高水三山・棒ノ折れ山の花(2)
高水三山は植林された針葉樹が多く、野草はあまり多くない。が、棒ノ折れまで足を延ばすと雑木林も多く、野草も増える。また、軍畑駅から登山口までの林道でもいろいろ見られる。
棒ノ折れ山山頂付近
植林内は見るとこ無し
フタリシズカ(センリョウ科)
葉の真ん中から伸びる花穂が1本はヒトリシズカ、2本はフタリシズカ……。とはいきません。多くはそうであるけど…。この株は6本ものびていた。なお、白いのは雄しべで花弁は無い。
アセビ(ツツジ科)
馬酔木と書き、これを食った馬がフラフラするとか。昔はこの葉を煮だしてウジ殺しをつくった。
ミヤマハコベ(ナデシコ科)
湿り気の多い所に生育。花弁は5枚だが深く2裂しているので、10枚に見える。
クサイチゴ(バラ科)
草というが木本で、冬にも枯れない。花も実も大きく目立ち、実はおいしい。
コゴメウツギ(バラ科)
小米空木で、小さい白い花を小米(米粒の砕けたもの)と形容した。
ニガイチゴ(バラ科)
苦苺で果実が苦いことから。食べてみたがそれほど苦いとは感じなかった。
ヒメレンゲ(ベンケイソウ科)
なぜこの花に姫蓮華という名があるのか不思議だった。調べてみると、群れを成して平らに生えている葉の状態を蓮の花に例えた、とあった。確かに谷川の水辺や、群れて生えているが未だに????。
フジ(マメ科)
フジは吹き散るの意味だといわれている。ヤマフジと区別するときはノダフジという。
ヤマフジは花穂が短く、左手の親指方向に巻き付いて伸びていくがこれを右巻きとか左巻きとか人によって違う。
サンショウ(ミカン科)
別名ハジカミだが、山椒はハジカミラの略といわれる。ハジははぜる、カミラはニラの古名で実がはぜるとニラのように辛いから。意味は分かったが略のところがいまいち???。雌雄異株なので、雄株を植えるといつまでも実がならない。
ミヤマシキミ(ミカン科)
枝葉の様子がシキミ(シキミ科)ににているところから。サンショウの葉も良い匂いがするが、この葉も良いにおがする。雌雄異株だが、ミカン科のものは雌雄異株がとっても多い。
ミヤマシキミの果実
チドリノキ(ムクロジ科)
旧分類はカエデ科。カエデの果実には翼が付いているが、それを飛ぶ千鳥に見立てたもの。それにしてもちっともカエデの葉のようには見えない。ポイントは葉が対生で翼が付いた果実。別名山柴カエデ。
ユキノシタ(ユキノシタ科)
白い花を雪に例え、その下に葉がちらちら見える様を表現したといわれる。登山口の谷川に咲いていた。
チゴユリ(ユリ科)
稚児のように小さく可愛い百合。
クモキリソウ(ラン科)
山の上にあるから雲切草か雲散草か、花が蜘蛛に似ているからとか、諸説あって不明。
ジガバチソウとかスズムシソウとか虫の名が付くのがあるので蜘蛛説を支持。
フデリンドウ(リンドウ科)
5cm位の小さなリンドウ。花冠(筒状の花)が10裂してるように見えるが、5裂してるといい、小さいのを副裂片という。筆の穂先を思わせることから。リンドウは漢名の竜胆から。
ロウバイ(ロウバイ科)
春先に透き通った様な花弁をつけるロウバイだが、果実は全く知らなかった。初めて見たときにはそのギャップに驚いた。ロウバイは漢名の蝋梅から。朝鮮から渡ってきたが野生化したものもある。