yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

三頭山(奥多摩)の花々(1)  2009.4.10    2019.5.11

三頭山の花(1)

三頭山は名前の通り、3つの山頂からなる山で、最高峰は中央峰の1531m、西峰、東峰はわずかに低い。中腹に都民の森があり、ここまでバスが通っているので、比較的簡単に登れる。ここにはビジターセンターなどもあり、色々な展示物もあって時間があれば寄りたいところである。また、奥多摩湖からの北ルート、鶴峠からの西ルートなど、他のコースも選べる。

山頂からの富士山

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 アセビツツジ科)

馬酔木と書くがこれを食べた馬が酔ったようになることから。木を煎じた汁は殺虫剤に用いられた。

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 ミツバツツジツツジ科)

早春の山にいち早く彩りを与えてくれる。雄しべは5本。

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 トウゴクミツバツツジツツジ科)

こちらの雄しべは10本。関東にあることから東国三つ葉ツツジ

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 エイザンスミレ(スミレ科)

比叡山にあるということから。葉が細かく分かれているが、基本的にはまず3裂して、さらにそれぞれが分かれるというパターン。

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 ナガバノスミレサイシン(スミレ科)

長葉菫細辛で、細辛という薬草に葉が似ているスミレサイシンがあるが、それよりも葉が長いということ。ちょっと複雑。

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 マルバスミレ(スミレ科)

葉が丸い形から。しかし、まん丸でもない。

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 アブラチャン(クスノキ科

早春の木々にいち早く彩りをつけてくれる。油チャンで、チャンは瀝青のことで自然に産する油などの燃えるもの。果実や樹皮に油が多くよく燃えることから。

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 カタクリユリ科

鱗茎(いわゆる球根)からの採った澱粉が片栗粉。鱗茎の形が栗の半分ということから。

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 ミヤマエンレイソウユリ科

深山延齢草で薬草としてつかわれたので延齢草。シロバナエンレイソウともいう。

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 オオカメノキ(スイカズラ科)

葉が亀の甲に似ているから。別名ムシカリ。白い花弁のようなものは雌しべも雄しべ無い装飾花。

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 カキドオシ(シソ科)

垣通しで、ツルを延ばして垣根をくぐりぬけるから。

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 キクザキイチゲキンポウゲ科

白いのは萼片で、花弁は無い。菊咲一華で花の形が菊のようだから。菊咲き一輪草の別名も。

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 ニリンソウキンポウゲ科

2つの花をつけるので二輪草だが、時期がずれて咲くことも多い。白いのは萼片で、花弁は無い。

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 フクジュソウキンポウゲ科

福寿草で新年を祝う花としてつけられた名。外側に見える茶褐色の物が萼片、その内部の花弁は多数あり、金属光沢を持つ。雄しべ、雌しべも多数ある。

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 コガネネコノメソウ(ユキノシタ科)

果実が2つに裂け猫の目に似ているから猫の目草。花の色が黄金色をし、葉は対生に付く。

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ツルネコノメソウユキノシタ科)

長いほふく枝を出すから。花弁のない緑色の花で、葉は互生に付く。

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 ヨゴレネコノメ(ユキノシタ科)

褐色の葉が汚れているように見えることから。葉は対生に付く。

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 コチャルメルソウ(ユキノシタ科)

果実の開いた形を楽器のチャルメラに例えた。右の花茎にチャルメラらしきものが付いている。

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 周りにある魚の骨のような花弁、その内部に5個の雄しべ、中心に雌しべが見える。

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キブシ(キブシ科)

五倍子(ふし)とはアブラムシが作る虫こぶで、タンニンを多く含み染料として使われるが、この果実がその代用になることから木ブシ。雌雄異株で写真は雌株に付く雌花と思われる。(雄花の方が房が長いといわれる。) 

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 三頭山の花(2)へ

坪山・奈良倉山(奥多摩)の花々    2013.4.23 2018.5.20

坪山・奈良倉山・大マテイ山の花

 坪山の名を知ったのは、2012年か13年の雑誌「山と渓谷」だったと思う。坪山のヒカゲツツジが紹介されていた。それまで、ヒカゲツツジ中央アルプスで1本だけ咲いていたのを見た記憶があるが、本ではかなり群落になっている様子が掲載されていた。その記憶がまだ新しい時、早速、友人からさそわれて、行くことになった。そして期待通りの群落を見たが、時期的にはまだスミレの季節、そちらの方も楽しめた。

坪山(1103m)は、奈良倉山から権現山へと続く山稜から分かれた支尾根の高まりで、特に目立った山ではない。国土地理院の5万図にも名前は無い。しかし、下の集落からの登山道は急な所や痩せ尾根の部分もあり、気を付けて登ってほしい。実際、2017.12.23に3名の滑落、凍死遭難が起きている。凍結した急斜面で滑落したと思われるが、冬季以外でも花をキョロキョロ見ながら歩いていると、滑落する危険性はおおいにある。(ここは自戒を込めて)

 麓から見あげた坪山

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 アカネスミレ(スミレ科)

名のように茜色のスミレ。距(花弁の後方が突き出しているもので蜜を貯める)が長く、全体的に毛が生えている。毛が無いものをオカスミレという。

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 エイザンスミレ(スミレ科)

葉が細かく分かれている特徴。花色は白いものから濃いピンクまで様々である。細かく分かれているものにもう一つヒゴスミレがあるがこちらは滅多に見られない。比叡山に生えるということから。

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 タチツボスミレ(スミレ科)

一番多く目にするスミレ。それだけに色々変異も多い。立坪菫で、坪は庭のこと。

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ナガバノスミレサイシン(スミレ科) 

長葉の菫細辛で、葉の形が細辛(薬草)に似ているスミレサイシンは日本海側にあるが、本種はその葉が長細いので。何だかややこしくなりました。

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 ヒナスミレ(スミレ科)

雛スミレで全体が弱々しく、花が美しく、愛くるしいところから。葉の基部が丸く凹んだ形が特徴。

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 フモトスミレ(スミレ科)

麓スミレで山麓に生えていることから。しかしながら、車やバスで登山口まで行ってしまうので、会うのはいつも山の中。葉に斑が入っているものが多く、咲いてなくても葉だけでわかる。小さく可愛い花を咲かせる。

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 マルバスミレ(スミレ科)

丸葉スミレ。名のようにかなり丸い葉がつくが、少し先が尖ったものもある。

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 アメリカスミレサイシン(ビオラ・ソロリア)(スミレ科)

元々輸入されたものだったが、野生化し各地で見かける。これはバス停付近で見たが、登山道に入り込むのも、そう遠い日ではないのでは。

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 アセビツツジ科)

馬酔木と書き、馬が食べると苦しむことから。その葉を煎じ殺虫剤としても使われた。

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 ヒカゲツツジツツジ科)

紫色系統が多いツツジの中で、落ち着いた品を感じた。花は径2~3cmで可愛い。

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 アケビアケビ科)

諸説あるが、果実が熟すと割れるから開け実とか。種ばかりの果実は食う所が少ないが、昔は山の恵みだったと思う。雄花と雌花がつくが、写真は雄花ばかり。

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 イワウチワ(イワウメ科)

岩団扇で葉の形から。イワカガミに似るが、花茎につける花は1つで、花も開き、横または上を向く。

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 コゴメウツギ(バラ科

小米空木で小さい白花を小米と形容したもの。

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 マメザクラ(バラ科

豆桜で、径2cm位の小さな花を下向きに咲かせる。また、富士周辺に多いので富士桜ともいう。

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 キバナツクバネウツギ(スイカズラ科)

萼片が正月の羽根つきの羽根に似ているので衝羽根空木。

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 ヤブデマリ(スイカズラ科)

藪に生えて花が丸く手毬のように付くところから。白い花は装飾花といって雄しべも雌しべもないもの。

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 ギンリョウソウ(ツツジ科)

銀竜草で、葉緑素を持たない腐生植物。別名ユウレイタケ。花弁は3~5枚が筒状にかたまっている。その中に青っぽい雌しべの先端(柱頭という)が見える。旧分類はイチヤクソウ科。

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 ササバギンラン(ラン科)

笹のような葉で、白を銀で表した名。花は大きくは開かない。

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 ヒトリシズカ(センリョウ科)

花穂が1本なのでこの名がついた。白いのは雄しべで花弁は無い。4枚の葉が輪生しているように見えるが、2枚の対生している葉の間隔が詰まったもの。

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 ヤマウツボ(ハマウツボ科)

地中にある根茎から、花穂を地上に出して小さな花をたくさんつけた状態。光合成ができないので、他に寄生する。一つの花の形が、矢を入れる靭(うつぼ)の形をしているから。

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 ミツバウツギ(ミツバウツギ科)

葉が3つにわかれて、ウツギに似た花だから。若葉は食べられるそうである。

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 ルイヨウボタン(メギ科)

花はよく見ているが、果実は初めて見た。とても不思議な形をしているので調べてみたら、やはり不思議だった。一般的には、花が咲き終わると、雌しべの子房が成長して果実になり、その中に種子ができる。しかしルイヨウボタンは花が咲き終わると子房の成長をやめるので、子房の中の2個の胚珠(後の種子)が飛び出してこの様な形になるとのこと。だからこれは果実ではなくむき出しの種子であることが分かった。

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参考に他の場所で撮った花の写真を上げた。類葉とは同じ様な葉をつけることで、葉がボタンに似ていることから。 

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北岳の花々(5)    2017.8.13~15    

北岳の花(5)

頂上手前の稜線を行く

3000mの稜線では雨、風、雪などの環境は厳しい。登山者の右側と画面の左側にハイマツが見られるが、あとは背の低い草本や木本である。冬は西風(画面右側)により東側に雪庇をつくり山を侵食していくので、東側が崖になっている。

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ゴゼンタチバナ(ミズキ科)

この花が発見された白山の最高峰は御前峰ということと、実の形が橘(たちばな)に似ていたから。4枚の白い花弁状のものは苞(ほう)といい、花を包んでいるもので、中心部にあるのが花の集まり。葉は6枚の輪生に見えるが、専門的に言うと左右のやや大きい葉が対生し、それぞれの葉のわき芽が伸びて葉になったということらしい。f:id:yamahanayama:20200524220857j:plain

 

ミヤマムラサキ(ムラサキ科

高山の岩場で、よくこんなところにと思われる場所に咲いている。

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サンカヨウ(メギ科)

山荷葉で荷葉は蓮の葉のこと。雨に濡れると花弁が透き通る。

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ミヤマイボタ(モクセイ科)

樹皮に白いイボタロウムシが寄生するイボタノキより大きく成長するらしい。一般的にはミヤマと付くと小さいのが普通。

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コアジサイアジサイ科)

アジサイに特有な装飾花(花弁の様なもの)が無い。

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アラシグサ(ユキノシタ科)

嵐草。嵐のファンは喜びそうな名だが、気象の変化のはげしい、よく荒れる高山にはえるところから。

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ウメバチソウユキノシタ科)

花の形が梅鉢の紋に似ているから。

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5枚の花弁の内側に、細く尖った5本の雄しべがあるが、さらにその間には5本の仮雄しべがあり、細かく分かれたその先端は小さな球状になっている。 

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ヤグルマソウユキノシタ科)

右側に見える葉の形が、端午の節句の時、鯉のぼりにつける矢車に似ているから。なお、園芸種にあるヤグルマソウは正式にはヤグルマギク

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クロクモソウ(ユキノシタ科)

黒雲の姿を連想したところから。

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シコタンソウ(ユキノシタ科)

千島列島の色丹島で発見されたことによる。

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 一見雄しべは5本と思うが、よく見るとその間にもあり、全部で10本。

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ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科)

花弁の形が漢字の大の文字を描くから。

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ムカゴユキノシタユキノシタ科)

零余子(むかご)をつけるから。花茎の先に花を1つつけるが、その下の赤いものはムカゴである。

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ウバユリ(ユリ科

花が咲くころには葉(歯)が落ちていることから姥百合。でも写真ではまだ、葉が残っているけど。

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タカネシュロソウ(シュロソウ科)

古い葉のさやが色、形ともにシュロの毛のようだから。

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ツバメオモト(ユリ科

燕万年青だが、葉は万年青(オモト)に似ているが、ツバメの由来は不明である。花の形を燕に例えたと勝手に想像するが、少し苦しいかなあ。

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タマガワホトトギスユリ科

黄色をヤマブキの名所、京都玉川から借りたといわれる。水気の多い沢沿いでよく見かける。

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コフタバラン(ラン科)

樹林帯の中で咲いているが、高さ15cmぐらいで色も地味なので目立たない。下部に双葉が付いている。

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キソチドリ(ラン科)

木曽千鳥で、信州木曽で取れたから。

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 だらりと下がっているのは、唇弁といわれるラン科に見られる花弁である。

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トウヤクリンドウ(リンドウ科)

当薬竜胆。当薬は薬になること、竜胆(りんどう)は根が竜の胆(きも)のように苦い薬として使われることから。

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北岳の花々(4) 2017.8.13~15

北岳の花(4)

大樺沢には大雪渓がある。万年雪を残し、周囲の環境を厳しくしている。こういう条件も他には無い植物の多様性を残す一つの要素となっていると思われる。

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 シコタンハコベナデシコ科)

色丹(しこたん)は千島列島の島の名前で、そこで採集されたことによる。

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5枚の花弁は深く2裂して10枚に見える。あれ!10枚以上ある!。

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 タカネナデシコナデシコ科)

平地のナデシコより丈が低く、花数も少ない。

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タカネビランジ(ナデシコ科) 

山の花で最も美しい(と思っている)花の一つ。八本歯の岩場に咲いていた見事な株。天気が良ければもっと綺麗に撮れた(はず)。綺麗な写真は鳳凰三山の花で見てください。なお、ビランジの意味は不明。

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 タカネマンテマ(ナデシコ科)

南アルプスだけにある稀少種。楕円形の風船のようなものは萼筒(萼片がくっつき筒状になったもの)で先端にわずかについているものが花弁。マンテマは外国から来たマンテマンの転訛といわれる。

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ミヤマミミナグサ(ナデシコ科)

葉がネズミの耳に似ているから耳菜草。花弁の先が4つに分かれているので、はたきのように見える。よく似たタカネミミナグサ(ホソバミミナグサ)は2裂、クモマミミナグサは 別れない。また、生育地も北アルプスや北海道である。

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 ミヤマハナシノブ(ハナシノブ科)

長く北岳の固有種と思われていたが、近年白馬岳の西方にある清水岳でも発見された。北海道にはカラフトハナシノブ、エゾハナシノブがある。シノブは葉がシダ植物のシノブに似ているから。

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 ミヤマキンバイバラ科

 深山金梅でキンポウゲ科のキンバイソウに似ているから。

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 キンロバイ(バラ科

金露梅で梅の様な花から。

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 オニシモツケバラ科

シモツケの仲間で一番大きいので鬼がついた。高さは1~2mにもなる。そもそもシモツケは下野と書き下野(現在の栃木県)で発見されたから。

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 シモツケソウ(バラ科

ソウ(草)とつくように草本で高さ50~60cm。雄しべが花弁より長く、飛び出している。

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 チングルマバラ科

稚児車が転訛したという。丸い花が、車状で、稚児のように可愛いいとか、風車の様な果実が子供の遊ぶ風車のようだからといわれている。

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 ミヤマダイコンソウ(バラ科

深山大根草で葉が大根の葉に似ているから。でも、ダイコンソウは似ているが、ミヤマダイコンソウになると無理があると思う。

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 タテヤマキンバイ(バラ科

立山で発見されたことによる。花弁より萼片の方が長く、目立たない。同じ金梅でもミヤマキンバイは黄色の花弁が大きい。

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 チョウノスケソウ(バラ科

長之助草で発見者の名前から。バラ科は5枚が多いが、花弁も萼片も8枚。

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 ウラジロナナカマド(バラ科

ナナカマドの中で、一番標高の高い所に生育。ちょうど葉がめくれて裏の白が見える。

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 タカネナナカマド(バラ科

前種よりもう少し標高の低い所にある。葉に艶があり、鋸歯(ギザギザ)が多い。

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 ハゴロモグサ(バラ科

羽衣草で外国での名を意訳してつけた。小さくて分かりにくいが花弁は無く、黄色は萼片の色。日本には珍しいとのこと。確かに今まで歩いた山では見かけなかった。

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 タカネバラバラ科

 北海道と本州北部の高山にはオオタカネバラがある。

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 ヤマブキショウマバラ科

形が升麻のようで、葉がヤマブキの葉に似ているから。升麻はサラシナショウマに代表される漢名。

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 タカネグンナイフウロフウロソウ科

高嶺郡内風露。郡内は山梨県にある地名で、発見地。風露の意味は不明。後方は北岳バットレス

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 イワベンケイ(ベンケイソウ科)

弁慶草とはいかにも強そうな名前だが、実際、葉が厚く水分もたっぷりあるので、折られて捨てられても根を出して生き残れるから。雌雄異株だが、写真は雄しべが目立つので雄株と思われる。

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 ミヤママンネングサ(ベンケイソウ科)

万年草も長持ちしそうな名前。同じくベンケイソウ科で葉が厚く簡単には枯れない。

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 オヤマノエンドウ(マメ科

これ以上簡単、明快な名は無い。似たものも無いので間違えることは無い。

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 イワオウギ(マメ科

岩黄耆で黄耆(おうぎ)は薬草で漢名。よく似たタイツリオウギとは果実が違う。中央右の花穂に数珠つなぎになった果実が見える。拡大は下の写真。

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シロウマオウギ(マメ科) 

花が白く、果実はさやの様な形。

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タイツリオウギ(マメ科

花は黄白色で、果実は袋状で鯛を釣り上げたように、見える。

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 釣り上げた鯛がぶら下がっている、ピンボケ写真。

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 北岳の花々(5)へ

 

北岳の花々(3)     2017.8.13~15

北岳の花(3)

早川尾根からの北岳

山頂にかかった傘雲、天気は下り坂のしるし。左側の雪渓は大樺沢左股で、稜線のくぼんだ所が八本歯のコル。

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 チシマヒョウタンボクスイカズラ科)

2つの花がくっついているので果実が瓢箪型になる。

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オオヒョウタンボクの果実。 この通りの瓢箪型。

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 タカネイブキボウフウ(セリ科)

 高嶺伊吹防風で防風は漢名から。蕾が赤みを帯びる特徴がある。

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 ミヤマゼンゴ(セリ科)

深山前葫で前葫は漢名で、ノダケの別称。ノダケってどんなもの?えーと、それはねえ…。

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 オオカサモチ(セリ科)

大傘持で傘持は中国から伝わった、今ではとても珍しい種らしい。傘持の意味は不明らしいが、私は勝手に雨傘が広がった様をイメージしている。

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ミヤマシシウド(セリ科) 

猪うどで、うどに似て強剛だからイノシシが食うのに適したウドと見たから。本家のウドはウコギ科

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オオハナウド(セリ科) 

似たものが多く分かりにくいセリ科だが、花ウドは分かりやすい。一番外側(周辺部)の花弁が深く2裂し大きい。

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ミヤマウイキョウ(セリ科) 

この種も、細かく別れた葉が糸状に見え、分かりやすい。茴香(ういきょう)は漢名からで、果実は香りが強く薬用や香味料に使われる。

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オオハクサンサイコ(セリ科)

北岳固有種。セリ科で 黄色い花は少なく、本種はホタルサイコの変種で根元から匐枝を出さないという。そこまでは見ないよな!柴胡(サイコ)は漢名で、薬用植物。

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タカネスイバ(タデ科) 

葉をかむと酸っぱいから酢葉。

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 オンタデ(タデ科

御嶽山にちなんだもので御タデ。同じもので葉裏が白いものをウラジロタデという。

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 イブキトラノオタデ科

伊吹虎の尾。説明は要らない。

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 ムカゴトラノオタデ科

花穂の下部の花が、零余子(むかご)になり、穂軸から落ちるとすぐに新苗となって繁殖する。 

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 イワヒゲ(ツツジ科)

岩から髭が生えた様だが、名前に反して小さなかわいい花を咲かす。

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 ツガザクラツツジ科)

栂に似た葉をつけ、薄いピンクの花を桜にたとえた。

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 アオノツガザクラツツジ科)

緑白色の花をアオとしたから。青りんごもアオじゃないけど同じ様なものか。

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 コケモモ(ツツジ科)

地表に広がる様を苔とし、果実を桃としたから。果実はジュースやジャムにできる。ツツジ科は花の先端が5裂するものが多いが、本種は4裂。

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 キバナシャクナゲツツジ科)

小形の小低木で、枝が斜上して花をつける。まるで鉢植えの花が咲いてるようだ。

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 ハクサンシャクナゲツツジ科)

花冠(花びらが筒状になった形)は5裂し、白いものからピンク色をしているものまである。葉は厚くて寒さに強いつくりをしている。

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 ミヤマホツツジツツジ科)

雌しべの先端がくるりと180度反転している。もう少し標高の低い所にあるホツツジは少し曲がるだけ。

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キツリフネ(ツリフネソウ科)

 花の形が帆掛け船を吊り下げたように、見えることから。水気の多い沢筋に生育。花弁の後ろが突き出しているのを距といい、蜜を貯める。この種は閉鎖花(花を開かないで種子をつくる)をつけるそうである。

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 オオヤマフスマ(ナデシコ科)

平地にノミノフスマが生育しているが、その大型であるとしたから。衾(ふすま)とは布で作った毛布の様なもので、葉を衾にたとえた。ちょっと無理なような。

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センジュガンピ(ナデシコ科)

由来が不明であるが、 一説に日光の千手ケ原(又は千手ヶ浜)で発見され、ガンピに似ているからという。

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 タカネツメクサ(ナデシコ科)

細い葉が鳥の爪に似ているから。

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 イワツメクサナデシコ科)

葉が非常に細く線形である。岩間に咲くツメクサから。

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 花弁は5枚だが、深く2裂しているので10枚に見える。ハコベの仲間(属)を学名でステルラリアというが、ステル(英語でstar)とは星のこと。星がまたたいでいるようだ。

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 北岳の花々(4)へ

北岳の花々 (2)    2017.8.13~15

  北岳の花(2)

御池小屋付近から見上げたバットレス

山頂から東に張り出す岸壁ーバットレスー。手前の草すべりは高山植物が豊富だ。

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ヒメイチゲキンポウゲ科

姫一華で名前のように、先端に1個の2cmぐらいの花をつける。白いのは萼片で、花弁は無い。ヒメ(姫)とつくものは小さく、可愛いことの形容。 

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ハクサンイチゲキンポウゲ科

こちらも一華だが、先端に数個の花をつける???。白いのは萼片で、花弁は無い。咲き終わると花柄が30cmぐらい伸びるが、エゾノハクサンイチゲは8cmぐらいしか伸びないそうである。

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ミツバオウレンキンポウゲ科

三葉黄連。下の方に三つ葉が微かに見え、黄連は漢名。白いのは萼片で、花弁は黄色い密槽になっている。中心部にはタツノオトシゴの様な雌しべが…。

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ミヤマオダマキキンポウゲ科

周りに広がっているのは萼片で、花弁は中に白く見える。上に伸びて先が丸まっているのは距といい,花弁の後方に突出し蜜をためている。苧環(おだまき)は麻糸を中が空洞になるように巻いたもの。

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ミヤマカラマツ(キンポウゲ科

白いぼんぼりは雄しべで花弁は無く、萼片は早く落ちる。雌しべは数個中心にある。雄しべの集まりが落葉松の葉の付き方を思わせる。

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シナノキンバイキンポウゲ科

信濃金梅だが、本州中部以北の山にある。黄色いのは萼片で5~7枚付く。バラ科ミヤマキンバイと混同しないようにシナノキンバイソウと表記する図鑑もある。

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 大きな5枚の萼片だが、一部が祖先の状態を思わせるような色になっている花。内部の色の濃い舌状のものが花弁で十数個ある。先に葯(花粉を入れる所)をつけたのが雄しべで数十本あり、雌しべは中心部に多数ある。

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ミヤマキンポウゲキンポウゲ科

シナノキンバイと間違う人がいるが、こちらの方が花が小さく、金属光沢をもっている。

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クサボタン(キンポウゲ科

草というが木本であり、葉が牡丹のようだから。雌雄異株(雄、雌が分かれている)で学名はクレマチス

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キタダケトリカブトキンポウゲ科北岳固有種

トリカブトの分類は難しいが、これは間違うことは無い。北岳にだけ(!!)あり、高さ約50cmぐらいで、高さに対して花が大きいので頭でっかちに見える。

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ホソバトリカブトキンポウゲ科

こちらは南アルプスによく見られる細葉鳥兜とした。

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レンゲショウマ(キンポウゲ科

蓮の花を思わせるので蓮華、升麻はサラシナショウマなどの形から。周りに広がる萼片、その内部に重なる花弁は多数。雄しべ、雌しべが少し見える。

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クガイソウ(オオバコ科)

旧分類はゴマノハグサ科。3~8枚の輪生の葉が数段につくので九蓋草、又は九階草。

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シナノヒメクワガタ(オオバコ科)

ヒメクワガタの変種で南アルプス中央アルプス北アルプス南部に分布する。ヒメクワガタの果実の先がへこむのに対し、本種はへこまない。(そのぐらいどうでもいいと思うけど)旧分類はゴマノハグサ科

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ヒメコゴメグサ(ハマウツボ科)

旧分類はゴマノハグサ科。別名コバノコゴメグサ。茎に腺毛や白毛がある。小さな白い花を小米にたとえた。

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エゾシオガマ(ハマウツボ科)

旧分類はゴマノハグサ科で、花がねじれて咲く。

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セリバシオガマ(ハマウツボ科)

一見エゾシオガマによく似ているが、葉の形が全く違う。それに、前者は稜線上の日当たりの良いところに生育するが、これは樹林帯の中に生育。

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トモエシオガマ(ハマウツボ科)

前2種と同じ様にねじれて咲くが、上から見ると巴形になっていることから。花は先端に集まって咲く。

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ヨツバシオガマ(ハマウツボ科)

4枚の葉が輪生、花が数段に付き、鳥の頭に似た上唇の先が尖る特徴。鳥の首が白いのを特にクチバシシオガマということもある。

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タカネシオガマ(ハマウツボ科)

ヨツバシオガマに似るが、上部に集まって咲き、鳥の頭のような花弁の先が尖らない。

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ミヤマシオガマ(ハマウツボ科)

花が先端に集まっていることや、葉が細かく分かれている特徴。ヨツバシオガマやタカネシオガマよりも数が少ない。

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アカイシミヤマクワガタ(オオバコ科)

旧分類はゴマノハグサ科ミヤマクワガタと同じだが、特に赤紫色になったものをいう。南アルプスで見られる。

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ミソガワソウ(シソ科)

木曽の味噌川に多くあったことからの命名。河原などの水気の多い所に生育。

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イブキジャコウソウ(シソ科)

伊吹麝香草で、全体に良い香りがする。実際に乾燥したものを薬用、香料として用いる。ハーブとして使われているミント、バジル、タイムなどもシソ科である。

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ジャコウソウ(シソ科)

こちらも麝香草で、茎葉をゆすると良い香りがするから。谷川沿いの湿った所に生育。

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コウシンヤマハッカ(シソ科)

甲信地方に多いので甲信山薄荷。こちらは薄荷の名前があるにも関わらず良い匂いはしない。大樺沢の樹林帯の中で見られる。

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 北岳の花々(3)へ

北岳の花々(1)     2017.8.13~15

北岳の花(1)

日本で一番高い山は誰でも知っている富士山。では、二番目はと問われて答えられる人はどれぐらいいるだろうか。山好きの人はともかく、一般の人では恐らく一割以下ではないだろうか。そんな不遇の山、北岳はとても魅力のある山である。

北岳山荘付近からの山頂

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まず第一はその高さ。3193mという日本第二の高峰。

第二はその姿、形

第三は植物の多さ

まだあげていけばキリがないほどあるが、植物に絞って話を進めよう。

北岳は日本有数の高山植物の宝庫であり、キタダケ○○と名が付くものが、9種(山渓ハンディ図鑑)もある。そのすべてが固有種ではないが、稀少種である。例えばキタダケソウ、キタダケトリカブト、オオハクサンサイコ(以上固有種)、キタダケナズナ、センジョウアザミ、キタダケヨモギ、アカイシミヤマクワガタ、ハハコヨモギ、タカネビランジ、タカネマンテマ、ミヤマハナシノブ(以上稀少種)等々あげられる。

 

ヤマタネツケバナ(アブラナ科

 田んぼのあぜ道に見られるタネツケバナ。その花が咲くころに種モミをまくところから来た名前。そんなイメージしかないタネツケバナ北岳山荘の近くではミヤマタネツケバナとして岩の間に咲いていた。

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イワウメ(イワウメ科)

岩の間にマットを敷いたように、身を寄せ合い生きている岩梅。寒さ、風に耐えやすい小さな体だが、れっきとした常緑低木である。

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ハクサンオミナエシオミナエシ科)

花の一部が突き出す距が見えない。あるとしてもごく短い。コキンレイカ(小金鈴花)ともいう。距が目立つのがキンレイカ

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ソバナ(キキョウ科)

ソバは急な山の道、斜面をいう。そんなところに生えるから。ナ(菜)とつくものは食べられることを意味する。ちなみに、食べるソバは種子が尖った辺を持ち、麦の代用になったので蕎麦(そばむぎ)といった。その後麦が省略されて蕎になった。

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ミヤマシャジン(キキョウ科)

ヒメシャジンと同じといわれるが、萼片に鋸歯(ギザギザ)が無いものをミヤマシャジンとしている。しかし、同じ所に両者が生育していることもある。右の花の萼片がよく見える。

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イワギキョウ(キキョウ科)

これは細い萼片に鋸歯があり、花冠に毛が無い。

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チシマギキョウ(キキョウ科)

こちらはやや広い萼片に鋸歯が無く、花冠の縁に毛がある。違いが分かったかな?

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ミヤマアキノキリンソウ(キク科)

アキノキリンソウは、花が円錐状に長くつくが、こちらは花茎の先にまとまって付く。詳しく見ると、花を囲む総苞(うろこ状のもの)に違いがあるという。

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センジョウアザミ(キク科)

アザミの分類は難しい。分布域などを考えて、稀少種のセンジョウアザミとした。

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フジアザミ(キク科)

フォッサマグナ(日本列島を東西に分ける地帯)特有の種といわれ、富士山周辺で見られる。頭花(花の集まり)の直径が5cmもある大きなアザミ。

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ミネウスユキソウ(キク科)

ウスユキソウの高山型で真ん中にある頭花(花の集まり)が少ない。が、中間形もある。白色の綿毛を葉の上に薄く積もった雪にたとえた。

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ハンゴンソウ(キク科)

反魂草は死者の魂を呼び返す意味で、薬草として使われたことから。高いものは2mぐらいにもなる。

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タカネコウリンカ(キク科)

コウリンカは長い舌状花が周りにダラッと下がるが、この高山型では、舌状花は周辺部にこじんまりと並んでいる。紅輪花で花色と形から名付けられた。

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ヤマタイミンガサ(キク科)

タイミンガサモドキと牧野図鑑にはある。大きな葉を傘に見立て、大明傘とつけたらしい。

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シラネヒゴタイ(キク科)

次に掲げるタカネヒゴタイよりも頭花が少なく、1個しか付けないものをいうらしい。葉の形も少し異なる。ヒゴタイの語源は不明。

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タカネヒゴタイ(キク科)

 頭花が2~5つくものをタカネヒゴタイとするのに従ったが同じとするものも多い。

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タカネニガナ(キク科)

高嶺苦菜で、苦いことから。ミヤマイワニガナは細い走出枝を長く伸ばして増えていく。

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ミヤマコウゾリナ(キク科)

全体に褐色の剛毛があり、ザラザラする感触をカミソリにみたてた、剃刀菜(かみそりな)から。

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マルバダケブキ(キク科)

丸葉岳蕗。見ての通り蕗の葉を思わせる大きな葉と、高さ1mを超える姿はよく目立つ。

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タカネヤハズハハコ(キク科)

全体に白色の綿毛が密生するのでタカネウスユキソウともいう。ヤハズ(矢筈)は弓の矢の切れ込みをいうが、これを使う意味がない。

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キタダケヨモギ(キク科)

全体に白色の絹毛を密生。南アルプスだけにある稀少種。

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タカネヨモギ(キク科)

ヨモギに見られる絹毛が無いが、はじめは全体に絹毛を密生するそうだ。

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 キク科の特徴である頭花(頭状花ともいう)の中に小さな花(小花)が集まっているのがわかる。

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ハハコヨモギ(キク科)

全体に灰白色の絹毛を密生している。花茎の先に10数個の頭花が集まり、1つの頭花の中にはまた何十個もの小花が集まっている。南アルプスと木曽駒が岳に生育。

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ミヤマオトコヨモギ(キク科)

これも若い時には絹毛が生えているらしい。

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