白馬岳の花(4)
白馬岳の稜線は左右非対称である。冬季の季節風は西から東(画面左から右)に吹くため、東側に雪庇をつくる。その結果、東側は大きく崩れ崖をつくる。植物もこの厳しい季節風を避けられる東側の斜面にお花畑をつくっている。
白馬鑓温泉
標高2100mにある温泉で、露天風呂があり、登山者には人気の場所であり、この温泉にだけ入るために登ってくる人もいる。大量に雪が降る場所なので、冬季には山小屋は解体される。
ハクサンフウロ(フウロソウ科)
白山風露で高山ではよく目にする。風露の意味は不明。
イワオウギ(マメ科)
岩黄耆で黄耆は漢名から。よく似たものに、白馬黄耆があるが、花はもっと白い。タイツリオウギは果実が鯛をぶら下げたような形だが、本種は平たいくびれのある形になる。手前の花はイブキジャコウソウ。
サンカヨウ(メギ科)
山荷葉で、荷葉とは漢名で蓮の葉を表し、大きな葉を蓮の葉に例えたもの。花は白く、雪解け後に咲くが、この時期にはもう果実になっている。
アラシグサ(ユキノシタ科)
嵐のファンは喜びそうな名だが、 嵐のような厳しい環境でも生育できる例えから。
クロクモソウ(ユキノシタ科)
黒雲草で、花の色を黒雲に例えたもの。
シコタンソウ(ユキノシタ科)
色丹とは千島列島にある色丹島のことで、そこで、発見されたことから。
オオバギボウシ(ユリ科)
大葉擬宝珠で、蕾がまだ固まっているときの形が擬宝珠のようだから。擬宝珠とは、橋の欄干などにある玉ねぎ状の飾り。春の葉はウルイといわれる山菜でもある。
オオバタケシマラン(ユリ科)
大葉竹縞蘭で、葉の葉脈が竹の縞のようだから。もう、果実になっているが、それをつけている茎の途中がねじれる特徴がある。丈の低いタケシマランはねじれない。
クルマユリ(ユリ科)
花の下に付く輪生状の葉が車のようだから。
タマガワホトトギス(ユリ科)
山吹の名所として京都の玉川があるが、その黄色にあやかっての名。
オノエリンドウ(リンドウ科)
尾上竜胆で、尾上(おのえ)とは峰の上という意味。花冠が4裂しているのと、5裂しているものがある。竜胆は漢名から。
シロウマリンドウ(リンドウ科)
白馬岳の固有種。高嶺竜胆ともいう。
トウヤクリンドウ(リンドウ科)
当薬竜胆で薬草として使われたから。
ミヤマアケボノソウ(リンドウ科)
標高の低いところに咲くアケボノソウは、曙の空に見られる星の模様からだが、深山曙草は曙の空とは結びつかない。