yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

城峰山の花々  2020.3.26

城峰山の花

城峰山は秩父地方にある1038mの山である。山頂近くまで車道があり、展望だけなら20分ぐらいで山頂に行ける。頂上には更に展望台があり、360度の景色を楽しむことができる。樹林帯の中を歩くコースなので花は残念ながら多くはなかった。ここの写真はほとんど下部の林道から集落の道沿いで見られた物である。

山頂の展望台

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城峰山山頂

山頂からの浅間山(中央奥)と西御荷鉾山と東御荷鉾山(手前)

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御荷鉾山と浅間山

イヌナズナアブラナ科

ナズナナズナに似ているが役立たないので犬をつけた。本物では無いものとか、似ているがそれ以下のものに、イヌを付けられたものがあるが、イヌビエとか、イヌハッカとか、その例である。

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イヌナズナ

タネツケバナアブラナ科

種漬け花で、種籾を水に漬ける頃に咲くことから。種籾は水に漬けると発芽し、ある程度伸びた稲を田に植える。

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タネツケバナ

フキ(キク科)

蕗の字があてられるが、語源は不明。地面から出たばかりのツボミはいわゆる蕗のとうだが、この写真のように伸びたら食用にならない。また、葉の茎(正確には葉柄)もおいしい山菜になる。

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フキ

フクジュソウキンポウゲ科

福寿草で、正月に飾るのでおめでたい名をつけた。

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フクジュソウ

アブラチャン(クスノキ科

油チャンで、チャンとは瀝青のことで、自然界にある油性分のこと。更に油を付けて強調した名。よく燃えるので遭難した時には利用できるかもしれない。

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アブラチャン

ミヤマキケマン(ケシ科)

深山黄華鬘。華鬘は仏殿などに飾るもので、形が似ていることから。キケマンはもっと大きく海岸近くに生育している。

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ミヤマキケマン

カキドオシ(シソ科)

垣通しで垣根を通り越して伸びていくことから。

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カキドオシ

エイザンスミレ(スミレ科)

叡山スミレで、叡山は比叡山のこと。花色は白や赤紫色まである。葉が細かく分かれていればまずはこれ。ヒゴスミレも細かく分かれているが、めったに見られない。

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エイザンスミレ

コスミレ(スミレ科)

小スミレだが、特に小さい訳ではなくこの前後の種類と同じ位。

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コスミレ

ノジスミレ(スミレ科)

野路スミレで字の如く道端に咲くことから。スミレより色が薄く、毛が多い。

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ノジスミレ

シデコブシモクレン科)

幣拳で、幣はしめ縄などに付ける紙や布のことで四手とも書く。花弁が細長く四手のようだから。拳はツボミの形が握りこぶしに似ているから。野生ではないが、民家の際に咲いて春の雰囲気にあっていた。

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シデコブシ

モクレン科は原始的な植物で、雄しべや雌しべの数が多い。中心に雌しべを付けたかたまりがあるが、裸子植物松ぼっくりに似ている。その周りに多くの雄しべが取り囲み縁から花粉を出している。

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シデコブシ

ニワトコ(レンプクソウ科)

接骨木と書かれるが意味は不明。接写しているので花は大きく見えるが、3~ 4mmぐらいである。髄が太いので切れ込みを入れ、その間に葉などを挟んでカミソリで薄く切ると、顕微鏡で観察出来る様になる。旧分類はスイカズラ科。

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ニワトコ

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恵那山の花々 2007.8.17

恵那山の花

標高2190.3m の山であるが、どこに山頂があるのか分からない様な平らな山頂部で、最高点は2191mである。以前は日帰りでは厳しい山であったが、2001年に開かれた広河原コースは最短時間の往復7時間で可能になった。私もこのコースを利用したが、ほとんど樹林帯で、花を見るコースとしては満足できない山行であった。

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恵那山山頂

タマアジサイアジサイ科)

あじさいで、写真のように花が開く前の蕾のかたまりが玉になっているから。旧分類はユキノシタ科。

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タマアジサイ

ヤマアジサイアジサイ科)

あじさいで、山にあるアジサイから。アジは集まるという意味で、サイは真(さ)藍

が約されたもので、青い花がかたまって咲く様子から。

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ヤマアジサイ

ヤマホタルブクロ(キキョウ科)

山蛍袋で、花の中に蛍を入れて遊ぶことから。ホタルブクロは萼の上に反曲するふちがあることで見分ける。

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ヤマホタルブクロ

ヒヨドリバナ(キク科)

ヒヨドリが鳴く頃に咲くことで鵯(ヒヨドリ)花。

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ヒヨドリバナ

イケマ(キョウチクトウ科

イケマはアイヌ語で巨大なる根という意味。馬の薬になるので生馬という説もあるが、根に毒があると言われ、間違いだという。写真の花は良い見本ではなく、もっとぼんぼりのように沢山花を付ける。

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イケマ

クサボタン(キンポウゲ科

葉が牡丹の様で、草の様だから。しかし、本当は木本で、草ではない。学名はクレマチス

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クサボタン

コボタンズル(キンポウゲ科

小牡丹蔓で、葉が牡丹の様で蔓状に生育するから。正面の葉は3方向にそれぞれ3枚の葉をつけて9枚のようだが、これで1枚の葉である。このような形を2回3出複葉というが、小が付かないボタンズルは葉が写真のように3つずつに分かれなく、3枚の葉の様に分かれる。

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コボタンヅル

バイケイソウ(シュロソウ科)

梅蕙草で、花が梅のようで、蕙草は漢名の蕙蘭の葉に似ていることから。有毒植物である。旧分類はユリ科

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バイケイソウ

セリバシオガマ(ハマウツボ科)

芹葉塩釜で、葉がセリの葉に似ているシオガマ。シオガマは海水を煮つめて、塩を造る釜だが、浜(葉ま)で美しいからとの付いたとか、いわれるが、…。旧分類はゴマノハグサ科

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セリバシオガマ

オオイタドリ(タデ科

大疼取で、痛み取りからとの説がある。イタドリより葉も丈も大きく、2m以上も大きくなる。

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オオイタドリ

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

吊船草で、船がぶら下がっているような形から。

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ツリフネソウ

キツリフネ(ツリフネソウ科)

黄吊船で、色と形から。前種のツリフネソウより標高が高い所で見られる。

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キツリフネ

ヤマホロシ(ナス科)

山ホロシで、ホロシの意味は不明だが、一説には山を滅ぼすくらい繁殖するからというものがある。

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ヤマホロシ

ゲンノショウコフウロソウ科

腹下りの薬草として使われており、葉を乾燥させて煎じると、良く効くので、現の証拠。

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ゲンノショウコ

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荒島岳の花々2 2007.8.9

荒島岳の花2

荒島岳が「深田百名山」に入った理由を荒島岳1で述べたように、深田久弥が故郷の山を入れたかったからで、選ぶ基準は百人百様であろう。実際、書店の山コーナーには「私の百名山」だとか「○○が選んだ百名山」などの本が並ぶ。私が選ぶなら、スケール、高さ、形、花の多さ等が基準になるだろうか。深田百名山の90%ぐらいは多分一致するだろうが、夕張岳、芦別岳、暑寒別岳、ニペソツ山等は是非入れたいと思う。

山頂からの越前大野

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頂上からの展望

アブラチャン(クスノキ科

チャンは瀝青のことで自然界に産する油性分のこと。この果実や樹皮に油が多くてよく燃えるので、更に油を併せたものらしい。匂いもいい。

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アブラチャン

クルマバナ(シソ科)

車花で、花が輪生することから。

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クルマバナ

シシウド(セリ科)

猪ウドで、ウドに似て強剛だからイノシシが食うのに適したウドとみなした。食用のウドはウコギ科

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シシウド

ツツジツツジ科)

ツツジで、花穂が穂のように出ていることから。ミヤマホツツジは突き出した雌しべが釣り針のように反曲する。

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ツツジ

キンミズヒキバラ科

金水引で,細長い黄色の花穂を金色の水引に例えたもの。

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キンミズヒキ

シモツケソウ(バラ科

下野(しもつけ)は栃木県のことで、発見された場所から。ただし、本種は木本ではなく草本なので下野草となった。頂上付近には大きな群落があった。

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シモツケソウ

ナワシロイチゴバラ科

苗代苺で、苗代のころ実が熟すからということだが、もう8月になっている。

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ナワシロイチゴ

ゲンノショウコフウロソウ科

この葉を乾かして煎じると腹下りの薬草として使え、飲むとすぐに効果が現れるから、現の証拠。紅紫色や淡紅色の花も見られる。

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ゲンノショウコ

ヤマハギマメ科

ハギは生え芽(き)という意味で、古い株から芽を出すことから。普通ハギというとこのヤマハギのこと。萩は日本字で、秋に花がさくのでハギと読ませたが、中国の萩は全く別の意味の字らしい。

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ヤマハギ

オニドコロ(ヤマノイモ科)

このひげ根を老人の髭に例え、山に生えるというので野老(ところ)と書いた。オニをつけない図鑑もある。雌雄異株で、咲いてるのは雄花なので、雄株。

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オニドコロ

キクバドコロ(ヤマノイモ科)

 菊葉ドコロで葉の分裂する形から。よく似たカエデドコロは中央裂片以外は尖らない。残念ながら花はよく見えなかった。

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キクバドコロ

ヤマジノホトトギスユリ科

山路の杜鵑で山路で見られることから。よく似たヤマホトトギスは花被片(花弁と萼片)が強く反り返って下を向く。花被片の斑点を鳥のホトトギスの胸にある斑点になぞらえた。

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ヤマジノホトトギス

オオウバユリ(ユリ科

 大姥百合で花が咲くころには葉(歯)が無くなる姥に例えた。太平洋側には丈も花数も少ないウバユリが生育する。

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オオウバユリ

ナルコユリ(キジカクシ科)

鳴子百合で、花が並んで下垂する状態を田んぼの鳴子に例えたもの。旧分類はユリ科

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ナルコユリ













 

 

荒島岳の花々1 2007.8.9

荒島岳の花1

荒島岳は1523mの極普通の山である。では、なぜ百名山なのかというと、深田久弥が選んだ中の一つであるということ。本人が書いているように、自分の故郷の山を入れたかったということだった。日本百名山と言うと日本を代表する客観的な百の名山を思い浮かべるが、そういうものではない。あくまでも「深田久弥百名山」である。それが思い違いされて日本の代表として扱われるようになってしまった。私も踊らされた一人として行ってみたが、最初に述べたように極普通の山で、何の感激も無かった。

花も特に多いということもなく、普通の山であった。

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荒島岳

ミズタマソウ(アカバナ科

水玉草で白い毛のある球形の子房を露がかかった水玉に例えたもの。よく似たウシタキソウは葉の付け根が赤くならず、葉も心臓形(葉の基部が凹む)になる。

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ミズタマソウ

タマアジサイアジサイ科)

あじさいで、蕾の時に花全体が球状の塊になっていることから。「あじ」は「あつ」で集まること、さいは真「さ」の藍の約されたもので、青い花がかたまって咲く様子から名付けられたという。分かった様な、分からない様な…。アジサイ属は旧分類ではユキノシタ科。

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タマアジサイ

ヤマアジサイアジサイ科)

山に咲くあじさいで、葉は薄く、先端が尾状に尖る。4枚の花弁に見えるのは萼片で、装飾花といわれ、雌しべ、雄しべは無かったり不完全な花である。はじめ、ヤマアジサイとは思えなかったが萼片の色は白青色や紅色を帯びるものもあるとのことで、一応ヤマアジサイにした。

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ヤマアジサイ

ノリウツギアジサイ科)

幹の内皮で製紙用の糊をつくるから糊空木。北海道ではサビタという。

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ノリウツギ

クガイソウ(オオバコ科)

 九蓋草、または九階草で、層をなしてつく輪生葉にもとずいた名で、別名トラノオ。旧分類はゴマノハグサ科

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クガイソウ

ミヤマガマズミ(ガマズミ科)

語源は不明であるが、スミは染の転訛で、果実で衣類をすり染めしたことと関係したであろうという説がある。旧分類はスイカズラ科。

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ミヤマガマズミ

カヤ(イチイ科)

古くはカヘといったらしいが語源は不明。裸子植物なので、花は松や杉のように目立たない。この写真を実(果実が正式)と言いたいところだが、裸子植物には果実が無く、種子がむき出しになる。よってこれは種子であり、また食べられるようだ。

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カヤ

ソバナ(キキョウ科)

蕎麦菜で軟らかな葉に基づくとも、岨菜で、岨は山の斜面(そばの地)のことでそこに生ずるからとも言われる。菜は食べられることを意味する。

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ソバナ

ツリガネニンジン(キキョウ科)

釣鐘人参で、花の形が釣鐘で、白く太い根を朝鮮人参に例えた。花や葉が輪生状に付く特徴がある。

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ツリガネニンジン

モミジハグマ(キク科)

紅葉羽熊で、葉がもみじ型で花がヤクの毛で作った飾り(羽熊)に似ているから。

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モミジハグマ

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モミジハグマ

ノブキ(キク科)

 野蕗で野にある蕗。山渓ハンドブックにはフキをノブキ(栽培ではない野生のフキという意味で)と記載があり、紛らわしい。フキやツワブキとは別種で、ノブキという種である。山菜の本には若苗などを食用にするとの記載もある。

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ノブキ

ヒヨドリバナ(キク科)

ヒヨドリが鳴く頃に咲くので鵯花。葉が4枚以上輪生していればヨツバヒヨドリ

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ヒヨドリバナ

オオバギボウシ(キジカクシ科)

大葉擬宝珠で、擬宝珠は橋の欄干などに付ける玉ねぎのような飾り。花が開く前のかたまりが丁度タマネギのような形になっている。山菜のウルイはこの葉のこと。

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オオバギボウシ

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茅が岳の花々2  2006.5.5

茅ヶが岳の花2

茅ヶ岳山頂からの金ヶ岳(1764m)

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金ヶ岳

ヒトリシズカ(センリョウ科)

一本だったら一人静だが、こんなに密集していたら群れ静だね。白いのは雄しべで萼片、花弁は無く、雄しべの元に雌しべ、子房がある。

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ヒトリシズカ

ミツバツツジツツジ科)

葉がまだ出てないが、出ると3枚の葉を付けるので三つ葉ツツジ。雄しべが5本だが、よく似たトウゴクミツバツツジは10本。

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ミツバツツジ

ナツトウダイ(トウダイグサ科

夏に生えるトウダイグサなので夏燈台。燈台は昔のあかりに使った燈架のこと。

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ナツトウダイ

ハシリドコロ(ナス科)

地下茎がオニドコロに似て、猛毒があり、食べると走り回って、苦しむことから。その地下茎をロートコンといい、鎮痛薬や眼薬にする。ロート製薬の名はこれに由来する。

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ハシリドコロ

ヤマハコベ(ナデシコ科)

深山繁縷で、繁縷(はこべ)は、はこべらの事と言われるが由来は,はっきりしない。一説にはびこるからという。花弁は10枚に見えるが、1枚が2裂しているので実際は5枚。

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ヤマハコベ

ヒゲネワチガイソウ(ナデシコ科)

髭根輪違草で、根が髭状になっている輪違草。昔、名がわからない物を2つの輪を少しずらした輪違印をつけた鉢に植えて置いたところから、それが輪違草となってしまったという。ワチガイソウより葉が細く、花弁も5~7枚。

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ヒゲネワチガイソウ

ワダソウ(ナデシコ科)

和田草で、長野県和田峠に多く生えることから。花弁の先が少し凹む。

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ワダソウ

キジムシロ(バラ科

地面に広がったところを、キジの座るむしろになぞらえた。

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キジムシロ

クサボケ(バラ科

木瓜で、ボケに似て小型の低木なのでクサと名付けられた。

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クサボケ

モミジイチゴバラ科

紅葉苺で葉がカエデ(もみじ)の葉に似ているから。花は下向きに咲き、黄色い果実はおいしい。

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モミジイチゴ

ヤマザクラバラ科

ソメイヨシノとは違い花と葉を同時に付ける。

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ヤマザクラ

カラマツ(マツ科)

唐松で、葉の状態が絵に描く唐松風であるからという。また、松の中で唯一落葉するので、落葉松とも書く。写真の中で茶色の塊が点々と付いているのが、雄花の集まりで、雌花は房のような葉の中に付くが、この写真では見当たらない。

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カラマツ

イカリソウ(メギ科)

錨草で、船の錨に似ていることから。四方に細長く突き出しているのは、花弁の一部が伸びたもので距といい、蜜をためる。

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イカリソウ

コガネネコノメソウ(ユキノシタ科)

黄金色の花を付けるネコノメソウ。猫の目草は果実の裂け目が、猫の昼間の目のように、細長くなることから。

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コガネネコノメ

フデリンドウ(リンドウ科)

筆竜胆で、茎頂に付く花の状態が筆の穂先を思わせることから。竜胆は漢名。

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フデリンドウ

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茅が岳の花々1 2006.5.5

茅が岳の花1

中央本線甲府を過ぎてから、北側の車窓にいくつものピークを持った山が見えてくる。中央に最高峰の赤岳、左に権現岳……。あれ!ちょっとスケールが小さい…。そう、八ヶ岳によく似た茅が岳で、よくニセ八ツといわれる。また、日本百名山の著者の深田久弥が登山中に亡くなった(1971.3.21)山としても知られている。登山道も特別困難な所もなく、日帰りのコースとして楽しめる山である。

見られる花も特に多いということもないが、春にはそれなりに咲いていた。

ニセ八ツといわれる茅が岳

(太刀岡山より)2020.12.5

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茅が岳

深田久弥終焉の地

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深田久弥終焉の地

アケビアケビ科)

果実が熟すと裂けて白い肉を現すから開け実で、アケビになったという。右下に萼片がピンク色で太い雌しべがあるのが雌花。その他の白い萼片で、バナナのような雄しべがあるのが雄花。共に花弁は無い。  

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アケビ

ヤマハタザオ(アブラナ科

茎が真っ直ぐ伸びて、先端に花を付けるので旗竿。

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ヤマハタザオ

センボンヤリ(キク科)

秋に花が開かない閉鎖花を付けるが、それが林立する様子を槍に例えたもの。

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センボンヤリ

ニリンソウキンポウゲ科

 二輪草で茎頂に2つの花を付けるから。同時に咲くとは限らず、花茎の元にはもう一つの蕾が付いている。

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ニリンソウ

アブラチャン(クスノキ科

チャンとは瀝青のことで、瀝青とは自然に産する油性分。この木の果実や樹皮に油性分が多いので、更に油をつけた。

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アブラチャン

ムラサキケマン(ケシ科)

華鬘(けまん)は仏殿などに飾る装飾品で、花の形が華鬘に似ていることから。ヤブケマンともいう。

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ムラサキケマン

ユキヤブケマン(ケシ科)

雪藪華鬘、ムラサキケマンの白花株で初めて見た。花弁の先だけが紫色をしたシロヤブケマンというのはもう少し見かける。

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ユキヤブケマン

ミヤマキケマン(ケシ科)

山にあり、花色が黄色いので深山黄華鬘。ミヤマが付かないキケマンは海岸近くに多く、全体に大きい。

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ミヤマキケマン

ヤマエンゴサク(ケシ科)

山延胡索で、延胡索はこの種の漢名。花弁の後方に延びている物を距といい、蜜をためるが前3種にも共通してある。

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ヤマエンゴサク

ワラビ(コバノイシカグマ科)

 花の咲かないシダは興味がないが、このシダは食べられるので、知っていて損はない。いざという時に食料になるが、アクが強くそのままでは食べられない。水でよく煮て食べてみたがひどい目にあった。木灰などのあく抜きと一緒に煮て、充分水に晒さないとダメです。

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ワラビ

マムシグササトイモ科)

茎がマムシのような色とガラなので蝮草。花茎を包むものを仏炎苞といい、サトイモ科に特有なもので、水芭蕉の白い仏炎苞は特徴的。マムシグサは変異が多く、難しい種で、普通は仏炎苞も黒紫色だが、緑色もあるというので一応マムシグサにしておく。

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マムシグサ

ミヤマエンレイソウ(シュロソウ科)

深山延齢草で、薬草として使われたことから。シロバナエンレイソウとも言われる。花弁が無く、萼片が黒紫色の延齢草の方が多く見かける。旧分類はユリ科

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ミヤマエンレイソウ

サクラスミレ(スミレ科)

桜菫で、色が桜色で花弁も大きい。花弁の先が少し凹んで桜の花弁を思わせるような物も多い。

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サクラスミレ

タチツボスミレ(スミレ科)

立坪菫で上方に茎を伸ばし、坪(庭)に咲くから。一番目にする菫である。

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タチツボスミレ

ヒナスミレ(スミレ科)

雛菫で、小さく、愛らしいことから。葉の元が大きく湾曲した形が特徴的。

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ヒナスミレ

マルバスミレ(スミレ科)

丸葉菫で葉の形から。

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マルバスミレ

 

滝子山の花々2 2009.5.27

滝子山の花2

 滝子山には北からの縦走コースもある。大菩薩嶺から南に続く尾根はこの滝子山まで延びている。一日では無理だが、中間の湯ノ沢峠には避難小屋とトイレ、水場もあり、車も入れる。

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滝子山頂上

フタリシズカ(センリョウ科)

二人静で、静御前の幽霊が二人となって踊っている様子から。4枚の葉が輪生してるようにも見えるが、よく見ると対生した葉が詰まっている。一人静も同じ形だがもっと間が詰まっており、ほとんど輪生に見えるので、花が無い時の区別点になる。

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フタリシズカ

 花には萼片も花弁も無く、白い3つに分かれた雄しべが丸くなって、子房を抱いている。

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フタリシズカ

クリンユキフデ(タデ科

 九輪雪筆で、葉が茎に層をなして生えるので九輪(九層)、白い花穂を雪筆としたらしい。

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クリンユキフデ

ギンリョウソウ(ツツジ科)

銀竜草で、白い鱗片葉に包まれた体全体を竜にみたてたもの。葉緑素がないので、光合成ができず、地中から栄養分を吸収するので、別名ユウレイタケ。中心に徳利のような雌しべとその周りに10本の雄しべが見える。旧分類はイチヤクソウ科。

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ギンリョウソウ

トウゴクミツバツツジツツジ科)

東国三つ葉躑躅で、関東に多いので東国、葉を3枚付けることから。雄しべが10本あるがよく似たミツバツツジは5本。

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トウゴクミツバツツジ

ヤマツツジツツジ科)

躑躅で、山にあるツツジで、躑躅は漢名から。

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ヤマツツジ

コゴメウツギ(バラ科

小米空木で、小さい白い花を小米(米粒の砕けたもの)と形容したもの。

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コゴメウツギ

ツルキンバイ(バラ科

蔓金梅で、ほふく枝出して伸びるから。

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ツルキンバイ

モミジイチゴバラ科

紅葉苺で、葉が紅葉(カエデ)の形から。黄色い果実は美味しいが、棘に気を付けよう。

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モミジイチゴ

タチカメバソウ(ムラサキ科

立亀葉草で、葉が亀の甲形で直立することから。少し湿った所に生える。

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タチカメバソウ

ルイヨウボタン(メギ科)

類葉牡丹で、葉が牡丹の葉に似ているから。類葉とは同じ様な葉という意味。

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ルイヨウボタン

ルイヨウボタンの花

大きく広がっているのは萼片で、花弁は小さい。更にその中には6本の雄しべ、1本の雌しべがある。

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ルイヨウボタン

チゴユリユリ科

稚児百合で、小さな花を稚児と表した。

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チゴユリ

ササバギンラン(ラン科)

葉が笹の様で白を銀と表した。花の下に付く葉(苞葉)が花穂よりも長い特徴があり、(写真では斜めに折れ曲がっている)丈は50~60cmぐらいあるがギンランは30cm以下で苞葉も花より短いので、区別がつく。

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ササバギンラン

ニワトコ(レンプクソウ科)

語源は不明。木の髄(中心部の白い中身)が太いので、顕微鏡で観察するものをはさんで切るのに使う。

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ニワトコ

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