yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

大岳山(奥多摩)の花々     2018.4.28 2009.11.27

大岳山の花

大岳山は標高1226m、奥多摩駅の南にあり、高度的にも地理的にも登りやすい山である。手軽なコースは御岳山からの縦走で、御岳山のケーブルカーを使えば更に行きやすい。実際に、休日には多くの人でにぎわう。

山の花としては特筆すべきものは無いが、手軽に行ける山としてそれなりの花は、楽しめるとは思う。

御岳山と大岳山の間にある鍋割山山頂

f:id:yamahanayama:20201121005807j:plain

 

ミツバコンロンソウ(アブラナ科

 三葉崑崙草で、葉が3つの小葉からなる。写真は横からなので分かりにくいと思うが、左側の葉は3枚が分かる。初めて見たときはキンポウゲ科ヒメイチゲと思って撮影したが、ヒメイチゲの花弁に見える白い萼片は普通5枚で、花弁は無い。この写真では中央の花弁の間に、小さな萼片が見える。なお、白い花の色を中国の崑崙山脈に降った雪の色にたとえたといわれている。アブラナ科は花弁が4枚で十字架に見え、昔は十字花科と言われていた。

f:id:yamahanayama:20201121005821j:plain

 

イワカガミ(イワウメ科)

葉に艶があり、鏡のようだということから岩鏡。

f:id:yamahanayama:20201121005841j:plain

 

カンアオイウマノスズクサ科)

写真を見てもどこに花があるかと思う人は多い。花に関心がなければ、きっと通り過ごしてしまうだろう。3枚の葉の根元を見てほしい。(2009.11.27)

f:id:yamahanayama:20201121005857j:plain

 それがこれ。萼が筒状になった(萼筒)先が3裂しているが、雄しべも雌しべも見えない。蟻などが花粉を運ぶといわれ、地面に咲いている。

f:id:yamahanayama:20201121005915j:plain

 

ボタンズル(キンポウゲ科

これは11月に撮った写真。遠目には雪がかぶさっているように見えた。近づいて見ると、(2009.11.27)

f:id:yamahanayama:20201121010053j:plain

 一つの果実に長いひげのような毛がついていた。初めは、センニンソウと思っていたがセンニンソウの果実は卵形にちかく、ミカン色と図鑑にあったが、これは細長く、黒っぽい。なお、これを種子という人がいるが、厳密に言うと、裸子植物ではないので、種子が硬く薄い皮をまとった果実である。このような果実を痩果(そうか)という。長く伸びているのは雌しべの柱頭。そうか!と納得していただけたでしょうか。

f:id:yamahanayama:20201121010033j:plain

 

ツクバキンモンソウ(シソ科)

ニシキゴロモ(錦衣)によく似ているが、5つに裂けた上の2弁(上唇という)が非常に短く、雄しべ、雌しべに隠れて、見えない。ニシキゴロモも短いが2~3mmあり、見える。また、ニシキゴロモは日本海側に、ツクバキンモンソウは太平洋側に分布。

名の筑波金紋草は、筑波は発見地、金紋は不明だが錦衣は、葉の美しさから付いたといわれるので、同じような意味だと思われる。薄紫色もあるので、写真の場合、シロバナツクバキンモンソウということもある。13文字。ああ長たらしい!!

f:id:yamahanayama:20201121010115j:plain

 

シコクスミレ(スミレ科)

四国菫で発見地が四国だから。白いスミレを見るとすぐ思いつくのがマルバスミレ。

しかし、マルバは高尾山や標高の低いところでも見られるが、本種は太平洋側のやや高いブナ山地に見られる。また、葉も独特で、ギザギザ(鋸歯)も波状で他のスミレには無い形状である。これなら花が無い時でもわかるかも。

f:id:yamahanayama:20201121010132j:plain

 

f:id:yamahanayama:20201121010148j:plain

 

シハイスミレ(スミレ科)

紫背菫で葉の裏が紫色を帯びることから。右側の葉の後ろが少し見えるが、この個体は色が薄い。しかし、葉の裏が紫色のスミレは結構ある。

f:id:yamahanayama:20201121010204j:plain

 

フモトスミレ(スミレ科)

麓菫で山のふもとに見られることから。しかしながらいつも見るのは、500mm~1000m

ぐらい。低い所は車などで通過してしまうからか。本種も葉に特徴があり、葉だけでもわかり、斑入りも多い。

f:id:yamahanayama:20201121010221j:plain

 

トウゴクミツバツツジツツジ科)

春の山で、特に目に付く色。関東に多いといわれ、東国三つ葉ツツジミツバツツジとの違いは雄しべの数で10本あるが、ミツバツツジは5本。また花がない時は葉に毛が多いがミツバツツジは毛が無い。

f:id:yamahanayama:20201121010237j:plain

 

ベニドウダン(ツツジ科)

紅満天星で花色の色から。満天星(ドウダンツツジ)は灯台ツツジの意味で、分枝の形が結び灯台の脚ににているから。サラサドウダンなどより一回り小さく長さ6~8mmで、縁が細かく裂ける特徴がある。別名チチブドウダン。

f:id:yamahanayama:20201121010251j:plain

 

ワチガイソウ(ナデシコ科)

輪違草で、昔、この草の名称が分からないとき、鉢に輪違の印をつけたのがそのまま名になってしまったという。輪違の印とは、五輪マークのうちの、2輪にした形。

f:id:yamahanayama:20201121010308j:plain

 

ヤマウツボ(ハマウツボ科)

登山道の横に、咲いていたがもう枯れる寸前状態。そこで、以前、奈良倉山で撮ったものを下にあげた。

f:id:yamahanayama:20201121010328j:plain

 靭(うつぼ)は弓矢を入れる武具で、その形ににているから。

f:id:yamahanayama:20201121010343j:plain

 

ツルキンバイ(バラ科

この仲間(キジムシロ属)は、似たようなものがあり、判断に悩む。ツルキンバイは地面に這っているので、花と花の間隔があり、込み入って咲かない。ミヤマキンバイは高山に、ミツバツチグリはもっと低地に、イワキンバイは花茎に葉が着く。

f:id:yamahanayama:20201121010400j:plain

 

メレンゲ(マンネングサ科)

姫蓮華で群れをなして平らに生えている葉の状態を蓮の花に例えた。とあるが、チョット結びつかないのは私だけか?

f:id:yamahanayama:20201121010417j:plain

 山名一覧へ