城峰山の花
城峰山は秩父地方にある1038mの山である。山頂近くまで車道があり、展望だけなら20分ぐらいで山頂に行ける。頂上には更に展望台があり、360度の景色を楽しむことができる。樹林帯の中を歩くコースなので花は残念ながら多くはなかった。ここの写真はほとんど下部の林道から集落の道沿いで見られた物である。
山頂の展望台
山頂からの浅間山(中央奥)と西御荷鉾山と東御荷鉾山(手前)
イヌナズナ(アブラナ科)
犬ナズナでナズナに似ているが役立たないので犬をつけた。本物では無いものとか、似ているがそれ以下のものに、イヌを付けられたものがあるが、イヌビエとか、イヌハッカとか、その例である。
タネツケバナ(アブラナ科)
種漬け花で、種籾を水に漬ける頃に咲くことから。種籾は水に漬けると発芽し、ある程度伸びた稲を田に植える。
フキ(キク科)
蕗の字があてられるが、語源は不明。地面から出たばかりのツボミはいわゆる蕗のとうだが、この写真のように伸びたら食用にならない。また、葉の茎(正確には葉柄)もおいしい山菜になる。
フクジュソウ(キンポウゲ科)
福寿草で、正月に飾るのでおめでたい名をつけた。
アブラチャン(クスノキ科)
油チャンで、チャンとは瀝青のことで、自然界にある油性分のこと。更に油を付けて強調した名。よく燃えるので遭難した時には利用できるかもしれない。
ミヤマキケマン(ケシ科)
深山黄華鬘。華鬘は仏殿などに飾るもので、形が似ていることから。キケマンはもっと大きく海岸近くに生育している。
カキドオシ(シソ科)
垣通しで垣根を通り越して伸びていくことから。
エイザンスミレ(スミレ科)
叡山スミレで、叡山は比叡山のこと。花色は白や赤紫色まである。葉が細かく分かれていればまずはこれ。ヒゴスミレも細かく分かれているが、めったに見られない。
コスミレ(スミレ科)
小スミレだが、特に小さい訳ではなくこの前後の種類と同じ位。
ノジスミレ(スミレ科)
野路スミレで字の如く道端に咲くことから。スミレより色が薄く、毛が多い。
シデコブシ(モクレン科)
幣拳で、幣はしめ縄などに付ける紙や布のことで四手とも書く。花弁が細長く四手のようだから。拳はツボミの形が握りこぶしに似ているから。野生ではないが、民家の際に咲いて春の雰囲気にあっていた。
モクレン科は原始的な植物で、雄しべや雌しべの数が多い。中心に雌しべを付けたかたまりがあるが、裸子植物の松ぼっくりに似ている。その周りに多くの雄しべが取り囲み縁から花粉を出している。
ニワトコ(レンプクソウ科)
接骨木と書かれるが意味は不明。接写しているので花は大きく見えるが、3~ 4mmぐらいである。髄が太いので切れ込みを入れ、その間に葉などを挟んでカミソリで薄く切ると、顕微鏡で観察出来る様になる。旧分類はスイカズラ科。