暑寒別岳の花(1)
暑寒別岳(1492m)も、利尻、礼文と同じ様に日本海に面し、冬の季節風は極寒の環境をつくり出す。そして、植物も共通のものが多いが、またマシケゲンゲのような固有種もある。3つの登山口にはそれぞれ山小屋があるが、いずれも自炊の準備が必要である。
箸別コース8合目から南暑寒岳を望む
アラシグサ(ユキノシタ科)
嵐草で嵐のファンが喜びそうな名だが、雨風や強風の吹くようなところに生えているから。
ウコンウツギ(スイカズラ科)
ウコンというショウガ科の植物の根茎に、黄色の色素があり、薬用やカレーの味付けに使われる。そのウコン色の花だから。
イワイチョウ(ミツガシワ科)
葉が銀杏の形に似ている。湿ったところにあり、岩場にはない。
エゾイチゲ(キンポウゲ科)
一つの花をつけるので蝦夷一華。
エゾシオガマ(ハマウツボ科)
花をねじれて咲かせる。北海道だけでなく、本州中部以北の山に生育している。旧分類はゴマノハグサ科。
エゾツツジ(ツツジ科)
初めて北海道にあることが報告されたから。しかし、本州北部にも分布する。
エゾノハクサンイチゲ(キンポウゲ科)
本州のハクサンイチゲより花柄が短い。(8cm以下)白い花弁に見えるのは、萼片で、花弁は無い。
ミドリハクサンイチゲ(キンポウゲ科)
ハクサンイチゲの白い萼片が緑化し、かつ、重弁化(八重咲)したものらしい。
エゾヤマゼンゴ(セリ科)
セリ科の分類はいつも困る。皆同じ様に見える。図鑑や写真を見比べてやっとたどり着いたのがこれ。
エンレイソウ(シュロソウ科)
旧分類ではユリ科。延齢草で薬草として使われたことから。黒っぽく見えるのは萼片で、花弁は無い。
オオツガザクラ(ツツジ科)
オオバタケシマラン(ユリ科)
大葉竹縞蘭で、葉の裏の縞が竹のようだからと言われている。写真では見えないが、花を吊り下げている柄(花柄という)がねじれている特徴がある。オオバが付かないタケシマランは少し小型で、ねじれも無い。
オオバノヨツバムグラ(アカネ科)
ムグラは雑草の総称で葉の形や花の色などで区別する。
ハイオトギリ(オトギリソウ科)
弟切草とは何か意味のある名前だが、それはね、昔、昔、ある所に…。オトギリソウの分類は難しいが、分布域から北海道にはハイオトギリが分布。ハイは地面を這うことから。
オクエゾサイシン(ウマノスズクサ科)
漢名で細辛という薬草があるが、それに似た葉をつける。
ギンリョウソウ(ツツジ科)
葉緑素を欠き光合成ができないので、キノコのように地中から栄養分を吸収。別名ユウレイタケ。銀竜草で竜の鱗のような鱗片葉があるところから。旧分類ではイチヤクソウ科。