yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

帯那山の花々 2017.4.15 

帯那山の花

帯那山(おびなさん)という名を聞いたことがありますか。多分、9割以上の人は知らないのではないかと思う。特に目立ったものも無い、甲府の北方にある1422mの山である。花も特に多いわけでもなく、山というより里の花の方が主となってしまった。下の写真は頂上手前の開けた場所だが、奥に見える木に沢山のヤドリギが付いていた。これについては後述する。

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帯那山山頂手前

イヌナズナアブラナ科

ナズナで、ナズナに似ているが役に立たないナズナという意味。犬は役立たずのとか、似ているけど本物より劣るという時に名づけられる。イヌタデ、イヌハッカ等々。

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イヌナズナ

キブシ(キブシ科)

木五倍子(又は木付子)。五倍子(ふし)とはヌルデの若葉、若芽にできる虫こぶで、タンニン材としてお歯黒などに使用した。この果実が代用になるので木五倍子。房になった黄色の花が藤の様だから黄藤というのは間違いとのこと。雌雄異株で、手にとって見ればはっきりするが、垂れ下がった花穂が長いのが雄花なので、この写真では雄株と思われる。

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キブシ

クロモジ(クスノキ科

黒文字で、樹皮上の黒色の斑点を文字になぞらえたもの。良い匂いがするので、高級爪楊枝に使われる。

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クロモジ

カキドオシ(シソ科)

垣通しで、垣根を通り抜けて増えていくから。

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カキドオシ

ホトケノザ(シソ科)

平地の草原や、畑の周りなどに多く生育している。仏の座で、上部の葉の脇に多数の花を輪生する姿を仏に例えたもの。なお、左側に見える褐色の葉の付いた2株は同じシソ科のヒメオドリコソウである。 

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ホトケノザ

ヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)

鶯神楽で、鶯の鳴く頃に咲き、鶯隠れからとか、実をついばむ動きが神楽を踊っている様だからという説があるがよくわからない。ウグイスカグラは無毛だが、花柄に毛があるのでヤマウグイスカグラとした。

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ヤマウグイスカグラ

アカネスミレ(スミレ科)

茜スミレで、花色が茜色だから。

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アカネスミレ

シハイスミレ(スミレ科)

紫背スミレで、葉の裏(背中)が紫色だから。しかし、葉の裏が紫色なのはその他にも多い。

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シハイスミレ

タチツボスミレ(スミレ科)

何処に行っても目にするほど多く生育している。坪は庭のことで、庭に立って咲くという意味。

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タチツボスミレ

ノジスミレ(スミレ科)

野路スミレで道端に咲いているから。スミレに似ているがスミレよりも色が薄く、花弁もくしゃっとした感じ。

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ノジスミレ

アメリカスミレサイシン(スミレ科)スノープリンセス

アメリカと付くように帰化種である。この種を学名でビオラ・ソロリアということもある。この白花を付ける種を園芸名でスノープリンセスと言っている。

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ビオラ・ソロリア

トウダイグサトウダイグサ科

燈台草で、草の形が明り取りに使った燈台(燈架)に似ているから。緑色の花弁状のもの(総苞片)の中に1個の雌花と数個の雄花があり、雌花の子房が膨らんでるのが見える。

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トウダイグサ

マツバトウダイ(トウダイグサ科

松葉燈台で細い葉が松葉を思わせる燈台草。ヨーロッパ原産で観賞用で輸入されたが、道端に咲いていた。

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マツバトウダイ

ヤドリギ(ビャクダン科)

宿り木、寄生木で他の樹木に寄生して生活しているから。雌雄異株で落葉広葉樹に寄生するので、葉の落ちた冬に目立つ。旧分類はヤドリギ科。

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ヤドリギ

ヤドリギ果実・雌花

雌株に付いた果実と雌花。雌花は小さくてわかりにくいが、花弁は無く、4つの萼片の中心に雌しべがある。(花弁と萼片を併せて花被片というがこのような時は4つの花被片という)果実には4つの花被片の跡と雌しべの柱頭の跡が残っている。

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果実

ヤドリギ・雄花

4つの花被片の中に花粉を付けた4つの雄しべが見える。

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雄花

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