加波山の花々 2016.9.11
加波山の花
加波山は筑波山の北にある709mの山で、古くから山岳信仰の霊場になっている。山頂には日本武尊が東征の際に創建されたといわれる加波山神社があり、明治時代にあった加波山事件の舞台にもなった。
頂上近くまで車道があり、登山の対象には魅力に乏しく、花も少ない。ここにあげた花は車道の周辺部に見られた物である。
モミジガサ(キク科)
紅葉傘で葉の形がもみじの様で、しかも傘状をしているので。若菜を採って食用にする。
クサギ(シソ科)
臭木で葉に臭気がある。夏に花が咲くのでもう果実になっていた。右後方のピンクの花はクズの花。旧分類はクマツヅラ科。
レモンエゴマ(シソ科)
柄胡麻の変種で、レモンの香りがするので檸檬荏胡麻。柄胡麻の種子から採った油がエゴマ油で、菜種油が広がる前まで広く使われていたという。
マルバルコウソウ(ヒルガオ科)
丸葉縷紅草で丸葉留紅草と書くこともある。縷は細い糸という意味で、櫛の歯のような葉をつけ、花色が紅色だから縷紅草。しかし、本種は葉が丸いので丸葉となった。熱帯アメリカ原産だが各地に野生化している。
アレチヌスビトハギ(マメ科)
荒地盗人萩で荒地に生える盗人萩。盗人萩は果実の形が盗人の忍び足のような形を連想させるような形になることから。しかし、右上に見える本種の果実は忍び足形ではない。道端に生えていた帰化植物で、ヌスビトハギより花が大きく、見栄えはする。
コマツナギ(マメ科)
駒繋ぎで馬の手綱をこの木につないでおけるほど茎が丈夫であることから。草に見えるが木本である。
ヤマジノホトトギス(ユリ科)
山路の杜鵑で山道でよく出会うから。ホトトギスは花の斑点が鳥の杜鵑の胸の模様に似ていることから。ヤマホトトギスは花弁と萼片は下方に曲がるが本種は曲がらない。ユリ科の花は花弁と萼片が同じ様な色になるので併せて花被片という事が多い。下の写真で、あえていえば幅の広い花被片は萼片(外花被)で、狭く長い方が花弁(内花被)である。