yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

白馬岳の花々 (1)    2012.8.13-16

 白馬岳の花(1)

シロウマと名が付く植物は多く、Wikipediaによると20種(固有種は6種)ある。

それは、古くから登られ、調査されたからだろう。しかし、それは山自体に植物を育む条件があったからこそである。一部の稜線部分を除けば、植物を寄せ付けない様な岩峰でもなく、豊富な水と広い高山草原がある。大雪渓上部や、大出原は特にお花畑が見事である。

白馬岳をハクバダケという人もいるが、それには違和感がある。

「しろうま岳」の名前の由来は春になると雪解けで岩が露出し黒い「代掻き馬」の雪形が現れることから、「代掻き馬」→「代馬」→「しろうま」となったものである。つまり本来の表記は黒い「代馬岳」であったわけである。(Wikipediaより)

しかしながら駅名や山荘名がハクバと呼ばれて一般化すると、山名もハクバダケと言われるようになってしまったが、植物の名前のシロウマ○○は元のままでいることが何よりの救いである。

白馬鑓ケ岳からの(右から)杓子岳、白馬岳、旭岳

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 エゾアジサイアジサイ科)

葉は大きく、つやがあり、北陸から東北の日本海側、北海道に分布。「あじ」は「あつ」で集まること、さいは真「さ」の藍の約されたもので、青い花がかたまって咲く様子から名付けられた。分かった様な分からん様な…。

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 ヤマアジサイアジサイ科)

葉も小さく薄く、艶が無い。

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ウワバミソウイラクサ科)

谷沿いの湿った所に生育する。ウワバミの出そうな所に生育するということから。雌雄異株で、この株は柄のある雄花をつけていることから雄株である。雌花は柄が無い。ミズともいい美味しい山菜である。

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ハクサンオミナエシオミナエシ科)

オトコエシ(男郎花)に対し、優しそうだからオミナエシ(女郎花) 。エシの意味は不明。

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ウサギギク(キク科) 

花の下に付く対生の葉が兎の耳を連想させるから。

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オクモミジハグマ(キク科)

奥紅葉羽熊で葉がもみじの形、花がヤクの尾で作った装飾具の羽熊のようであるから。西日本から見て東に生育するから奥が付いた。

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オタカラコウ(キク科)

雄宝香で雌宝香より強壮だから。1つの頭花に花弁状の花(舌状花)が8個内外あるが、雌宝香では1~3と少ない。宝香は龍脳香のことで、根から同じ匂いがすることから。

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 カンチコウゾリナ(キク科)

寒地髭剃菜で、葉や茎の剛毛が肌に触れると引っかかるのをカミソリに見立てた名。ミヤマコウゾリナにも似ているが、1本の茎に多数の花を付けることが異なる。タカネコウゾリナともいう。

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キオン(キク科)

黄苑で紫苑に対しての名。 花弁に見える舌状花が、周辺部に普通5個あるので一見5枚の花弁を持った花に見える。このように多数の花が集まって一つの花に見えるものを頭花という。

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シロウマタンポポ(キク科)

高山性のミヤマタンポポの一変種。

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クロトウヒレン(キク科)

黒唐飛簾で飛簾はヒレアザミに対する日本での漢名。黒は総苞片の色、唐は外国風という印象から。

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タカネヤハズハハコ(キク科)

高嶺矢筈母子。矢筈は弓矢の矢をつがえる尾羽の形からだが、その様な形態は見られないので適切な名ではないといわれている。白い花弁のようなものは、頭花の下の総苞片である。

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タカネヨモギ(キク科)

高嶺蕭で 葉が細かくわかれている。ヨモギの意味は不明。

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チョウジギク(キク科)

丁子菊は細い柄についた頭花の形が香料にする丁子の花の形に似ているから。花柄に白毛を密生する特徴がある。

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 ハナニガナ(キク科)

花弁のように見える舌状花が1つの頭花に10個近くあり、ニガナの5個程度より大きく華やかなところから。

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 マルバダケブキ(キク科)

丸葉岳蕗で葉の形が蕗に似ているから。全体が大きく、よく目立つ。

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ミヤマアキノキリンソウ(キク科)

深山秋の麒麟草で 秋に咲く麒麟草(ベンケイソウ科)に例えたもの。アキノキリンソウは花穂が長く伸びる。

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ミヤマアズマギク(キク科)

関東に多いので東菊というのがあるが、ミヤマアズマギクは本州中、北部、北海道に分布。平地のハルジョオンヒメジョオンと同じ仲間でちょっとガッカリ。もう、花期を過ぎてみすぼらしい姿だった。

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ヤマハハコ(キク科)

山母子で、ハハコグサは花が咲き終わるとほおけるところから。

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