至仏山の花 (1)
至仏山は尾瀬ケ原の西に位置する2228mの穏やかな山容をしている山である。岩質は蛇紋岩からなり、他の蛇紋岩質の山(早池峰、谷川、白馬岳、など)と同じく希少な植物が見られる。代表的なものとしてシブツアサツキ、ジョウシュウアズマギク、ジョウエツキバナノコマノツメ、カトウハコベ等があげられる。
中腹からの小至仏方面
お花畑にはコバイケイソウ(白い花)、イワイチョウ(手前の丸い葉)、ネバリノギラン(コバイケイソウの手前の穂状の花)などが見られる。遠景は武尊山。
アカフタチツボスミレ(スミレ科)
花は終わっているが、特徴的な葉
アカモノ(ツツジ科)
この時期かろうじて残っていた。実が赤くなり、美味い。イワハゼともいう。
イブキジャコウソウ(シソ科)
麝香(じゃこう)のようないい香り。
イワイチョウ(ミツガシワ科)
葉の形がイチョウ似なことから。岩場には無く、湿った所や水のたまった所に生育。
イワカガミ(イワウメ科)
ツヤのある葉が鏡のようなことから。
イワシモツケ(バラ科)
下野(しもつけ)、現在の栃木県で見つかったシモツケの仲間で、岩場に生えるから。
イワナシ(ツツジ科)
花は雪解けの後に咲く。既に果実になっている。食感は古い梨の味。
オオバギボウシ(ユリ科)
山菜のうるい。美味しい。
オオバノヨツバムグラ(アカネ科)
ムグラは雑草の総称。葉の形、枚数などによりいろいろあり、判断に迷う。
オゼソウ(ユリ科)
カトウハコベ(ナデシコ科)
他に谷川、早池峰、夕張岳のみに生育。発見者の加藤泰行を記念してつけられた。
コメツツジ(ツツジ科)
花茎1cmぐらいの小さな花をつける。
シナノキンバイ(キンポウゲ科)
信濃金梅だが、信濃(長野県)に限らず中部以北の山から、北海道にも分布する。黄色いのは萼片で花弁はその中にある。
シブツアサツキ(ヒガンバナ科)
旧分類はユリ科。谷川岳にもある。シロウマアサツキより丈が低く、葉も細い。葱(ネギ、またはキ)の仲間で、浅葱(アサツキ)は葉色がネギより浅い緑色から。
タカネシュロソウ(シュロソウ科)
旧分類はユリ科 根元の葉鞘がシュロ毛状の繊維に覆われる
ジョウエツキバナノコマノツメ(スミレ科)
谷川岳にもある。キバナノコマノツメより葉がやや厚く毛が少ない。
ジョウシュウアズマギク(キク科)
谷川岳にもある。アズマギクより葉が小さくて細く、縁に粗い毛があるほかはほとんど無毛。
ズダヤクシュ(ユキノシタ科)
ズダは長野県では喘息のこと。薬草として使われた。
タカネシオガマ(ゴマノハグサ科)
花冠の先がくちばし状に尖らない。(ヨツバシオガマは尖る)ミヤマシオガマは葉が互生。
タカネナデシコ(ナデシコ科)
ナデシコより小型で花数も少ない。花の付け根にある苞(ほう)の形も違う。