赤城山の花
鈴が岳は2でも述べたように、樹林帯の中での道なので、お花畑のようなものは無い。大沼湖畔まで下りて来ると、開けた場所もあり、花の種類も少し多くなる。ここであげた花は、湖畔で見たものが多くなった。
オオヒナノウスツボ(ゴマノハグサ科)
大雛の臼壺で、花の形から。初めは大が付かないヒナノウスツボだと思ったが次のアップの写真で、花柄に沢山の腺毛が写っていた。図鑑でもヒナノウスツボには腺毛がほとんどなく、茎も細くて弱々しい。先端の花穂も細長く、花付きも少ない。
この形が名前の由来
イヌトウバナ(シソ科)
犬塔花で、花穂が塔のように伸びていることから。犬が付かないトウバナは、蕚筒に毛が無く、花冠も薄紅色をしている。ヤマトウバナは花冠は白いが、毛が無い。犬が付く名前はよくあるが、動物の犬ではなく、本物とは少し違うとか、役立たないもののこと。イヌナズナ、イヌガラシなど。
ケナツノタムラソウ(シソ科)
毛夏の田村草で、毛の多い事と、夏に咲くことから。田村草の意味は不明。別名ミヤマタムラソウ。
コメツツジ(ツツジ科)
米ツツジで、小さい白い花が米粒を思わせることから。花の径1cmぐらい。でかい米粒!!
ハクサンオミナエシ(オミナエシ科)
白山女郎花で、白山に産することから。オトコエシより優しい感じで、オミナになった。エシの意味は不明。
シモツケ(バラ科)
下野(しもつけ)で発見されたことからで、下野は現在の栃木県。丈は低いが木本で、草本のシモツケソウは花序(花の付き方)が上下に円錐状になり、葉にも切れ込みがある。
ダイコンソウ(バラ科)
大根草で、下部の葉が大根に似ているから。
ヤマボウシ(ミズキ科)
山法師で、小さく丸く集まった花序を坊主頭に、白い花弁のような苞(花の下に付く葉のようなもの)を頭巾に見立てたもの。果実は甘く食べられる。
アカショウマ(ユキノシタ科)
赤升麻で、地下茎の皮が赤色で、形がサラシナショウマの形から。アカショウマとトリアシショウマの違いは、微妙で、花を付ける下部の柄があまり分かれないということから、アカショウマにした。
クルマユリ(ユリ科)
山を下りて、大沼の畔で見た。他の場所で見るのよりかなり小ぶりであった。車百合の名は、葉が車状に輪生することから。
ニワトコ(レンプクソウ科)
ニワトコの意味は不明だが、薬用や、食用、果実酒などに利用できるので、常に庭に植えて使えるので「庭常」だろうという説を見つけた。慣用の漢名として接骨木が使われるが、皮や樹皮を煎じたものを湿布薬として骨折や捻挫の治療に使ったことから。