荒島岳の花2
荒島岳が「深田百名山」に入った理由を荒島岳1で述べたように、深田久弥が故郷の山を入れたかったからで、選ぶ基準は百人百様であろう。実際、書店の山コーナーには「私の百名山」だとか「○○が選んだ百名山」などの本が並ぶ。私が選ぶなら、スケール、高さ、形、花の多さ等が基準になるだろうか。深田百名山の90%ぐらいは多分一致するだろうが、夕張岳、芦別岳、暑寒別岳、ニペソツ山等は是非入れたいと思う。
山頂からの越前大野市
アブラチャン(クスノキ科)
チャンは瀝青のことで自然界に産する油性分のこと。この果実や樹皮に油が多くてよく燃えるので、更に油を併せたものらしい。匂いもいい。
クルマバナ(シソ科)
車花で、花が輪生することから。
シシウド(セリ科)
猪ウドで、ウドに似て強剛だからイノシシが食うのに適したウドとみなした。食用のウドはウコギ科。
ホツツジ(ツツジ科)
穂ツツジで、花穂が穂のように出ていることから。ミヤマホツツジは突き出した雌しべが釣り針のように反曲する。
キンミズヒキ(バラ科)
金水引で,細長い黄色の花穂を金色の水引に例えたもの。
シモツケソウ(バラ科)
下野(しもつけ)は栃木県のことで、発見された場所から。ただし、本種は木本ではなく草本なので下野草となった。頂上付近には大きな群落があった。
ナワシロイチゴ(バラ科)
苗代苺で、苗代のころ実が熟すからということだが、もう8月になっている。
ゲンノショウコ(フウロソウ科)
この葉を乾かして煎じると腹下りの薬草として使え、飲むとすぐに効果が現れるから、現の証拠。紅紫色や淡紅色の花も見られる。
ヤマハギ(マメ科)
ハギは生え芽(き)という意味で、古い株から芽を出すことから。普通ハギというとこのヤマハギのこと。萩は日本字で、秋に花がさくのでハギと読ませたが、中国の萩は全く別の意味の字らしい。
オニドコロ(ヤマノイモ科)
このひげ根を老人の髭に例え、山に生えるというので野老(ところ)と書いた。オニをつけない図鑑もある。雌雄異株で、咲いてるのは雄花なので、雄株。
キクバドコロ(ヤマノイモ科)
菊葉ドコロで葉の分裂する形から。よく似たカエデドコロは中央裂片以外は尖らない。残念ながら花はよく見えなかった。
ヤマジノホトトギス(ユリ科)
山路の杜鵑で山路で見られることから。よく似たヤマホトトギスは花被片(花弁と萼片)が強く反り返って下を向く。花被片の斑点を鳥のホトトギスの胸にある斑点になぞらえた。
オオウバユリ(ユリ科)
大姥百合で花が咲くころには葉(歯)が無くなる姥に例えた。太平洋側には丈も花数も少ないウバユリが生育する。
ナルコユリ(キジカクシ科)
鳴子百合で、花が並んで下垂する状態を田んぼの鳴子に例えたもの。旧分類はユリ科。