白砂山の花々2 2006.8.23-25
白砂山・野反湖の花(2)
野反湖は周囲12kmの人造湖で、その湖水は魚野川から信濃川に合流し、日本海に注いでいる。白砂山や、野反湖は太平洋側と日本海側の分水嶺になっているので、植物的にも興味がわく地域である。野反湖周辺にも高山植物も多く、山に登らなくても見る事ができる。
弁天山から野反湖を見下ろす
マイヅルソウ(キジカクシ科)
舞鶴草で、葉脈(葉の筋)が鶴が羽を広げて舞う姿を連想。夏も終わりに近づいて果実になっていた。旧分類はユリ科。
ユキザサ(キジカクシ科)
白い花が雪のように見えることから雪笹。これも果実になっていた。旧分類はユリ科。
ハクバブシ(キンポウゲ科)
トリカブトの仲間は分類が難しいので生態域で判断している。志賀高原から苗場山を経て谷川連峰にあるのはハクバブシとあった。あえて判断の目安をあげると、葉は中裂、花柄は無毛。白馬附子であるが白馬岳では見られないという。附子は狂言にも出てくる根から採った猛毒物質。
ノギラン(キンコウカ科)
芒蘭で、芒(のぎ)を持った蘭ということから。芒はイネ科の花にある針のような突起
で、そのように見えるから。ただし、芒も無いし、ラン科でもなく、旧分類はユリ科。
コマクサ(ケシ科)
花の形が駒(馬)の顔に見えるから。薬草として採集されて数が少なくなったが、最近は保護や移植されて、増えているように思える。
ヒメシロネ(シソ科)
姫白根で、白い根を持ったシロネの中で、小さく可愛いから姫が付いた。シロネは1mぐらいになるが本種は70cm以内で、山の湿地に生える。
エンレイソウ(ユリ科)
延齢草で、薬草として使われたから。葉は3枚だが、この株は1枚の葉が裂けて、4枚の葉に見えそう。これもまた果実になっていた。。
ツクバネソウ(シュロソウ科)
4枚の葉の上に4枚の蕚(3枚しか見えない)、花弁は無く、8本の雄しべがある。雌しべの子房がもう果実になっていた。衝羽根草で羽根つきに使う衝羽根に似ているから。旧分類はユリ科。
ハクサンオミナエシ(スイカズラ科)
白山女郎花で、白山にあることから。筒型の花の基部がふくれた距が付いている。旧分類はオミナエシ科。
シラネニンジン(セリ科)
白根人参で、葉の形が食用の人参に似ているから。セリ科の分類は難しいが、葉に特徴があり分かりやすい。
シシウド(セリ科)
猪独活で、猪が食べそうな強剛な様子から。
イタドリ(タデ科)
痛み取りから疼取(イタドリ)になったといわれる。これは翼が付いた果実になる。
アカモノ(ツツジ科)
赤桃が変化したといわれる。古いリンゴのような食感だが、食べられる。
コケモモ(ツツジ科)
苔のように小さい木になる桃ということから。ちょっと酸っぱいリンゴの味。
シラタマノキ(ツツジ科)
白玉の木で、写真の通り。サロメチールのような匂いと味。果実とは子房が成長したものだが、厳密に言えばこれは萼が膨らんだもので、果実では無い。とは言え、普通に言えば実(果実)だよね。
ホツツジ(ツツジ科)
雌しべの柱頭が花から飛び出して、穂になっているから。ミヤマホツツジはこれが反曲して、釣り針のようになり、もっと高所で見られる。
センジュガンピ(ナデシコ科)
千手ガンピで、日光の千手が原で発見されたから。中国産のガンピ(ナデシコ科)に似ている。
クロヅル(ニシキギ科)
黒蔓で、茎が黒いから。3枚の翼(よく)を持った果実になっていた。
ホソバコゴメグサ(ハマウツボ科)
小米草で、白い小さな花を米に例えたから。コゴメグサも色々種類があり、本種はミヤマコゴメグサの変種で、葉が細いので細葉小米草。関東北部から東北に分布。旧分類はゴマノハグサ科。
ニガイチゴ(バラ科)
苦苺で、味が苦いからの名だがそんなに苦いと感じられない。(私だけ?)
ワレモコウ(バラ科)
古くからあった木香に対して、日本(吾)の木香というものがあったが、その名前だけこの種に移ったという説や、単に本種を木香とと間違えたという説がある。また、赤い花たちが集まっている所に本種が参加したときに、吾もまた紅(吾亦紅)であると言ったとか言わなかったとか。こっちの方が面白い。
ハクサンフウロ(フウロソウ科)
白山風露で、白山で発見されたことによる。風露の意味は不明。
マツムシソウ(マツムシソウ科)
松虫草で、松虫が鳴く頃に咲くことから。
ゴゼンタチバナ(ミズキ科)
御前橘で、橘の実に似ているから。御前は白山の最高峰、御前峰にちなむ。
チダケサシ(ユキノシタ科)
乳茸刺で、チチタケというキノコをこの花茎に刺して持ち帰ったところからといわれる。
オオウバユリ(ユリ科)
大姥百合で、花が咲くころには、葉(歯)が無くなって姥になってしまうという話から。太平洋側では丈も葉も一回り小さく、花の数も少ないウバユリがある。
タケシマラン(ユリ科)
竹縞蘭で、葉の縞模様が竹のようだからといわれる。名前はランだが、ラン科では無い。
ネジバナ(ラン科)
花がねじれて付いているから。別名モジズリ。
リョウブ(リョウブ科)
令法と書き、漢名から。若葉は山菜になり、古くは救荒植物として、現在は令法飯として利用されている。
オヤマリンドウ(リンドウ科)
御山竜胆で、御山は白山のこと。竜胆は漢名。茎頂や上部の葉腋に1~7個の花を付ける。
ハクサンシャジン(リンドウ科)
白山沙參で沙參は漢名で、ツリガネニンジンの高山型。葉や花茎が輪生状につく。
ツルリンドウ(リンドウ科)
蔓状の茎を伸ばして、地面や草の上に伸びていくので。竜胆は漢名。
オオカメノキ(レンプクソウ科)
葉の形が大きな亀の甲を思わせるから。葉がよく食われるからムシカリの別名もあるがこれは怪しい説。どんな葉でも狙われている!!!