御荷鉾山の花 1
御荷鉾山は群馬県の南部にあり、西と東に2つの山頂を持つ(それぞれ1280m,1184m)山である。交通が不便な所にあり、かっては麓で宿泊をして、登らなければならなかったが、今はスーパー林道が山頂近くまでできており、山頂まで1時間で行ける。傾斜も緩やかで、特に危険なところもない。
道は、ほとんど樹林帯の中で、花はあまり見られなかったが、西御荷鉾山の南面に草付きの斜面があり、シーズンが良ければ、少し期待はできると思う。今回見られたものは、ほとんど林道の周辺で、樹林帯が伐採されることにより、広がっている。
西御荷鉾山山頂
切り開かれて展望は良くなっている。
キヌタソウ(アカネ科)
砧草で、果実の形を衣類をたたく砧に見立てたものと思われる。
メマツヨイグサ(アカバナ科)
雌待宵草で、オオマツヨイグサより小さいので雌を付けた。北アメリカ原産の帰化植物で、各地に野生化している。
イラクサ(イラクサ科)
刺草(とげくさ)の意味。茎や葉にある刺に刺されると疼痛を感じるので、別名イタイタグサ。うっかり触らないこと。
クサコアカソ(イラクサ科)
茎や葉柄が赤い赤麻というものがあり、それよりも小さくて、草本だから草小赤麻。茎の先端に付くのは雌花の集まりで、雄花は茎の下部に付く。
ヤマホタルブクロ(キキョウ科)
山蛍袋で、蛍を入れて遊んだことから。標高の低い所にあるホタルブクロは、萼片の間に反り返った付属体が付く。
アズマヤマアザミ(キク科)
東山薊で、関東地方に多いことから。まだ蕾。頭花が数個かたまって付く。
トネアザミ(キク科)
利根薊で、関東、中部地方に多いことから。花を下向きにさかせる。別名タイアザミ
アキノキリンソウ(キク科)
秋の麒麟草で、麒麟草(ベンケイソウ科)のように美しい花を秋に咲くから。麒麟草の意味は不明。
ジシバリ(キク科)
地縛りで、茎が地に縦横に張り付くいていることから。
シラヤマギク(キク科)
白山菊で、白い花を付け、山にある菊ということ。下部の葉が卵形になる。
シロヨメナ(キク科)
白嫁菜で、嫁菜に似ていて、白い花を付けるから。
センボンヤリ(キク科)
千本槍で、秋に閉鎖花(開かない花)が付き、林立する様を槍に例えたもの。閉鎖花は確実に受粉するが、自分の花粉なので、できた種子は遺伝的に変化のないクローン。春の開花した花は、他から花粉を受け取り、より良い遺伝子を取り込むことができる。
春のセンボンヤリ
開花した春の千本槍(2012.4.16甲州高尾山)
ノハラアザミ(キク科)
野原薊で、秋に咲く。根際にある根生葉が残り、総苞片(花の下のとげとげ)が少し反り返り、粘らない。春に咲くノアザミは総苞片がピタッとくっつき触ると粘る。