大滝根山の花2
山頂は盛り上がった形ではなく、平らな平原状になっており、三角点もその中にある。さらに、自衛隊のレーダー基地があり、回りを金網フェンスで囲われており、許可なしには入れない。入っても整地されているため、目ぼしい花は見られなかった。金網フェンスの外側には4種類のツツジが見られた。左側に見えるのはヤマツツジ。
サラサドウダン(ツツジ科)
更紗満天星で、花冠に更紗染めの模様が入っていることによる。
ヤマツツジ(ツツジ科)
山ツツジで、各地の山にあるから。花色も赤色でわかりやすいが、変化が多く色々な品種がある。
シロヤシオ(ツツジ科)
白八塩で、紫八塩ツツジに対比した名。別名五葉ツツジといわれるように、枝先につく葉が5枚輪生状になっている。
レンゲツツジ(ツツジ科)
花の様子が蓮華(ハス)のように咲くことからといわれる。色もオレンジ色で華やかな感じがする。また、赤っぽいものや、黄色のものなどもある。
ギンリョウソウ(ツツジ科)
これがツツジ科とビックリするが、旧分類はイチヤクソウ科だった。新しいAPG分類で、ツツジ科になったが、素人の私にはピンとこない。銀竜草の名は白い鱗片葉に包まれた形を竜に見立てた。葉緑素が無いため光合成ができず、地中の栄養分を吸収して、キノコのような生態なので別名ユウレイタケ。
カマツカ(バラ科)
材が硬くて丈夫で折れにくく、鎌の柄に用いられるので鎌柄。また、牛の鼻に綱を通す時、この木で鼻の障子に孔をあけるので別名牛殺し。鼻の障子とは左右の孔を隔てる仕切りのこと。知ってましたか?
ニガイチゴ(バラ科)
木苺類の粒々は1つずつが果実で、果実の果汁は甘いが、その中の核(種子)は苦いので苦苺。だから軽くかんでれば苦さは感じない。写真は花が咲き終わった後、萼片が内側にかたむいている状態。
クマイチゴ(バラ科)
熊苺で、山中に生えるので熊が食べる苺。前種より全体的に大きく、棘も多い。花も前種は枝の先端に1つしか付けないのに比べ、1~4個つける。赤く熟した果実は食べられる。
コゴメウツギ(バラ科)
小さい白い花を小米(米粒の砕けたもの)と形容した。空木はアジサイ科のウツギに似ていることから。
ミツバツチグリ(バラ科)
小葉が3枚付くことから三つ葉、地中の硬い根茎を栗に例えた。本家のツチグリは食べられるが本種は硬くて食べられない。
コンフリー(ムラサキ科)
ヨーロッパ原産だが、林道の一部に群生していた。かっては薬用として使われたり、飼料や蔬菜として使われたが、毒性があることで使われなくなり、今では野生化している。私も天ぷらとして食べた経験がある。和名はヒレハリソウ。
ミヤマヤナギ(ヤナギ科)
深山柳、峰柳ともいう。山頂近くなどになると地面に這っている。雌雄異株なので、写真は雌株。果実が割れて白い綿毛を飛ばすところ。
コチャルメルソウ(ユキノシタ科)
果実の開いた形を、中国楽器のチャルメラに例えたチャルメルソウ。それよりも小さいので小をつけた。花期の時は分からないが、この時期にはチャルメラ形が確認できた。
ヤグルマソウ(ユキノシタ科)
葉の形が、端午の節句の時、鯉のぼりに付ける矢車に似ていることから。園芸種にヤグルマソウといって青紫色のカーネーション似の花があるが、正しくは矢車菊で、キク科。
コケイラン(ラン科)
小蕙蘭で、蕙はシランなどの類の名で、それと葉が似ており、花が小さいから。
ギンラン(ラン科)
銀蘭で、花が黄色いキンランに対して白を銀とした。
ササバギンラン(ラン科)
笹葉銀蘭で、ギンランより全体的に大きく、葉も笹を思わせるように長く沢山付く。しかし、大きな違いは花茎の下に付く葉(苞または苞葉という)が花茎よりも長くなること。ネットでも時々ササバギンランをギンランとしたものが多く見かける。
サイハイラン(ラン科)
采配蘭の意味で、多数の花の付き方(花序という)が軍陣を指揮するのに使った采配に似ているところから。采配は厚紙を細く切って総を作り、これに柄をつけたもの。