佐渡島の花 (1)
佐渡島の最高峰は1172mの金北山である。標高的にはそれほど高いとは言えないが、環境的には本州中部の2000m級、いやそれ以上に匹敵すると思う。なぜなら冬には日本海からの季節風をまともに受け、湿った風は大量の雪を降らせる。実際に山を歩いてみると標高300mに満たない登山口からすぐシラネアオイの群落に迎えられた。
山脈縦走路からの金北山(中央奥)
シラネアオイのフラワーロード
アオイスミレ(スミレ科)
葉の形がフタバアオイに似ているから。スミレの中では早く咲く。
アラゲヒョウタンボク(スイカズラ科)
中部地方以北の北方、寒地系植物。花が2個ずつ咲くので、果実も2個つながっているので瓢箪木。赤く熟すと食べられる。ちなみにヒョウタンボクやチシマヒョウタンボクは有毒である。
エゾエンゴサク(ケシ科)
蝦夷延胡索で、蝦夷(北海道)に生える延胡索。延胡索は漢名で、ヤマエンゴサクより少し大型で、先端の小葉の先に時に切れ込みがある。
キジムシロ(バラ科)
当初はエチゴキジムシロかと思ったがふつうのキジムシロらしい。エチゴキジムシロは
先端の3小葉の下に付く小葉が非常に小さい。右下の葉を見ると少し小さいが他の写真を見るとかなり小さいものもあった。葉の大きさは連続的なのかもしれない。
エンレイソウ(ユリ科)
延齢草で薬草として使われたことから。黒いのは萼片で花弁は無い。
オオイワカガミ(イワウメ科)
葉の直径が10cmぐらいあり、花付きも多い。岩鏡は葉の表面が鏡のように光るから。
オオカメノキ(スイカズラ科)
大亀の木で葉の形から。別名ムシカリ。周辺部の白い花は装飾花。
オオタチツボスミレ(スミレ科)
オドリコソウ(シソ科)
傘を被った踊り子が円く集まっているところから。
カタクリ(ユリ科)
鱗茎(球根)の形が栗の半分で片栗。良質のでんぷんが取れ片栗粉として使われた。
早春の花は柔らかく、山菜としても食べられる。
登山道の両脇に延々と続く
キクザキイチリンソウ(キンポウゲ科)
白い花もあり、キクザキイチゲともいう。花弁は無く、青紫色のは萼片。
クロモジ(クスノキ科)
茎や葉は良い匂いがするので、楊子に使う。葉からつくった黒文字茶もおいしい。
コンロンソウ(アブラナ科)
崑崙は中国の地名。一説には白い花を崑崙山の雪に例えたともいう。
ザゼンソウ(サトイモ科)
僧が座禅をしている様子にたとえた。赤いのは仏炎苞といわれるれ、中に見える小さな粒々が1個の花。
サワハコベ(ナデシコ科)
ハコベより花弁の切れ込みが小さい。
シハイスミレ(スミレ科)
紫背菫。葉の裏が紫色なところから。
シラネアオイ(キンポウゲ科)
白い花もあるがここはほとんどピンク系。
ズダヤクシュ(ユキノシタ科)
ズダは長野県地方で喘息のこと。その薬草として使われたことから。
スミレサイシン(スミレ科)
日本海側に生育。太平洋側は葉の細長いナガバノスミレサイシンがある。