南高尾山陵の花 2
クサノオウ(ケシ科)瘡
草の黄という意味で、草が黄色の液を出すからとか、丹毒を直すから瘡(くさ)の王であるとか、また草の王という説もあり確かな定説はない。
ヤマブキソウ(ケシ科)
バラ科の山吹に似ていることから。しかし、ヤマブキは花弁が5枚。
ヤマブキソウ群落
ジロボウエンゴサク(ケシ科)
次郎坊延胡索で、延胡索はこの類の漢名。伊勢地方でスミレを太郎坊、これを次郎坊と名付け、お互いに花の距を絡ませて、引っ張り合いをして遊んだ。花冠の後方が飛び出しているところを距といい、蜜を貯める。
ミヤマキケマン(ケシ科)
深山黄華鬘で、華鬘とは仏殿の装飾に使うもの。海岸近くに生えるキケマンは全体的に大きい。
ムラサキケマン(ケシ科)
花色が紫色なので、紫華鬘。別名ヤブケマン。白い花はニリンソウ。
マムシグサ(サトイモ科)
この仲間(テンナンショウ属)は造りが変わっている。下部の茎のように見えるのは偽茎といい、本当は葉柄で、2本の葉柄が合わさって茎のようになっている。2本の葉柄と書いたが、葉も上、下2枚であり、それぞれの葉は小さな葉(小葉)に分れている。小葉とはカエデの葉の切込が深くなって5つの小葉に分かれるイメージ。蝮草であるが、偽茎面のまだら模様が蝮の模様に似ているから。この仲間は色々変化があり専門家でも見解がわかれており、我々素人には分かりずらいので、広い意味で一応マムシグサとしておく。
アオマムシグサ(サトイモ科)
青蝮草で、仏炎苞の色に基ずくが、これもマムシグサに含める見解もある。仏炎苞とは花の集まりを覆うものだが、ミズバショウの白いものと同じで、この内部に小さい花がたくさんある。雌雄異株なのだが、面白いことに栄養状態がいいと、雌株になるという。
ウラシマソウ(サトイモ科)
仏炎苞の中から出ている長い付属体が浦島太郎の釣り糸に見立てた。なお、ウラシマソウは葉が1枚。
カキドオシ(シソ科)
垣通しで、垣根を突き抜けて繁殖するから。
キランソウ(シソ科)
名前の由来は諸説あり、はっきりしないが、一説には、ランに似た紫色の花を意味する紫蘭草(しらんそう)が転訛したものとする説や、「キ」は紫の古語、「ラン」は藍色を意味するところから、紫藍色に由来するという説、茎を地面に伸ばして群生する様から、織物の金襴にみたてて「金襴草」と名付けたとする説などがある。また、葉が地面に張り付く様子から「地獄の釜の蓋」という別名もある。
ジュウニヒトエ(シソ科)
十二単で、花が重なって咲く様子を女官が着た十二単の衣装に見立てた。
ラショウモンカズラ(シソ科)
羅生門蔓で、太い花冠を京都の羅生門で、渡辺綱が切り落とした鬼女の腕になぞらえた。
ツルカノコソウ(スイカズラ科)
蔓鹿の子草で、根元から蔓枝を延ばして増えるから。鹿の子草はつぼみの色と感じが桃色のかのこ絞りに見えるからだが、本種は白色でわずかに紅色を帯びるだけ。また、根元に葉がある(根生葉という)が、鹿の子草は花期には枯れる。
コミヤマスミレ(スミレ科)
小深山菫で、他のスミレより花が一回り小さい。中央の葉脈が暗紫色を帯びる。
ツボスミレ(スミレ科)
坪菫で、坪(庭)に咲くスミレという意味。これも小さな径1cm位の花を付ける。
アメリカスミレサイシン(スミレ科)
名前のように外来種で、野生化している。地下茎が太くワサビ状で、スミレサイシンに似るのでこの名になった。スミレサイシンは日本海側には生育し、葉が、薬草の細辛に似ていることから。