燕岳・餓鬼岳の花(2)
斜面に生育するコマクサ
コマクサは不安定な土壌、つまりザラザラと崩れるような斜面や、小石ばかりの水はけのいい所に生育する。水はけがいいということは、乾燥しやすいということでもある。コマクサがそこを好むからだと思いがちだが、コマクサにとってもそこは厳しい環境である。つまり、他の植物はその環境に耐えられずに生育出来なかったが、コマクサだけが耐えられたということである。その結果、コマクサの群落が見られることになる。
クルマユリ(ユリ科)
葉が車状に輪生しているので車百合。
クロウスゴ(ツツジ科)
黒臼子で、果実のへこんだ部分が臼の形を指す。ジューシーで美味い。
クロマメノキ(ツツジ科)
クロウスゴと同じく黒い果実をつける。軽井沢では浅間ブドウとよぶ。美味しい。
クロクモソウ(ユキノシタ科)
花の色を黒雲にたとえた。別名イワブキ。
コイチヨウラン(ラン科)
小一葉蘭で葉が一枚ある。樹林帯の中の暗いところなのでストロボを使った。
コフタバラン(ラン科)
小双葉蘭で双葉が茎の下方に見える。やはり樹林帯の中なので上手く撮れていない。
コウモリソウ(キク科)
蝙蝠の羽を広げた姿が葉の形を見れば納得できる。
コケモモ(ツツジ科)
登山道の脇などによく見られる。果実はジュースやジャム、果実酒に使われる。
コマクサ(ケシ科)
花の形が駒(馬)の顔に似ていることから。冒頭で述べたようにザラザラした地面は植物の生育には厳しい環境である。
コガネイチゴ(バラ科)
光沢のある果実を黄金とつけた。
サラシナショウマ(キンポウゲ科)
満開の時は、真っ白い穂のようになる。若い葉を煮て水でさらし、食べることから。
根茎を乾燥したものが漢方の升麻として使われる。
シナノオトギリ(オトギリソウ科)
オトギリソウの分類は難しい。葉を透かして見ると黒点、油点が見られるが位置や多さが決め手となる。
シナノキンバイ(キンポウゲ科)
高山草原で黄色い径5cmぐらいの花をつける。バラ科のミヤマキンバイと混同しないようにシナノキンバイソウという場合もある。
シラタマノキ(ツツジ科)
秋になると白い果実をつけるが、汁を嗅ぐとサロメチールの匂いがする。
シラヒゲソウ(ユキノシタ科)
花弁の先が細かく分かれて髭を思わせるから。
5本の雄しべの間にある仮雄しべは先端が3つに分かれ、先端が球状になっている。
シロバナハナニガナ(キク科)
苦菜より花弁状に見える舌状花が多く、華やかなので花苦菜。
ソバナ(キキョウ科)
ソバとは山地の険しい斜面のことでそこに生えることから。
タカネグンナイフウロ(フウロソウ科)
郡内は山梨県にある地名。風露の意味は不明。
タカネシュロソウ(シュロソウ科)
旧分類はユリ科。根本に付く古い葉のさやがシュロの毛のようだから。
タカネツメクサ(ナデシコ科)
花の直径が1cmぐらいの小さな花がマット状に広がる。ツメは葉の形が鳥のツメに似ているから。