白砂山と周辺の花3
この時期の白砂山は稜線上の雪ははほとんど無かったが、樹林帯にはまだ残り、ルートがわかりずらいところや、雪を踏みぬいたりで、無雪期より時間がかかった。花もまだ、ねむりについていて種類も少なかった。ただ、その中でこの時期にしか見られない貴重なナエバキスミレに会えたのは感激だった。他の花は宿の周辺や、道路沿いの日の当たる所で見かけたもの。
アマドコロ(キジカクシ科)
トコロに似た地下茎が苦くなく、少し甘味を帯びているから甘ドコロ。トコロは野老と書き、オニドコロのことでヤマノイモに似ている。
シラネアオイ(キンポウゲ科)
湖畔の周辺の山に植栽、保護されていた。奥日光の白根山に多く、花がタチアオイに似ているから。しかし、日光の白根山にはほとんど見られなくなってしまった。
ヒメイチゲ(キンポウゲ科)
姫一華で小さく、可愛いい花一つをつけるから。尚、葉は9枚に見えるが3枚で、それぞれが3裂している。
ショウジョウバカマ(シュロソウ科)
雪解け後、最初に出てくることが多く枯れた草の間で見かける。猩々袴で、猩々は猿に似た架空の動物で、袴をはいた姿に例えたらしい。
ナエバキスミレ(スミレ科)
雪解け直後のまだ、湿った登山道の脇に咲いていた。日本海側の雪の多い所に生育するオオバキスミレの変種で、花茎が5~8cmで赤味を帯び、葉も小さい。
イワナシ(ツツジ科)
岩梨で果実が梨に似ているから。
ミヤマガマズミ(ガマズミ科)
語源ははっきりしていないが、一説にスミは染の転訛で、果実で衣類をすり染めしたことに関係ある名であろうといわれる。ガマズミより葉の先端が尾状に尖る。旧分類はスイカズラ科。