御荷鉾山の花2
登山道は樹林帯の中なので、あまり花は無い。ここにあげたものはほとんど林道沿いで見られた物である。
ミヤマコンギク(キク科)
深山に生える紺菊のこと。箱根を中心に生えるのでハコネギクの名もある。
ヤブタバコ(キク科)
藪煙草で、藪地に生え、タバコに似た葉があるから。
キブシ果実(キブシ科)
この果実を五倍子(ふし)の代用に使ったことから。五倍子とか付子はタンニン材としてお歯黒や薬、インク製造に用いるもので、ヌルデの葉に生ずる虫こぶから採る。
クサボタン(キンポウゲ科)
草牡丹で、葉の形が牡丹に似ているから。しかし、草ではなく、木本。雌雄異株で、学名はクレマチス。
タケニグサ(ケシ科)
竹似草で、枯れた茎を見ると中空の様子が竹に似ている。以前、竹煮草で、この草を竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなるからというのを見たが、竹を煮ることがそんなにあるのか疑問だった。しかし、枯れた茎を見たとたん、竹に見間違えるほどそっくりだった。
コナスビ(サクラソウ科)
小茄子の意味で、茄子に似た果実を付けることから。
キバナアキギリ(シソ科)
黄花秋桐で、黄色い秋桐のこと。秋桐は、北陸地方に咲く桐に似た青紫色の花を付ける。
ニガクサ(シソ科)
苦草の意味であるが、実際には苦くないとの事。次に出会ったら試してみるつもり。
ヒキオコシ(シソ科)
引起しで、苦い葉が起死回生の効力があるということから。
メハジキ(シソ科)
目弾きのことで、子供が茎を短く切り、まぶたに挟んで目を開かせて遊んだことから。
ヤマトウバナ(シソ科)
山塔花で先端に付く花穂が塔のようになるから。イヌトウバナは蕚筒に長毛がもっと多い。
ヤマハッカ(シソ科)
山にある薄荷の意味だが、香気はしない。上側に反り返っている花弁状のもの(上唇という)の内側に、紫色の斑点があるが、イヌヤマハッカには無い。
セイヨウウツボグサ(シソ科)
西洋靭草で、西洋とつくように外来種。ユーラシア原産で、園芸種として栽培されていたものが、野生化したものと思われる。本当はもっと花序(花の付く形)が長いはずが林道の端で矮小化したらしい。ウツボとは弓矢を入れる細長い武具で、花序の形がそれに似ているから。