大蔵高丸・大谷ヶ丸の花1
大菩薩連山を南にたどるとこの大蔵高丸と大谷ヶ丸に達する。大菩薩からの縦走は1日では厳しい(と思う)が、この下の湯ノ沢峠で宿泊すれば滝子山まで続く。特に目立った山ではないが起伏も大きくなく、手軽な縦走が楽しめる山並みである。樹林帯が多い中、大蔵高丸山頂は広い高山草原となり富士山の眺望も素晴らしく、植物もそれなりに楽しめる。湯ノ沢峠まで車が入れるので山頂まで30分もあれば登れる。
大蔵高丸からの富士
シナノキ(アオイ科)
シナとはアイヌ語の結ぶ、しばる、くくるという意味。樹皮は繊維が強いのでその様な用途に使われたことから。旧分類はシナノキ科。
クワガタソウ(オオバコ科)
鍬形草で果実の形が兜のくわ形に似ていることから。旧分類はゴマノハグサ科。
ウスユキソウ(キク科)
薄雪草で白綿毛をうすく積もった雪に例えたもの。
コウリンカ(キク科)
紅輪花で花色と車輪状についた舌状花の形から。
サワギク(キク科)
沢菊で沢のような湿った、日影の場所に生えていることから。
ノコギリソウ(キク科)
葉の形が鋸の歯の様だから。
ノハラアザミ(キク科)
野原薊で原野に多いことから。名前も形も似たものでノアザミがあるが、ノアザミは初夏に咲き、花の下の総苞が、べたつき、総苞片(棘のようなもの)は真っ直ぐ上を向く。本種は秋に咲き、べたつかない。また、総苞片は斜めに出る。
ハナニガナ(キク科)
花苦菜で苦い味がするから。また、苦菜より舌状花(花びらのように見えるが1個の花)が多く、はなやかだから。
イケマ(キョウチクトウ科)
イケマはアイヌ語で巨大な根ということから。馬の薬になるから生け馬という説は根に毒があり誤りらしい。外側に大きく5裂した薄緑色のものが花冠で、その内側の白いのは副花冠といわれるもの。真ん中の雄しべと雌しべが一体になったものを蕊柱という。萼片はつぼみの外側に小さく付いている。
ヒメシャラ(ツバキ科)
姫沙羅で沙羅の樹(ナツツバキ)より小さいから。しかし、本当の沙羅の樹は、インドにあり、間違ってつけてしまったという。樹皮がツルツルしているので別名サルスベリ。