yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

茅が岳の花々2  2006.5.5

茅ヶが岳の花2

茅ヶ岳山頂からの金ヶ岳(1764m)

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金ヶ岳

ヒトリシズカ(センリョウ科)

一本だったら一人静だが、こんなに密集していたら群れ静だね。白いのは雄しべで萼片、花弁は無く、雄しべの元に雌しべ、子房がある。

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ヒトリシズカ

ミツバツツジツツジ科)

葉がまだ出てないが、出ると3枚の葉を付けるので三つ葉ツツジ。雄しべが5本だが、よく似たトウゴクミツバツツジは10本。

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ミツバツツジ

ナツトウダイ(トウダイグサ科

夏に生えるトウダイグサなので夏燈台。燈台は昔のあかりに使った燈架のこと。

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ナツトウダイ

ハシリドコロ(ナス科)

地下茎がオニドコロに似て、猛毒があり、食べると走り回って、苦しむことから。その地下茎をロートコンといい、鎮痛薬や眼薬にする。ロート製薬の名はこれに由来する。

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ハシリドコロ

ヤマハコベ(ナデシコ科)

深山繁縷で、繁縷(はこべ)は、はこべらの事と言われるが由来は,はっきりしない。一説にはびこるからという。花弁は10枚に見えるが、1枚が2裂しているので実際は5枚。

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ヤマハコベ

ヒゲネワチガイソウ(ナデシコ科)

髭根輪違草で、根が髭状になっている輪違草。昔、名がわからない物を2つの輪を少しずらした輪違印をつけた鉢に植えて置いたところから、それが輪違草となってしまったという。ワチガイソウより葉が細く、花弁も5~7枚。

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ヒゲネワチガイソウ

ワダソウ(ナデシコ科)

和田草で、長野県和田峠に多く生えることから。花弁の先が少し凹む。

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ワダソウ

キジムシロ(バラ科

地面に広がったところを、キジの座るむしろになぞらえた。

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キジムシロ

クサボケ(バラ科

木瓜で、ボケに似て小型の低木なのでクサと名付けられた。

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クサボケ

モミジイチゴバラ科

紅葉苺で葉がカエデ(もみじ)の葉に似ているから。花は下向きに咲き、黄色い果実はおいしい。

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モミジイチゴ

ヤマザクラバラ科

ソメイヨシノとは違い花と葉を同時に付ける。

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ヤマザクラ

カラマツ(マツ科)

唐松で、葉の状態が絵に描く唐松風であるからという。また、松の中で唯一落葉するので、落葉松とも書く。写真の中で茶色の塊が点々と付いているのが、雄花の集まりで、雌花は房のような葉の中に付くが、この写真では見当たらない。

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カラマツ

イカリソウ(メギ科)

錨草で、船の錨に似ていることから。四方に細長く突き出しているのは、花弁の一部が伸びたもので距といい、蜜をためる。

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イカリソウ

コガネネコノメソウ(ユキノシタ科)

黄金色の花を付けるネコノメソウ。猫の目草は果実の裂け目が、猫の昼間の目のように、細長くなることから。

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コガネネコノメ

フデリンドウ(リンドウ科)

筆竜胆で、茎頂に付く花の状態が筆の穂先を思わせることから。竜胆は漢名。

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フデリンドウ

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茅が岳の花々1 2006.5.5

茅が岳の花1

中央本線甲府を過ぎてから、北側の車窓にいくつものピークを持った山が見えてくる。中央に最高峰の赤岳、左に権現岳……。あれ!ちょっとスケールが小さい…。そう、八ヶ岳によく似た茅が岳で、よくニセ八ツといわれる。また、日本百名山の著者の深田久弥が登山中に亡くなった(1971.3.21)山としても知られている。登山道も特別困難な所もなく、日帰りのコースとして楽しめる山である。

見られる花も特に多いということもないが、春にはそれなりに咲いていた。

ニセ八ツといわれる茅が岳

(太刀岡山より)2020.12.5

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茅が岳

深田久弥終焉の地

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深田久弥終焉の地

アケビアケビ科)

果実が熟すと裂けて白い肉を現すから開け実で、アケビになったという。右下に萼片がピンク色で太い雌しべがあるのが雌花。その他の白い萼片で、バナナのような雄しべがあるのが雄花。共に花弁は無い。  

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アケビ

ヤマハタザオ(アブラナ科

茎が真っ直ぐ伸びて、先端に花を付けるので旗竿。

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ヤマハタザオ

センボンヤリ(キク科)

秋に花が開かない閉鎖花を付けるが、それが林立する様子を槍に例えたもの。

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センボンヤリ

ニリンソウキンポウゲ科

 二輪草で茎頂に2つの花を付けるから。同時に咲くとは限らず、花茎の元にはもう一つの蕾が付いている。

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ニリンソウ

アブラチャン(クスノキ科

チャンとは瀝青のことで、瀝青とは自然に産する油性分。この木の果実や樹皮に油性分が多いので、更に油をつけた。

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アブラチャン

ムラサキケマン(ケシ科)

華鬘(けまん)は仏殿などに飾る装飾品で、花の形が華鬘に似ていることから。ヤブケマンともいう。

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ムラサキケマン

ユキヤブケマン(ケシ科)

雪藪華鬘、ムラサキケマンの白花株で初めて見た。花弁の先だけが紫色をしたシロヤブケマンというのはもう少し見かける。

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ユキヤブケマン

ミヤマキケマン(ケシ科)

山にあり、花色が黄色いので深山黄華鬘。ミヤマが付かないキケマンは海岸近くに多く、全体に大きい。

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ミヤマキケマン

ヤマエンゴサク(ケシ科)

山延胡索で、延胡索はこの種の漢名。花弁の後方に延びている物を距といい、蜜をためるが前3種にも共通してある。

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ヤマエンゴサク

ワラビ(コバノイシカグマ科)

 花の咲かないシダは興味がないが、このシダは食べられるので、知っていて損はない。いざという時に食料になるが、アクが強くそのままでは食べられない。水でよく煮て食べてみたがひどい目にあった。木灰などのあく抜きと一緒に煮て、充分水に晒さないとダメです。

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ワラビ

マムシグササトイモ科)

茎がマムシのような色とガラなので蝮草。花茎を包むものを仏炎苞といい、サトイモ科に特有なもので、水芭蕉の白い仏炎苞は特徴的。マムシグサは変異が多く、難しい種で、普通は仏炎苞も黒紫色だが、緑色もあるというので一応マムシグサにしておく。

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マムシグサ

ミヤマエンレイソウ(シュロソウ科)

深山延齢草で、薬草として使われたことから。シロバナエンレイソウとも言われる。花弁が無く、萼片が黒紫色の延齢草の方が多く見かける。旧分類はユリ科

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ミヤマエンレイソウ

サクラスミレ(スミレ科)

桜菫で、色が桜色で花弁も大きい。花弁の先が少し凹んで桜の花弁を思わせるような物も多い。

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サクラスミレ

タチツボスミレ(スミレ科)

立坪菫で上方に茎を伸ばし、坪(庭)に咲くから。一番目にする菫である。

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タチツボスミレ

ヒナスミレ(スミレ科)

雛菫で、小さく、愛らしいことから。葉の元が大きく湾曲した形が特徴的。

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ヒナスミレ

マルバスミレ(スミレ科)

丸葉菫で葉の形から。

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マルバスミレ

 

滝子山の花々2 2009.5.27

滝子山の花2

 滝子山には北からの縦走コースもある。大菩薩嶺から南に続く尾根はこの滝子山まで延びている。一日では無理だが、中間の湯ノ沢峠には避難小屋とトイレ、水場もあり、車も入れる。

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滝子山頂上

フタリシズカ(センリョウ科)

二人静で、静御前の幽霊が二人となって踊っている様子から。4枚の葉が輪生してるようにも見えるが、よく見ると対生した葉が詰まっている。一人静も同じ形だがもっと間が詰まっており、ほとんど輪生に見えるので、花が無い時の区別点になる。

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フタリシズカ

 花には萼片も花弁も無く、白い3つに分かれた雄しべが丸くなって、子房を抱いている。

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フタリシズカ

クリンユキフデ(タデ科

 九輪雪筆で、葉が茎に層をなして生えるので九輪(九層)、白い花穂を雪筆としたらしい。

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クリンユキフデ

ギンリョウソウ(ツツジ科)

銀竜草で、白い鱗片葉に包まれた体全体を竜にみたてたもの。葉緑素がないので、光合成ができず、地中から栄養分を吸収するので、別名ユウレイタケ。中心に徳利のような雌しべとその周りに10本の雄しべが見える。旧分類はイチヤクソウ科。

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ギンリョウソウ

トウゴクミツバツツジツツジ科)

東国三つ葉躑躅で、関東に多いので東国、葉を3枚付けることから。雄しべが10本あるがよく似たミツバツツジは5本。

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トウゴクミツバツツジ

ヤマツツジツツジ科)

躑躅で、山にあるツツジで、躑躅は漢名から。

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ヤマツツジ

コゴメウツギ(バラ科

小米空木で、小さい白い花を小米(米粒の砕けたもの)と形容したもの。

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コゴメウツギ

ツルキンバイ(バラ科

蔓金梅で、ほふく枝出して伸びるから。

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ツルキンバイ

モミジイチゴバラ科

紅葉苺で、葉が紅葉(カエデ)の形から。黄色い果実は美味しいが、棘に気を付けよう。

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モミジイチゴ

タチカメバソウ(ムラサキ科

立亀葉草で、葉が亀の甲形で直立することから。少し湿った所に生える。

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タチカメバソウ

ルイヨウボタン(メギ科)

類葉牡丹で、葉が牡丹の葉に似ているから。類葉とは同じ様な葉という意味。

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ルイヨウボタン

ルイヨウボタンの花

大きく広がっているのは萼片で、花弁は小さい。更にその中には6本の雄しべ、1本の雌しべがある。

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ルイヨウボタン

チゴユリユリ科

稚児百合で、小さな花を稚児と表した。

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チゴユリ

ササバギンラン(ラン科)

葉が笹の様で白を銀と表した。花の下に付く葉(苞葉)が花穂よりも長い特徴があり、(写真では斜めに折れ曲がっている)丈は50~60cmぐらいあるがギンランは30cm以下で苞葉も花より短いので、区別がつく。

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ササバギンラン

ニワトコ(レンプクソウ科)

語源は不明。木の髄(中心部の白い中身)が太いので、顕微鏡で観察するものをはさんで切るのに使う。

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ニワトコ

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滝子山の花々1  2009.5.27

滝子山の花1

滝子山JR中央本線初狩駅笹子駅の北側にある、1620mの山である。(三角点は東のピークにあり1590mになっている)どちらの駅を出発点にしてもよく、バスなどに頼らなくても行ける貴重な存在である。南側の寂しょう尾根以外は岩場も無く、初心者でも登れる。(寂しょう尾根はバリエーションルート)植物は5月に行ったことで、それなりに楽しめた。

初狩駅からの滝子山(2014.12.18)

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初狩駅からの滝子山

アカネ(アカネ科)

根が赤いので赤根。染料に用いられ、それで染め上げた色が、日の出前の空の色なので茜染(あかねぞめ)という。この株は真っ直ぐに立っていたが、つる性で茎にある棘をひっかけながら伸びていく。

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アカネ

ガクウツギ(アジサイ科)

額空木で、額はガクアジサイのことで、木の様子が空木に似ていることから。

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ガクウツギ

マルバウツギ(アジサイ科)

丸葉空木で葉がウツギよりも丸い。写真ではわかりにくいが、花序(花を付ける枝)の下の葉が茎を抱く。

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マルバウツギ

ヒロハコンロンソウ(アブラナ科

広葉崑崙草。崑崙とは中国の崑崙山脈に降った雪を連想したといわれる。

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ヒロハコンロンソウ(アブラナ科

ヤブレガサ(キク科)

若い葉が1本出てきたとき、まだ開かない、半分つぼめた葉の形がまさに破けた傘の形。その後、葉は大小2枚になる。

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ヤブレガサ

マイヅルソウ(キジカクシ科)

舞鶴草で、葉の葉脈が鶴の舞う姿に似ている。JALのマークを思いうかべるといい。

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マイヅルソウ

ユキザサ(キジカクシ科)

笹の上に白い雪が降りかかる姿から。

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ユキザサ

ヤマシャクヤクキンポウゲ科

芍薬で、芍薬は漢名。栽培される芍薬は古い時代、中国から渡って来たが、本種は日本に自生しているもの。図鑑では知っていたが、実物に出会うと感動する。

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ヤマシャクヤク

クリンソウサクラソウ科)

九輪草で、輪生する花が多層に付くことを九輪と表した。水がある湿地に咲くが、頂上近くの鎮西が池のほとりに咲いていた。

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クリンソウ

マムシグササトイモ科)

このような仏炎苞(花の周りを取り囲む物)を持つ仲間をテンナンショウ(天南星)属というが、極めて分類が難しい属である。変異が多く、専門家でも色々な見解がある。一応マムシグサとしたが、茎の模様が蝮の模様に似ていることから。仏炎苞も紫色から緑色のものまで様々な変異がある。

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マムシグササトイモ科)

アオマムシグササトイモ科)

これもマムシグサの一変種でマムシ模様が見られないもので、アオマムシグサとしたが、自信が無い。マムシグサと同じとした図鑑もある。

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アオマムシグサ

ラショウモンカズラ(シソ科)

羅生門蔓で、京都の羅生門渡辺綱が切り落とした鬼女の腕になぞらえた。カズラは茎が地上を這うことから。

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ラショウモンカズラ

キバナウツギ(スイカズラ科)

黄花空木で、花色が黄色いウツギということから。

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キバナウツギ

ベニバナノツクバネウツギ(スイカズラ科)

紅花の衝羽根空木で、5裂した萼片が羽根つきの羽根に似ていることから。学名はアベリアで、街中の生垣に植えられているピンク色のアベリア(ハナゾノツクバネウツギ)と同じ仲間。

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ベニバナノツクバネウツギ

エゾノタチツボスミレ(スミレ科)

蝦夷の立坪菫だが、北海道に限らず、本州中部以北で見られる。

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エゾノタチツボスミレ

タチツボスミレ(スミレ科)

立坪菫で、坪は庭のことで、全国各地に見られる。スミレの季節には必ずといっていいほど目にする。

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タチツボスミレ(スミレ科)

 

白砂山・野反湖周辺の花々3  2014.5.18

白砂山と周辺の花3

この時期の白砂山は稜線上の雪ははほとんど無かったが、樹林帯にはまだ残り、ルートがわかりずらいところや、雪を踏みぬいたりで、無雪期より時間がかかった。花もまだ、ねむりについていて種類も少なかった。ただ、その中でこの時期にしか見られない貴重なナエバキスミレに会えたのは感激だった。他の花は宿の周辺や、道路沿いの日の当たる所で見かけたもの。

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残雪期の白砂山

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白砂山稜線

アマドコロ(キジカクシ科)

トコロに似た地下茎が苦くなく、少し甘味を帯びているから甘ドコロ。トコロは野老と書き、オニドコロのことでヤマノイモに似ている。

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アマドコロ

シラネアオイキンポウゲ科

湖畔の周辺の山に植栽、保護されていた。奥日光の白根山に多く、花がタチアオイに似ているから。しかし、日光の白根山にはほとんど見られなくなってしまった。

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シラネアオイ

ヒメイチゲキンポウゲ科

姫一華で小さく、可愛いい花一つをつけるから。尚、葉は9枚に見えるが3枚で、それぞれが3裂している。

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ヒメイチゲ

ショウジョウバカマ(シュロソウ科)

雪解け後、最初に出てくることが多く枯れた草の間で見かける。猩々袴で、猩々は猿に似た架空の動物で、袴をはいた姿に例えたらしい。

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ショウジョウバカマ

エバキスミレ(スミレ科)

雪解け直後のまだ、湿った登山道の脇に咲いていた。日本海側の雪の多い所に生育するオオバキスミレの変種で、花茎が5~8cmで赤味を帯び、葉も小さい。

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エバキスミレ

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エバキスミレ

イワナシ(ツツジ科)

岩梨で果実が梨に似ているから。

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イワナ

ミヤマガマズミ(ガマズミ科)

語源ははっきりしていないが、一説にスミは染の転訛で、果実で衣類をすり染めしたことに関係ある名であろうといわれる。ガマズミより葉の先端が尾状に尖る。旧分類はスイカズラ科。

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ミヤマガマズミ

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白砂山の花々2 2006.8.23-25

白砂山・野反湖の花(2)

野反湖は周囲12kmの人造湖で、その湖水は魚野川から信濃川に合流し、日本海に注いでいる。白砂山や、野反湖は太平洋側と日本海側の分水嶺になっているので、植物的にも興味がわく地域である。野反湖周辺にも高山植物も多く、山に登らなくても見る事ができる。

弁天山から野反湖を見下ろす

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野反湖

マイヅルソウ(キジカクシ科)

舞鶴草で、葉脈(葉の筋)が鶴が羽を広げて舞う姿を連想。夏も終わりに近づいて果実になっていた。旧分類はユリ科

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マイズルソウ

ユキザサ(キジカクシ科)

白い花が雪のように見えることから雪笹。これも果実になっていた。旧分類はユリ科

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ユキザサ

ハクバブシ(キンポウゲ科

トリカブトの仲間は分類が難しいので生態域で判断している。志賀高原から苗場山を経て谷川連峰にあるのはハクバブシとあった。あえて判断の目安をあげると、葉は中裂、花柄は無毛。白馬附子であるが白馬岳では見られないという。附子は狂言にも出てくる根から採った猛毒物質。

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ハクバブシ

ノギラン(キンコウカ科)

芒蘭で、芒(のぎ)を持った蘭ということから。芒はイネ科の花にある針のような突起

で、そのように見えるから。ただし、芒も無いし、ラン科でもなく、旧分類はユリ科

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ノギラン

コマクサ(ケシ科)

花の形が駒(馬)の顔に見えるから。薬草として採集されて数が少なくなったが、最近は保護や移植されて、増えているように思える。

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コマクサ

ヒメシロネ(シソ科)

姫白根で、白い根を持ったシロネの中で、小さく可愛いから姫が付いた。シロネは1mぐらいになるが本種は70cm以内で、山の湿地に生える。

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ヒメシロネ

エンレイソウユリ科

延齢草で、薬草として使われたから。葉は3枚だが、この株は1枚の葉が裂けて、4枚の葉に見えそう。これもまた果実になっていた。。

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エンレイソウ

ツクバネソウ(シュロソウ科)

4枚の葉の上に4枚の蕚(3枚しか見えない)、花弁は無く、8本の雄しべがある。雌しべの子房がもう果実になっていた。衝羽根草で羽根つきに使う衝羽根に似ているから。旧分類はユリ科

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ツクバネソウ

ハクサンオミナエシスイカズラ科)

白山女郎花で、白山にあることから。筒型の花の基部がふくれた距が付いている。旧分類はオミナエシ科。

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ハクサンオミナエシ

シラネニンジン(セリ科)

白根人参で、葉の形が食用の人参に似ているから。セリ科の分類は難しいが、葉に特徴があり分かりやすい。

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シラネニンジン

シシウド(セリ科)

猪独活で、猪が食べそうな強剛な様子から。

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シシウド

イタドリ(タデ科

痛み取りから疼取(イタドリ)になったといわれる。これは翼が付いた果実になる。

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イタドリ

アカモノ(ツツジ科)

赤桃が変化したといわれる。古いリンゴのような食感だが、食べられる。

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アカモノ

コケモモ(ツツジ科)

苔のように小さい木になる桃ということから。ちょっと酸っぱいリンゴの味。

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コケモモ

シラタマノキ(ツツジ科)

白玉の木で、写真の通り。サロメチールのような匂いと味。果実とは子房が成長したものだが、厳密に言えばこれは萼が膨らんだもので、果実では無い。とは言え、普通に言えば実(果実)だよね。

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シラタマノキ

ツツジツツジ科)

雌しべの柱頭が花から飛び出して、穂になっているから。ミヤマホツツジはこれが反曲して、釣り針のようになり、もっと高所で見られる。

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ツツジ

センジュガンピ(ナデシコ科)

千手ガンピで、日光の千手が原で発見されたから。中国産のガンピ(ナデシコ科)に似ている。

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センジュガンピ

クロヅル(ニシキギ科)

黒蔓で、茎が黒いから。3枚の翼(よく)を持った果実になっていた。

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クロヅル

ホソバコゴメグサ(ハマウツボ科)

小米草で、白い小さな花を米に例えたから。コゴメグサも色々種類があり、本種はミヤマコゴメグサの変種で、葉が細いので細葉小米草。関東北部から東北に分布。旧分類はゴマノハグサ科

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ホソバコゴメグサ

ニガイチゴ(バラ科

苦苺で、味が苦いからの名だがそんなに苦いと感じられない。(私だけ?)

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ニガイチゴ

ワレモコウ(バラ科

古くからあった木香に対して、日本(吾)の木香というものがあったが、その名前だけこの種に移ったという説や、単に本種を木香とと間違えたという説がある。また、赤い花たちが集まっている所に本種が参加したときに、吾もまた紅(吾亦紅)であると言ったとか言わなかったとか。こっちの方が面白い。

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ワレモコウ

ハクサンフウロフウロソウ科

白山風露で、白山で発見されたことによる。風露の意味は不明。

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ハクサンフウロ

マツムシソウマツムシソウ科)

松虫草で、松虫が鳴く頃に咲くことから。

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マツムシソウ

ゴゼンタチバナ(ミズキ科)

御前橘で、橘の実に似ているから。御前は白山の最高峰、御前峰にちなむ。

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ゴゼンタチバナ

チダケサシ(ユキノシタ科)

乳茸刺で、チチタケというキノコをこの花茎に刺して持ち帰ったところからといわれる。

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チダケサシ

オオウバユリ(ユリ科

大姥百合で、花が咲くころには、葉(歯)が無くなって姥になってしまうという話から。太平洋側では丈も葉も一回り小さく、花の数も少ないウバユリがある。

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オオウバユリ

タケシマラン(ユリ科

竹縞蘭で、葉の縞模様が竹のようだからといわれる。名前はランだが、ラン科では無い。

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タケシマラン

ネジバナ(ラン科)

花がねじれて付いているから。別名モジズリ。

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ネジバナ

リョウブ(リョウブ科)

令法と書き、漢名から。若葉は山菜になり、古くは救荒植物として、現在は令法飯として利用されている。

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リョウブ

オヤマリンドウ(リンドウ科)

御山竜胆で、御山は白山のこと。竜胆は漢名。茎頂や上部の葉腋に1~7個の花を付ける。

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オヤマリンドウ

ハクサンシャジン(リンドウ科)

白山沙參で沙參は漢名で、ツリガネニンジンの高山型。葉や花茎が輪生状につく。

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ハクサンシャジン

ツルリンドウ(リンドウ科)

蔓状の茎を伸ばして、地面や草の上に伸びていくので。竜胆は漢名。

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ツルリンドウ

オオカメノキ(レンプクソウ科)

葉の形が大きな亀の甲を思わせるから。葉がよく食われるからムシカリの別名もあるがこれは怪しい説。どんな葉でも狙われている!!!

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オオカメノキ果実

 

白砂山の花々1 2006.8.23-25

白砂山、野反湖周辺の花1

白砂山は群馬、長野、新潟3県の県境に位置する2140mの山である。山深い位置にあり、無雪期には西側の野反湖から入るコースしか無かった。三国峠からの縦走は残雪期にのみ可能だったが、ベテラン向きのコースである。近年三国峠からの縦走路が開かれ,東側からの無雪期の縦走も可能となった。

花はといえばそれほど多くは無く、ここで取り上げたものの多くは、野反湖周辺で見かけたものである。

手前稜線上からの白砂山頂

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白砂山

ヤナギラン(アカバナ科

柳蘭で、葉の形が柳に似ているから。丈も、1.5mぐらいになりよく目立つ。裸地にいち早く侵入するので、開かれた場所などに多い。北米などでは山火事の跡に生えるのでFire weedといわれる。

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ヤナギラン

ノリウツギアジサイ科)

糊空木で、幹の内皮で製紙用の糊を作ることから。白い花弁状のものは、萼片で、装飾花といわれ、雄しべも雌しべもない。本当の花は中央部にある小さく見えるものである。北海道ではサビタという。旧分類はユキノシタ科。

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ノリウツギ

イワカガミ(イワウメ科)

葉に艶があり鏡のようだから。花は終わり、果実になっていた。

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イワカガミ

ウド(ウコギ科

独活と書かれるが、漢名でもなく、由来は不明。古い書物には葉が生育すると、中空になることから宇登呂(うどろ)と呼ばれ、それが略されてうどになったという説がある。食用の物は、光をあてない地下室で栽培されたもの。大きく太くなるが、もろいので、ウドの大木という言葉も生まれた。 

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ウド

ウメバチソウウメバチソウ科)

花の形が梅鉢の紋に似ているから。旧分類はユキノシタ科)。

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ウメバチソウ

ツタウルシ(ウルシ科)

ウルシは潤液(うるしる)または塗汁(ぬるしる)が略されたものとわれ、木がツタに似た蔓になることから。ウルシでかぶれることがあるがツタウルシの方が強いといわれ、私もかぶれた経験がある。雌雄異株で果実が付いていたことから、写真は雌株。

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ツタウルシ

シナノオトギリ(オトギリソウ科)

信濃弟切で、信濃(長野県)にあることから。弟切草の言われは長くなるので結論だけ言うと、兄が弟を切った時に、その血しぶきが葉に黒い点として残ったと言われたことから。

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シナノオトギリ

果実

これはもう果実になっていた。

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オトギリソウ果実

アキノキリンソウ(キク科)

秋の麒麟草で麒麟草(ベンケイソウ科)のように美しいことから。キリンソウの意味は不明。

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アキノキリンソウ

イワインチン(キク科)

岩茵蔯で、茵蔯はカワラヨモギの漢名で、岩場に生えるヨモギのこと。

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イワインチン

カニコウモリ(キク科)

葉の形が蟹の甲羅に似ていて、コウモリソウの仲間だから。

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カニコウモリ

キオン(キク科)

紫の花を咲かせる紫苑というものがあるが、これに似て、黄色い花を咲かせるので黄苑。紫苑は漢名から。

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キオン

ゴマナ(キク科)

葉の形が胡麻の葉に似ているからといわれる。菜と付くから若芽は食用にされるということ。

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ゴマナ

サワヒヨドリ(キク科)

ヒヨドリで、沢のような水気の多い所に生育し、ヒヨドリが鳴く頃に咲くから。

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サワヒヨドリ

タムラソウ(キク科)

一見アザミのようだが、棘も無く、優しい感じがする。田村草の意味は不明。

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タムラソウ

 ノハラアザミ(キク科)

ノハラアザミと思われるが、勉強不足で、断言できない。後で訂正するかもしれない。

春に咲くノアザミに対して秋に咲く。

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ノハラアザミ

ニガナ(キク科)

苦い味があるので苦菜。黄色い花弁状のものをよく見ると先が5つに分かれている。これは5枚の細い花弁がくっついたもので、舌状花といい、1つの花である。これが5個集まって1つの花のように見えるので、頭状花という。

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ニガナ

ハナニガナ(キク科)

この頭状花を見ると、8~9個の舌状花が集まり、苦菜よりはなやかなので花苦菜。

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ハナニガナ

クロトウヒレン(キク科)

黒唐飛簾で、飛簾はヒレアザミに対する漢名。異国的な印象から唐をつけたと言われる。頭状花の下の鱗のようなものを総苞というがそれが黒い。葉の付け根がひれのようになる特徴がある。

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クロトウヒレ

マルバダケブキ(キク科)

大きな蕗のような葉があり、山にあるから丸葉岳蕗。

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マルバダケブキ

ミヤマヨメナ(キク科)

これもまた全く分からないので、一応ミヤマヨメナにしておく。野菊の仲間は似たものが多く、いつも悩む。舌状花を一つ抜いて、冠毛(綿毛)があるか、無いか、葉がザラザラしているか、などを見ておくと後で参考になる。私は山に登りながら写真を撮っているのでそこまではしていない。と、言い訳をする。

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ミヤマヨメナ

ヤマハハコ(キク科)

山にある母子草だから。母子草は花が咲き終わるとほうけることからほうこ草で、それが転化して母子草になったという。

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ヤマハハコ