滝子山の花々1 2009.5.27
滝子山の花1
滝子山はJR中央本線、初狩駅と笹子駅の北側にある、1620mの山である。(三角点は東のピークにあり1590mになっている)どちらの駅を出発点にしてもよく、バスなどに頼らなくても行ける貴重な存在である。南側の寂しょう尾根以外は岩場も無く、初心者でも登れる。(寂しょう尾根はバリエーションルート)植物は5月に行ったことで、それなりに楽しめた。
初狩駅からの滝子山(2014.12.18)
アカネ(アカネ科)
根が赤いので赤根。染料に用いられ、それで染め上げた色が、日の出前の空の色なので茜染(あかねぞめ)という。この株は真っ直ぐに立っていたが、つる性で茎にある棘をひっかけながら伸びていく。
ガクウツギ(アジサイ科)
額空木で、額はガクアジサイのことで、木の様子が空木に似ていることから。
マルバウツギ(アジサイ科)
丸葉空木で葉がウツギよりも丸い。写真ではわかりにくいが、花序(花を付ける枝)の下の葉が茎を抱く。
ヒロハコンロンソウ(アブラナ科)
広葉崑崙草。崑崙とは中国の崑崙山脈に降った雪を連想したといわれる。
ヤブレガサ(キク科)
若い葉が1本出てきたとき、まだ開かない、半分つぼめた葉の形がまさに破けた傘の形。その後、葉は大小2枚になる。
マイヅルソウ(キジカクシ科)
舞鶴草で、葉の葉脈が鶴の舞う姿に似ている。JALのマークを思いうかべるといい。
ユキザサ(キジカクシ科)
笹の上に白い雪が降りかかる姿から。
ヤマシャクヤク(キンポウゲ科)
山芍薬で、芍薬は漢名。栽培される芍薬は古い時代、中国から渡って来たが、本種は日本に自生しているもの。図鑑では知っていたが、実物に出会うと感動する。
クリンソウ(サクラソウ科)
九輪草で、輪生する花が多層に付くことを九輪と表した。水がある湿地に咲くが、頂上近くの鎮西が池のほとりに咲いていた。
マムシグサ(サトイモ科)
このような仏炎苞(花の周りを取り囲む物)を持つ仲間をテンナンショウ(天南星)属というが、極めて分類が難しい属である。変異が多く、専門家でも色々な見解がある。一応マムシグサとしたが、茎の模様が蝮の模様に似ていることから。仏炎苞も紫色から緑色のものまで様々な変異がある。
アオマムシグサ(サトイモ科)
これもマムシグサの一変種でマムシ模様が見られないもので、アオマムシグサとしたが、自信が無い。マムシグサと同じとした図鑑もある。
ラショウモンカズラ(シソ科)
羅生門蔓で、京都の羅生門で渡辺綱が切り落とした鬼女の腕になぞらえた。カズラは茎が地上を這うことから。
キバナウツギ(スイカズラ科)
黄花空木で、花色が黄色いウツギということから。
ベニバナノツクバネウツギ(スイカズラ科)
紅花の衝羽根空木で、5裂した萼片が羽根つきの羽根に似ていることから。学名はアベリアで、街中の生垣に植えられているピンク色のアベリア(ハナゾノツクバネウツギ)と同じ仲間。
エゾノタチツボスミレ(スミレ科)
蝦夷の立坪菫だが、北海道に限らず、本州中部以北で見られる。
タチツボスミレ(スミレ科)
立坪菫で、坪は庭のことで、全国各地に見られる。スミレの季節には必ずといっていいほど目にする。