yamahanayamaの花日記

山に咲く花の紹介

赤城山(鈴が岳)の花々3 2021.7.27

赤城山の花

鈴が岳は2でも述べたように、樹林帯の中での道なので、お花畑のようなものは無い。大沼湖畔まで下りて来ると、開けた場所もあり、花の種類も少し多くなる。ここであげた花は、湖畔で見たものが多くなった。

オオヒナノウスツボ(ゴマノハグサ科

大雛の臼壺で、花の形から。初めは大が付かないヒナノウスツボだと思ったが次のアップの写真で、花柄に沢山の腺毛が写っていた。図鑑でもヒナノウスツボには腺毛がほとんどなく、茎も細くて弱々しい。先端の花穂も細長く、花付きも少ない。

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オオヒナノウスツボ

この形が名前の由来

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ヒナノウスツボ

イヌトウバナ(シソ科)

犬塔花で、花穂が塔のように伸びていることから。犬が付かないトウバナは、蕚筒に毛が無く、花冠も薄紅色をしている。ヤマトウバナは花冠は白いが、毛が無い。犬が付く名前はよくあるが、動物の犬ではなく、本物とは少し違うとか、役立たないもののこと。イヌナズナ、イヌガラシなど。

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イヌトウバナ

ケナツノタムラソウ(シソ科)

毛夏の田村草で、毛の多い事と、夏に咲くことから。田村草の意味は不明。別名ミヤマタムラソウ。

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ケナツノタムラソウ

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ケナツノタムラソウ

コメツツジツツジ科)

ツツジで、小さい白い花が米粒を思わせることから。花の径1cmぐらい。でかい米粒!!

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コメツツジ

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コメツツジ

ハクサンオミナエシオミナエシ科)

白山女郎花で、白山に産することから。オトコエシより優しい感じで、オミナになった。エシの意味は不明。

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ハクサンオミナエシ

シモツケバラ科

下野(しもつけ)で発見されたことからで、下野は現在の栃木県。丈は低いが木本で、草本シモツケソウは花序(花の付き方)が上下に円錐状になり、葉にも切れ込みがある。

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シモツケ

ダイコンソウ(バラ科

大根草で、下部の葉が大根に似ているから。

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ダイコンソウ

ヤマボウシ(ミズキ科)

山法師で、小さく丸く集まった花序を坊主頭に、白い花弁のような苞(花の下に付く葉のようなもの)を頭巾に見立てたもの。果実は甘く食べられる。

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ヤマボウシ

アカショウマ(ユキノシタ科)

赤升麻で、地下茎の皮が赤色で、形がサラシナショウマの形から。アカショウマとトリアシショウマの違いは、微妙で、花を付ける下部の柄があまり分かれないということから、アカショウマにした。

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アカショウマ

クルマユリユリ科

山を下りて、大沼の畔で見た。他の場所で見るのよりかなり小ぶりであった。車百合の名は、葉が車状に輪生することから。

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クルマユリ

ニワトコ(レンプクソウ科)

ニワトコの意味は不明だが、薬用や、食用、果実酒などに利用できるので、常に庭に植えて使えるので「庭常」だろうという説を見つけた。慣用の漢名として接骨木が使われるが、皮や樹皮を煎じたものを湿布薬として骨折や捻挫の治療に使ったことから。

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ニワトコ

 

赤城山(鈴が岳)の花々2 2021.7.27

赤城山(鈴が岳)の花

赤城山は、標高1,828mの黒檜山(くろびやま)を主峰に、駒ケ岳、地蔵岳、荒山、鍋割山、鈴ヶ岳、長七郎山からなるカルデラ湖を含む複成火山である。大沼湖畔まで車で入れるので、どの山に登るにも比較的簡単である。

鈴が岳の登山道は樹林帯の中で、あまり花も見られなかったが、大沼湖畔まで降りると明るい道が多く、それなりに見られた。

鈴が岳山頂

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鈴が岳山頂

オククルマムグラ(アカネ科)

奥車葎で、車は葉の形からで、ムグラは雑草の総称

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オククルマムグラ

カワラマツバ(アカネ科)

河原松葉で、河原などに多く生え、葉の様子が松葉に似ていることから。

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カワラマツバ

ミヤマムグラ(アカネ科)

深山葎で、ムグラは雑草の総称。他のヤエムグラ属の葉は、細長いので見分けやすい。

注意深くみると、4枚の葉の大きさが違う(対生する2枚は同じ大きさ)。これは対生する2枚が葉で、他はその葉につく托葉ということらしい。托葉とは葉の付け根に付くもので、目立たないものも多い。

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ミヤマムグラ

ヨツバムグラ(アカネ科)

四葉葎で、葉の数から。これも4枚のうち2枚は托葉。

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ヨツバムグラ

コアジサイアジサイ科)

アジサイで、小型のアジサイだから。アジサイと言えば、萼片が花弁の様になった装飾花を付けた形を思い浮かべるが、本種には無い。旧分類はユキノシタ科。

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コアジサイ

ヤマアジサイアジサイ科)

アジサイといえば、この様に装飾花を付けた形が普通。装飾花は萼片が花弁化したもので、雄しべ、雌しべが無く、あっても不完全で、昆虫を呼ぶために特化したものと言われる。旧分類はユキノシタ科。

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ヤマアジサイ

サワギク(キク科)

沢菊で、谷筋や湿った所に生えることから。

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サワギク

ヤマノコギリソウ(キク科)

山鋸草で、葉の切れ込みが鋸の歯の様だから。ノコギリソウより小さな花をつけることからだが中間形もあるとのこと。

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ヤマノコギリソウ

ヨツバヒヨドリ(キク科)

四葉鵯(花)で、ヒヨドリが鳴くころに咲くことから。葉の形に色々あり、本種は4枚の葉が輪生状になることから。

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ヨツバヒヨドリ

ニガナ(キク科)

苦菜で、茎や葉に苦みのある白い乳液を含んでいることによる。花弁状に見える舌状花は普通5個であるが、時には多い事もあるそうである。写真では6個見える。

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ニガナ

ツルガシワ(キョウチクトウ科

柏のような大きな葉を持ち、上の方は蔓状になるので、蔓柏。よく似たタチガシワは上部が伸びず、蔓状にならない。旧分類はガガイモ科。

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ツルガシワ

ツルガシワの花

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ツルガシワ

カラマツソウ(キンポウゲ科

唐松草で、花が唐松の葉のような形だから。萼片は早く落ちてしまい、花弁もないので、唐松の葉のように見えるのは、多数の雄しべである。数個の雌しべは中心部にあり、短くて白いので見えにくい。

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カラマツソウ

キツネノボタンキンポウゲ科

狐の牡丹で、葉が牡丹の様で野にあるから。狐にはだまされるとか毒があるという意味があるのではないかという説があった。突起を持った小さな果実がかたまって金平糖のようになっている。

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キツネノボタン

キバナヤマオダマキキンポウゲ科

黄花山苧環で、苧環とは麻糸を中が中空になるように、丸く巻き付けたもの。花がその形を思わせるから。白は萼片で、黄色が花弁。

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キバナヤマオダマキ

ヤマオダマキキンポウゲ科

赤紫色の萼片は5枚。黄色い花弁の基部は長くのびて、内側に曲がっているが、これを距といって蜜を貯める。

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ヤマオダマキ

 

子持山の花々 2 2021.7.26

子持山の花 2

獅子岩からの山頂(奥)

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子持山

ウマノミツバ(セリ科)

馬の三葉で、食用になるミツバに似ているが、食用にはならず、馬に食べさせる程度ということから。三つ葉というが、3裂して両側の裂片は更に2裂するので、5裂の形になる。

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ウマノミツバ

カノツメソウ(セリ科)

鹿の爪草で、根の形が鹿の爪に似ているから。ダケゼリ(嶽芹)ともいう。

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カノツメソウ

シシウド(セリ科)

ウドに似て強剛だからイノシシが食うのに適してるとみたから。

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シシウド

コメツツジツツジ科)

ツツジで白い小さな花が米粒の様だから。大きく写っているいるが、径1cmぐらい。

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コメツツジ

エドクソウ(ハエドクソウ科)

根をすりおろし、しぼり汁を紙に染ませて蠅取り紙にすることから蠅毒草。花の大きさは径5mm。

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エドクソウ

ミヤマママコナ(ハマウツボ科)

深山飯子菜で、若い種子が米粒によく似ていることから。旧分類はゴマノハグサ科

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ミヤマママコナ

キンミズヒキバラ科

金水引で、細長い黄色の花穂を金色の水引に例えたもの。

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キンミズヒキ

シモツケバラ科

下野で発見されたことによる。下野(しもつけ)は現在の栃木県。

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シモツケ

ダイコンソウ(バラ科

大根草で、下部の葉が大根の葉に似ているから。この写真では下部の葉が見えにくい。

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ダイコンソウ

ヤブハギ(マメ科

藪萩で、藪に生える萩。花を見ただけではヌスビトハギと同じだが、茎葉が中部以下に密集して付き、小葉の幅も広い。

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ヤブハギ

ヤマユリユリ科

山百合で、いい香りがする。これは斜面に生えていたので下向きだが、普通は直立する。

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ヤマユリ

ウバユリ(ユリ科

姥百合で、花が咲くころには葉が無い(歯がない)ことを、娘が成人して花の十八となった頃にはもう歯が抜けた姥になるのに例えた。しかし、実際には葉もしっかり付いている方が多い。

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ウバユリ

リョウブ(リョウブ科)

漢名の令法から。葉芽は食用となるので、古くは救済食料として利用されてきた。

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リョウブ

 

子持山の花々 1 2021.7.26

子持山の花 1

子持山渋川市の北に位置する1296mの山で、火山であったが、活動をやめてから長い年月が経っているので、その名残である岩脈や岩塊が何箇所か見ることができる。下の写真は獅子岩と呼ばれる高さ葯100mの岩峰で火山の火道にあったマグマが固まったものという。登山道も樹林帯の中で、花は特別多いわけではなかったが、獅子岩の左側岸壁に小さな白い斑点が見えるだろうか。これはヤマユリで、岸壁に張り付いていた。

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獅子岩

タニタデ(アカバナ科

谷に生えるタデの様だから。しかし、分類上はタデ科ではなく、アカバナ科

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タニタ

タマアジサイアジサイ科)

アジサイで、蕾が珠になっているからで、左側が蕾。アジサイの周辺部の白い花は装飾花といって萼片が花弁のように変化したもの。花弁、雌しべ、雄しべは無く、昆虫を呼ぶための花。旧分類はユキノシタ科。

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タマアジサイ

ヤマアジサイアジサイ科)

山に生えるアジサイだから。「あじ」は「あつ」で集まること。さいは真「さ」の藍の約されたもので、青い花が集まって咲く様子から名付けられたものという。

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ヤマアジサイ

イワタバコ(イワタバコ科)

岩煙草で、葉がタバコの葉に似ているから。

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イワタバコ

ハクサンオミナエシオミナエシ科)

白山女郎花で、オトコエシより小さくてかわいいから、オミナエシ。エシの意味は不明。

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ハクサンオミナエシ

ヤマホタルブクロ(キキョウ科)

山蛍袋で、花の中に蛍を入れて遊んだことによる。

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ヤマホタルブクロ

ヒヨドリバナ(キク科)

ヒヨドリが鳴くころに咲くと言われたことから。

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ヒヨドリバナ

モミジガサ(キク科)

葉がもみじ形で、傘状であるから。その周りに見える葉は、ウワバミソウ

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モミジガサ

ノギラン(キンコウカ科)

芒蘭で、芒はイネ科などに見られる細長い突起。飛び出している雄しべや、花弁がノギのようだから。

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ノギラン

レンゲショウマ(キンポウゲ科

蓮華升麻で、花が蓮華の様で全体がサラシナショウマの姿だから。まだ蕾だった。

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レンゲショウマ

オカトラノオサクラソウ科)

岡虎の尾で、岡に生える虎の尻尾のような形から。花穂が真っ直ぐ伸びず、折れ曲がってしまう。

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オカトラノオ

ヤマトウバナ(シソ科)

山塔花で、先端に付く花序(花の付き方)が塔のようになるから。

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ヤマトウバナ

ミヤマタニソバ(タデ科

深山谷ソバで、谷に生えるソバに似た草だから。

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ミヤマタニソバ


 

南天山の花々  2021.8.27

南天山の花

南天山は埼玉県の西部にある1483mの山である。特に特徴のある山ではなく、中津川の上流部にあり、アプローチは長いので、訪れる人も少ないと思われる。沢沿いの樹林帯を登るので、特に花が多いというわけではなかったが、分布域が限定的なタカネママコナが群落としてあった事は特筆すべきことであった。

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南天山山頂

ソバナ(キキョウ科)

岨菜で、岨は急な山や谷のことで、その様な所に生育することから。菜は茎や葉が食べられるもの。いつも上から覆いかぶさるような形を見ていたので、すぐにソバナとは考えられなかった。これは谷沿いで見たもので、花数も少なく丈も低い。

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ソバナ

アキノキリンソウ(キク科)

麒麟草というベンケイソウ科の花があるが、そのように美しく、秋に咲くということから。麒麟草の由来は不明。

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アキノキリンソウ

オクモミジハグマ(キク科)

奥紅葉羽熊で、葉がもみじ形、花がヤクの尾の毛で作った装飾用の羽熊のような形だから。本家のモミジハグマは葉の切れ込みが深く、モミジのようだが本種の切れ込みは小さい。奥は関西から見て、奥の方だから。

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オクモミジハグマ

シロヨメナ(キク科)

白嫁菜で、花が嫁菜に似ていることから。秋はキク科の花が多い気がするが、ここでも5種取り上げた。キク科の特徴は多くの花(小花という)が集まって、一つの花のようになっていること。写真でみれば、白い花弁に見えるものが1つの花(舌状花)で、中心部に集まって黄色に見えるのが筒状の花(筒状花)。これが茎の先端に付くので頭花又は頭状花という。タンポポはすべて舌状花だが、2つ先にあげたヤブタバコはすべて筒状花からなる。

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シロヨメナ

ミヤマコンギク(キク科)

深山紺菊で、舌状花の色が紺色で、深山に咲くから。ノコンギクのようにあまり分枝しない。ハコネギクともいう。

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ミヤマコンギク

ミヤマヤブタバコ(キク科)

深山藪煙草で、タバコの葉に似て、藪地に生えると言う意味。頭花はすべて筒状花である。

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ミヤマヤブタバコ

キバナアキギリ(シソ科)

黄花秋桐で、青紫色のアキギリに対し、黄色の花を付けるから。花冠から前方に長く突き出しているのは雌しべで、花粉を付けた虫が蜜を吸いに来た時に、受粉する仕組み。

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キバナアキギリ

ヤマトウバナ(シソ科)

山塔花で、花序(花の付き方)が塔のように伸びているから。

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ヤマトウバナ

ミヤマタニソバ(タデ科

深山谷そばで、深山の谷に生育し、ソバに似ていることから。。

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ミヤマタニソバ

タカネママコナ(ハマウツボ科)

高嶺飯子菜で、若い種子が米粒の様だから。絶滅危惧Ⅱ類で分布域は秩父山地八ヶ岳甲斐駒ケ岳鳳凰山などの亜高山帯となっていた。絶滅危惧Ⅱ類とは危険度を示す3ランクの3番目で、絶滅の危険が増している脆弱な状態になっているもの。

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タカネママコナ

ミヤマママコナは花色が赤紫色で、下唇に白い斑紋が付くが、本種は淡黄色で、黄色い斑紋が付く。全体の大きさも少し小さい。この葉は赤紫色がかっているが、日のよく当たる所にあるとこうなるらしい。

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タカネママコナ

タカネママコナの群落

ママコナやミヤマママコナは数本かたまって生えているのを見たことがあるが、これ程の群落は見たことが無い。それも3から5箇所ぐらいあった。絶滅危惧Ⅱ類とは思えないくらい‥。

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タカネママコナ群落

ヤブハギ(マメ科

藪萩で一見するとヌスビトハギと同じに見える。違いは葉が根元に集中しており、上部に無い。また、写真では3枚の葉が1セットになっているが、これで1枚の葉で、1つ1つを小葉という。小葉の形もヌスビトハギより幅広い。

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ヤブハギ

ヤブハギ・果実

果実はヌスビトハギとほとんど同じ形で、盗人が抜き足差し足で歩く足型のようだといわれる。

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ヤブハギ果実

メレンゲ(マンネングサ科)

姫蓮華で、群れをなして平らに生えている葉の状態を、蓮の花に例えたというが、連想し難い。ほとんど終わりで少し残っていた。

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メレンゲ

ヤマジノホトトギスユリ科

山路の杜鵑で、山道に咲くホトトギス。花にある斑点が鳥のホトトギスの胸の斑点を思わせることから。ヤマホトトギスは花弁が下に大きく反曲する。

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ヤマジノホトトギス

 

榛名天狗山の花々  2021.10.10

榛名天狗山の花

榛名山という山があるのではなく、カルデラ湖である榛名湖を中心とした山群で、更にいくつかの側火山から成り立っている。天狗山は西峰(1179m)と東峰からなり、榛名湖の南方にあり、麓には榛名神社がある。天狗山も榛名山初期の火山活動の際にできた外輪山の名残りと言われ、天狗信仰があり修験の山となっている。

登山道は樹林帯が多く、季節もいい時でなかったので、花もは多くはなかった。

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天狗山西峰

クサコアカソ(イラクサ科)

草小赤麻で、茎や葉柄が赤く、アカソより小さい草本だから。上方に伸びているのは雌花の集まりで、雄花はもっと下に付く。アカソは葉の先が3裂して、尾状に尖る。コアカソは落葉低木で、鋸歯(葉のギザギザ)がもっと少なく、10対以下。3種の違いがわかると楽しくなること請け合い。左下に見える小さな花はハキダメギク

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クサコアカソ

アサマヒゴタイ(キク科)

ヒゴタイの語源は不明。高尾山で、発見されたタカオヒゴタイは葉の中央が大きく凹んだバイオリン型になる。

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アサマヒゴタイ

オクモミジハグマ(キク科)

奥紅葉羽熊で、羽熊はヤクの尾の毛。花がそれに似ていることから。葉がカエデに似て、関西からみて東を奥と表した。この株は花が閉じていた。 

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オクモミジハグマ

オヤマボクチ(キク科)

雄山火口で、ホクチは昔火つけるのに使った綿で、この葉の裏の白い毛を使った。ヤマボクチよりいかつい姿なので、雄を付けた

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オヤマボクチ

シロヨメナ(キク科)

白嫁菜で、ヨメナに似て、白い花をつけるから。この写真はシロヨメナの特徴がよくわかる。大きく目立つ3本の葉脈、先が尖って真ん中より茎側が最も太い形の葉、花の付き方。こんなにきれいな形はなかなか無い。自画自賛

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シロヨメナ

トネアザミ(キク科)

利根薊で、関東地方に普通に見られることから。花の下の総苞片(尖った棘のようなもの)が反り返り、頭花が下を向いて咲いている。別名は大きなアザミを意味するタイアザミ。

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トネアザミ

フクオウソウ(キク科)

福王草で、三重県福王山にもとずいた。

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フクオウソウ

ヤクシソウ(キク科)

薬師草らしいが語源は不明。前日の雨の影響で下向きで、咲いていなかった。

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ヤクシソウ

サラシナショウマキンポウゲ科

晒菜升麻で、若い葉を煮て水で晒し、食べることから。この株は花序(花の付き方)が短く、花が少ないが一般的なものは長いソーセージのような形になり、びっしりと花が付く。小さな花が太い花茎から細い小花柄の先についているが、イヌショウマやオオバショウマは、この小花柄が無いので、区別がつく。勿論葉の形も違うが‥。

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サラシナショウマ

シュウカイドウ(シュウカイドウ科)

秋海棠で、バラ科のカイドウに花色が似て、秋に咲くから。中国原産だが各地で繁殖している。園芸種のベゴニアもこの仲間。

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シュウカイドウ

ハウチワカエデ(ムクロジ科)

羽団扇カエデで、形が鳥の羽根で作った団扇に例えた。

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ハウチワカエデ

ホトトギスユリ科

花の斑点を鳥のホトトギスの胸の斑点になぞらえた。ユリ科の花は萼片と花弁が同じような色になるので、両方を花被片というが、あえて区別するときは外花被片、内花被片という。本種は花被片が斜め上方に開くが、ヤマジノホトトギスは平らに(平開するという)、ヤマホトトギスは下方に反曲する。

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ホトトギス

 

御荷鉾山の花々3 2021.9.12

御荷鉾山の花3

前述したように登山道は樹林帯の中で、花も少ない。ここであげたものはほとんど林道で撮ったものである。一度樹林帯を切り開くと地面に届く日射量が多くなる。そこに動物や風に乗って運ばれた種子が育つと様々な花が咲く。山で林道に出会うと何か自然が変えられたようで、がっかりすることもある。しかし、今回のように林道によって多数の花に出会えたことは、矛盾するが楽しい事でもある。

オオイタドリ(タデ科

普通のイタドリより大きく、高さ2~3mにもなるので大疼取。イタドリは痛み取りの薬効が有るからと言われる。

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オオイタドリ

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

釣船草で、花の形が帆掛け船を吊り下げた様に見えることから。後方に突き出して先が丸まっているのは萼片で、距といい、蜜を貯める。花弁が距になるものもある。

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ツリフネソウ

ヤマホロシ(ナス科)

「ホロシ」の語源は「赤い実が皮膚にできるホロシに似ている」とする説、ヒヨドリジョウゴの古い呼び名という説、「赤い実」のことを指すという説、等あり、不明。
よく似たものにマルバノホロシがあるが、丸いということではなく、切れ込みが無いということ。本種の葉には左下のに見られるように切れ込みがある。

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ヤマホロシ

ママコナ(ハマウツボ科)

飯子菜で、若い種子が米粒によく似ているからとあったが、種子を見るより下唇に白い斑紋が見えることの方が納得がいく。あなたはどちら?ミヤマママコナは花の下に付く苞(葉のようなもの)にトゲトゲが無い。

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ママコナ

フウロソウフウロソウ科

風露草であるが意味は不明。

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フウロソウ

マタタビマタタビ科)

果実を食べると元気が出て、「また旅」するという説とアイヌ語のマタタムブからという説がある。マタタムブは亀の甲羅という意味で、果実にできた虫こぶが似ているからという説。あなたはどちら?

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マタタビ

マタタビ果実

口にしたことがあるがとても辛くて、口がしびれた。観光地で売っているビンに入れた塩漬けがおすすめ。

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マタタビ果実

ヤマハギマメ科

ハギは生え芽(ぎ)という意味で、古い株から芽を出すこと。萩という字は日本字で秋に花を咲かせるので、ハギと読ませた。

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ヤマハギ

ヤマボウシ(ミズキ科)

丸い花の集まりを坊主頭に、白い総苞(葉のようなもの)を頭巾に見立てたので、山法師。この時期にはもう赤い果実になっていた。

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ヤマボウシ

ヤマボウシ果実

こちらは薄甘く、ねっとりするが、食べられる。つぶつぶが見えるが、1つの粒が1つの果実。この様に沢山の果実が集まった果実を集合果という。

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ヤマボウシ

アオダモ(モクセイ科)

別名はアオタゴ、コバノトネリコというが、ダモ、タゴ、はトネリコのこと。では、トネリコとはどんな意味かというと、樹皮に付着しているイボタロウムシが分泌する蝋 物質を動きの悪くなった敷居に塗って滑りを良くすることから「戸に塗る木(ト-ニ-ヌル-キ)」とされたのが、やがて転訛して「トネリコ」と発音されるようになったものと考えられている。また、野球のバットに使われるように、折れずにたわむからタモという名になったという説もある。アオは枝を切って水につけると、水が青色に変わることから。調べると長い説明になりましたが、勉強になりました。

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アオダモ

ヤマジノホトトギスユリ科

山路の杜鵑で、山道に生育するホトトギスということ。ホトトギスは花についている斑点が、鳥の杜鵑の胸の斑点に似ているから。しかし、この株は斑点が少なく、他の白い鳥の名にした方がよかった?

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ヤマジノホトトギス