槍ヶ岳の花(3)
南岳から夜明けの穂高連峰
キレットを超えれば穂高連峰だが、稜線上は険しい岩稜が続く。高山植物も所々の岩場の隙間に生育するが、その数も、種類も少ない。
ハクサンフウロ(フウロソウ科)
高山草原にはよく見られる白山風露だが、風露の意味は不明。
ミヤママタタビ(マタタビ科)
マタタビによく似るがより高地に生育し、果実の先が尖らない。食べると元気が出て、また旅をするという説があるが、アイヌ語のマタタムブが転訛したいう説もある。
ゴゼンタチバナ(ミズキ科)
白山で発見され、白山の最高峰は御前峰というが、そのゴゼンをつけ、果実が橘(たちばな)に似ているから。白いのは総苞で、小さい花が中心部に集まっている。
オガラバナ(ムクロジ科)
麻幹花の意味で、おがらは麻の茎を剥いだもの。材がやわらかく、おがらに似ているから。また、穂咲きカエデの名もあるが、写真のように花が穂になるのは本種だけ。既に下部は果実になっている。
クロクモソウ(ユキノシタ科)
黒雲草で花の色から。
シコタンソウ(ユキノシタ科)
色丹草で、千島の色丹島にあるから。
ダイモンジソウ(ユキノシタ科)
花弁の長さが異なり、漢字の大の文字に見えるから。
トリアシショウマ(ユキノシタ科)
鳥脚升麻で丈夫で真っ直ぐな茎を鳥の脚にたとえた。また、草の形が升麻ににているから。
ヤグルマソウ(ユキノシタ科)
葉の形が鯉のぼりの先につける矢車ににているから。左上に葉が見える。
オオウバユリ(ユリ科)
大姥百合で、花が咲くころには葉(歯)が無いから姥百合。姥百合よりも全体的に大きく、花数も多い。ウバユリは3~4個に対しオオウバユリは10~20個つけ高山や日本海側に生育。
オオバタケシマラン(ユリ科)
大葉竹縞蘭で、葉脈が竹のすじのようだから。花が1つしか映っていないが、葉ごとに1つずつ付ける。
キヌガサソウ(シュロソウ科)
衣笠草で、放射状に展開した葉を高貴な人にさしかけた衣笠に見立てた。花期はもう終わって、白い萼片は赤褐色に変色し、細い花弁は既に無い。真ん中に果実が出来ている。旧分類はユリ科。
クルマユリ(ユリ科)
車百合で葉が車状に付くことから。
タマガワホトトギス(ユリ科)
玉川杜鵑で、鮮やかな黄色を京都・玉川の山吹に見立てたもの。沢沿いなど湿った所に生育。
キソチドリ(ラン科)
木曽千鳥で花の形が飛ぶ千鳥に似ている。これが木曽で発見されたから。
コイチヨウラン(ラン科)
小一葉蘭で、下部に一枚の葉が着く。一葉蘭よりも丈も花も小さいので小が着く。
トウヤクリンドウ(リンドウ科)
当薬竜胆で、薬になる竜胆(りんどう)ということから。竜胆は漢名。
ミヤマリンドウ(リンドウ科)
深山竜胆でこれ以上説明は無し。日が当たると花が開くので、雨の日や、早朝に出発するとまだ開いていない。
ニワトコ(レンプクソウ科)
漢名として接骨木が使われるが語源は不明。この木の髄(中心部の白い柔らかい組織)に小さなものを挟み、カミソリで切ったものを顕微鏡の観察時に使う。
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