で華鬘(けまん)は仏殿の装飾具。花がそれに似ていることから。もっと大型のキケマンは海岸近くに生える。

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 ミヤマハコベ(ナデシコ科)

花弁が10枚あるように見えるが、1枚が深く2裂しているので実際は5枚。ハコベ属の学名をステルラリアというが、ラテン語で星(スター)のこと。花が星のまたたきのようだ。

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 モミジイチゴバラ科

葉がもみじの形をしているから。花はぶら下がるように、下を向いて咲く。果実は黄色く熟して美味しい。

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ヤマエンゴサク(ケシ科) 

山延胡索で、延胡索は漢名。花弁は4枚あり、上下の2枚は大きく目立つが内部にある左右の2枚は合着し、小さく目立たない。花弁の一部が後ろに伸びて(距という)蜜を貯める。

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 ヤマザクラバラ科

花と葉を同時につける。ソメイヨシノより花数は少ないが色は濃い。

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 ルイヨウボタン(メギ科)

類葉とは同じような葉ということで、牡丹と同じ様な葉をつけることから。長いのが萼片で、花弁は短く蜜を出す蜜槽になり、両方とも同じ色。f:id:yamahanayama:20200614002146j:plain

 
ワサビ(アブラナ科

ワサビというと栽培されるワサビ田を考えるが、これは本当の自然の状態。ワサビの

意味は不明。

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ワチガイソウ(ナデシコ科)

輪違は五輪のマークのうちの2つを思い浮かべるとよい。昔、名前がわからない物を、この印の付いた鉢に植えて置いたことによる。

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 イヌナズナアブラナ科

イヌは動物の犬ではなく、役立たない物や似ているものに付けた名。ナズナに似ているが食べられないことから。

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 チドリノキ(ムクロジ科)

千鳥の木で翼のある果実を千鳥の飛ぶ姿に見立てたもの。旧分類はカエデ科だが、ちっともカエデ科には見えない。カエデといえば普通は5裂したモミジの葉が一般的だが、何処にも変わり者はいるもの。しかし、実をつけるとあのカエデ特有の羽根のある果実をつける。雌雄異株なので、これは雄株と思われる。

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ブナ(ブナ科)

ブナの種子が発芽して最初の双葉が出てきたところ。親とは全く違う葉だが次の葉からは親と同じになる。この葉のような双葉を出す植物を双子葉植物といい、ユリやイネなど1枚の葉を出す植物を単子葉植物という。

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ナツノハナワラビ(ハナヤスリ科)

夏の花蕨で夏に胞子穂を出すから。シダは花をつけず、種子をつくらないので、このブログにはおかしいが、名前にハナと付くので特別に許した。種子の代わりに胞子で増えるが、この植物は写真の中央に見える胞子穂を延ばして胞子を付ける。

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